ヒューストンは聖書地帯。

ヒューストンに来るにあたって不安だったのは、テキサス州はバイブル・ベルト(安易で申し訳ないのですけれど、ウィキ曰く=中西部から南東部にかけて複数の州にまたがって広がる地域で、プロテスタントキリスト教根本主義南部バプテスト連盟福音派などが熱心に信仰され地域文化の一部となっている地域。同様にキリスト教会への出席率の非常な高さも特徴になっている。社会的には保守的であり、進化論を教えることが州法で禁じられていたことがあるなど、キリスト教や聖書をめぐる論争の絶えない地域である)に属している、と言う事である。共産党が強いし、保守的らしいし、特にニューヨークやロサンジェルスの芸術家コミュニティーでは、「ジョージ・ブッシュの出身地」と言うだけでイメージが悪い。
でも、私は予期せずしてライス大学がすっかり気に入ってしまったので、同時にヒューストンにも少しずつ興味が湧いてきた。例えば、キャンパスを歩いているとテーブルに腰掛けて頭を垂れて4人組とかで堂々と一緒にお祈りしている所を目撃したりする。ニューヨークとか、ロサンジェルスではちょっと考えられないことだ。今まで私が居た所では信仰深い人と言うのは少数派だった。何となく信仰を公にするのははばかられる様な雰囲気が在ったと思う。私は自分は無宗教だが、一般的には宗教と言うのは中々良い物だと思っている。嫌いなのは、宗教の副作用として出てくる固定観念や、排他主義であって、宗教の理想を本当に把握している人たちは素晴らしい人達が多いと思う。そして、一緒に座って一緒にお祈りをしている人達を見るとちょっと(いいなあ。。。)と思うのである。
と、言うわけで今日は友達のバイトに付き合ってヒューストンのメガ・チャーチの一つ、First Baptist Church を興味本位でお邪魔して来た。ライスのすぐ近くにあるLakewood Churchと言う所は、アメリカ一大きな教会だそうで、高速道路の横にで~んと構えている様子は、まるで巨大オフィス・ビル。とても、とても教会だとは想像できません。今日行った教会はヒューストン第二の大きさだそうで、席は3,500.音響の機械に1700万ドル使ったそうです。外観は全然教会らしく無い、長方形の箱ですが、ロビーはまるでホテルやデパートの様な豪華さ、きらびやかさ!そして教会の中では、サービス中、ディスコ調の光の演出が在り、音楽が在り、霧が出てきたり、まるでミュージカルの様!パンフレットも色つきの厚紙のとても高価そうなものでした。じっくり読むと実に面白い!例えば「あなたの為に祈りをささげて欲しい人は、いつでもご連絡を」と書いてある下の連絡先は、電話番号、電子メール、そして携帯メール。音楽も、日曜日3回あるサービスで全て違って、朝はオーケストラとコーラス、そして私が行った午後はエレキ・ギターやボーカル、電子オルガンなどのバンド。
私にはやはり、馴染みの無い、遠い世界のお話ですが、でも文化体験としては面白かった。

6 thoughts on “ヒューストンは聖書地帯。”

  1. 教会のサンデー・サービスにいったことが何度かあります、本も色々読んだのですが、やっぱり一神教はわたしにとっては異文化のままですね。かといって、仏教・神道もやっぱり宗教というより日本的伝統文化習慣にしか思えません。そのくせ困ったときの神頼みはしょっちゅうしてます、きっとわたしはアニミズムのたぐいですね。それにしてもメガ・チャーチというのはすでに産業化された宗教の感があります。

  2. >abbros.kawashimaさん
    そうですね、1700万ドルを音響システムに使う、と言う事は1700万ドルをもっていたんですからね~。儲かっているんですね。私は信仰する、と言う態度そのものは素晴らしいと思うのです。憧れもします、でもabbrossさん同じく、やはりちょっと異文化と感じてしまうのは、なぜでしょう?

  3. >ピアニスト、makichaさん
    日本人という存在は思った以上に寛容で多様性を持った文化を育んできたのかもしれないですね。それを外から見ると葬式仏教・正月神社とクリスマスと節操がないと見られるのでしょうけど、それは世俗的な生活の良いところのように思えます。そういう視点から見ると、ユダヤ・キリスト・マホメットの流れになにか排外的不寛容なものを感じて違和感をおぼえるような気がします。日本人の宗教戦争といえば、物部(日本教)と曽我(仏教)の争いくらいじゃないでしょうか、それに較べると西欧にあっては言うまでも無いほどです、個人の信仰と宗教教団は同義的には捉えられないのでしょうけどね。そのあたり同じ市場経済圏であってもやはり異文化としてしか捉えられない部分なのかなぁと思います。ちょっと長くなりました、ご勘弁のほど。

  4. >abbros.kawashimaさん
    正に、言い得て下さった様な気持がします。私は、色々な宗教を全て日常的に取り入れてしまう日本の包容力が好きで、そういう人間を目指したい、と思うのです。そう言う意味で、やはり音楽家で良かったなあ、と思います。音楽が、私の宗教です。
    マキコ

  5. >音楽が、私の宗教です。
    これを言葉にして言えるマキコさんて、とても潔く、強くて、美しい音楽家だと思いました。僕もまったく同感なのですが、以前、他の音楽家と同じような話をした時、僕は躊躇してしまって言葉に出来ませんでした、、、まだまだ未熟者です。

  6. >タカさん
    私が、「音楽が自分の宗教」と自信を持って言い切れるのは、私の前でそう言い切ってくれた先生や先輩たちに育てられて来たからだと思います。初めて言いきるには、勇気のいる宣言ですよね。でも、そうやって言い続ける事で、それはもっともっと深く、自分の真実になって行くのだと思います。
    コメント、ありがとうございます。
    マキコ

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