December 26, 2006

テントを張ってキャンプした事

今学期の遊びのハイ・ライトはなんと言っても2回キャンプをしたことです。 ある日イキナリ、「今日テント買ったんだ。明日から1泊2日でキャンプに行くんだけど、一緒に行こう!」といつも遊んでいる子から誘われて、「でも、練習しなきゃ」と私がまごつくと「出発は午後の2時にするからそれまで練習すればいい!明日は満月なんだよ!!」とかなり強引に行く事が決定されました。 いつも遊んでいる4人と、テント、寝具、食料がトランクからあふれて後部座席まで進出している大混雑の車で3時間ほどLAからドライブして、ジョシュアツリー国立公園(Joshua Tree National Park)と言うところでキャンプしたのが一回目。 4人とも誰一人それまでテントを立てた経験がなく、説明書をどう読んでいいのかも分からないような状態でどんどん日が暮れて暗くなる中、皆で二時間くらいかけてすったもんだの末、杭を打ち込みテントを張りました。 キャンプファイアーを燃やして大量のツナ缶と食パンとソーセージと生にんじんとチョコレートを皆で食い散らかしながら、星を見て歌を歌って、3人用のテントの中に4人で雑魚寝をして、次の日山に登って朝食、山道を歩いて昼食、そして帰り道デニースに寄ってメニューで一番安いものを食べただけなのに、何を食べても凄く美味しくて、どんなつまらない冗談も凄く可笑しくて、本当に楽しかった。(ただし、デニースに限って言えば日本のほうがずっとずっと美味しい。これは否定しようの無い、客観的事実。) 次にキャンプに行ったのは、私の誕生日(11月18日)の在った週末です。レッドロック渓谷(Red Rock Canyon)と言う、これもLAから車で2時間半位の所まで、前と同じメンバープラス一名で行きました。 前回のキャンプがどんなに楽しかったか私達が大量に宣伝(自慢)したので、今回は同行希望者が20名くらい居たのに、宿題、練習、ペーパー〆切等を理由に一人抜け、二人抜けして、結局ほぼ前と同じメンバーになったのが可笑しかった。 確かに一回目で思い切って行くまでは、私もトイレや洗面の問題から皆で一緒に寝る事、練習を一寸休む事まで不安に思う事は色々あったけど、非日常や少々の手間を回避して毎日を安全に生きていたら面白い事沢山やりすごしちゃうんだなあ、と思いました。 マシュマロを串にさしてキャンプファイアーで溶かしたり、焦がしたりしながら食べる、と言うのが大ヒットでした。(ちなみに残ったマシュマロを帰ってから試しにチンしてみた所、モコモコと膨れ上がって綿菓子のような物に変身し、それもびっくりでした。) 前回の満月がいかに明るかったか、今回月の無い所でキャンプをして始めて分かりました。天の川がはっきり白く見え、星座が移動していくのがわかる真っ暗闇は、壮大な感じがしました。 さて、初回のジョシュア・ツリー国立公園はジョシュア・ツリーと言う、小型の松がひねくりかえって踊りを踊っているようなひょうきんな木が沢山生えている砂漠で、不思議な景色が延々と続く所でしたが、キャンプ場としては初心者向きで、道路もしっかりしているし表示も分かりやすく、キャンパーでにぎわっていて何所にテントを張り、何所で火を燃やして、トイレは何所にあるのか、といったような事が一目瞭然で、私たちとしてはおおいに助かりました。 一方レッド・ロック渓谷の方は本当に白茶けた赤のような絶壁が長年の風(かな?)でうねうねと不思議な模様を見渡す限り描いている、これもまた不思議な所でした。大自然のスケールはこちらの方が断然大きく、感動しましたが、公園としても余りにも大きくて道に迷っても人に聞けるまでずっと歩いていかなければいけなかったり、一寸不安な事もありました。 でも、急な丘を4つんばいになって皆で上って、頂上で一人ずつ大声で叫んだらば、本当のこだまが何度も何度も聞こえたのに感動しました。音響の広がりが目に見えるような体験でした。ちなみに私の声が5人の中で一番大きく、こだまも一番はっきりしていました。これは自賛ではなく、皆言っていました。 私の誕生日の前日に出発したこのキャンプから帰宅したのが翌日7時くらい、それからシャワーを浴びて、着替えて、9時半からは誕生パーティー。私とチェロの19歳の子の誕生日が同じだったので、学校の生徒半分くらいが出席する大きなパーティーになりました。 いい誕生日でした。ケーキに私の名前が書いてありました!

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ロスから再びニューヨークを訪ねて

師走になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 ロスアンジェルス(以下LA)では11月の最後の週まで半袖でも汗ばむほど暑い日と風が冷たい日が交互で季節不明でしたが、ニューヨークは間違いなく冬です。余りに寒いので、急いでないのに思わず駆け足になってしまいます。中々いい運動です。 ハドソン川のむこうにマンハッタンを望む高級アパートの一室から、お便りしています。  家具や内装も細かい所まで趣味良く手がかけられていて、そういうことに無頓着を決め込んでいる私には、まるで御伽噺の世界のようです。ここに住んでいる私の友達は、70年代にジュリアードを卒業し、その後しばらく教えた後に方向転換して薬品会社に勤め始め、今ではやり手のキャリア・ウーマンです。でも、週末や休暇を利用して彼女と同じような経歴の人たちと室内楽を積極的に楽しみ、私のような若手(!?)の応援にも積極的で、演奏会には友達を沢山連れて来てくれるし、ホームコンサートを開いてくれたりします。アメリカではこういう愛好家たちを対象にした「室内楽合宿」と言うのが数多く存在しているようで、彼女も仕事と出張の多忙の合間を縫って、感心するほど積極的に一年に何回も参加しています。室内楽のレパートリーは私より多いのかもしれない。初見だって、大したものです。 さて、私がここに今お邪魔しているのは、彼女が5泊6日の出張中に猫のお世話をする代わり、彼女のアパートに住まわせて貰うという、ベビーシッティングならぬ、キャットシッティングの為です。私は今月20日にここでホームコンサートをさせていただくので、ここのピアノで練習して慣れることができるのが嬉しいし、美しいアパートに住めるし、マンハッタンへの行き来も便利だし、いいことヅクシでホクホクです。朝、寝室の窓一杯、マンハッタンの向こうからゆっくりと日が昇るのが見えます。思わず拝みたくなってしまいます。日本の初日の出を思い出します。それに、自分の日常と無関係の空間で一人静かに過ごす時間が嬉しいです。今学期は本当に良く遊んで、良く学びました。楽しかった事、学んだ事をきちんと振り返って言葉にして、又前に向かうための時間が欲しかった。 これから順次私の体験や考えたことをエッセイにまとめて、お届けします。読んでください。

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