指揮者の采配

8;30 練習 9;45 リハーサル 10;30コーチング(”Singing Sepia” by Tania Leon) 11;30練習 1;30 明日のピアノ・アンコール曲マラソン・リサイタルのドレス・リハーサル 2   オーケストラのリハーサル(ウェスト・サイド・ストーリ、L.Slatkin指揮) 4;30 復習、散歩、暇つぶし 5   コーチング(ムソルグスキー歌曲集) 6   ムソルグスキーの歌曲を共演するメゾ・ソプラノの研修生の誕生日パーティー(メキシコ料理) 私は少し指揮の経験がある。 「指揮をさせてもらった経験がある」と言ったほうが事実に近い。 私の在籍するコルバーンでは各学期一週間ずつ、 学校のオケをそのまま沢山ある地域の公立学校へ連れて行って小学生達の為にコンサートをする。 これは、オケ奏者にとってもレパートリーを増やすいい機会だし、 毎回弦楽器や管楽器の2~3人が選ばれて協奏曲のソロもできる。 私はいつも、指揮で参加させてもらっている。 指揮の勉強はコルバーンに入学した2006年の秋に始めた。 まだ始めたばかりだし、ピアノの練習の合間に趣味程度に勉強しているだけなので、 足りないところだらけである。 でも、今までこの小学生用の「コンサート」において、モーツァルトの交響曲39番の最終楽章を始め、 モーツァルトのヴァイオリン協奏曲イ長調、ハイドンのチェロ協奏曲ハ長調、 ベートーヴェンの交響曲5番一楽章、そしてリムスキー・コルサコフのシェヘラザッド、 コープランドの「静かな都会」など、色々振らせてもらった。 振らせてもらったと言っても、 もっと経験のある指揮者がすでに数回リハーサルしたオーケストラを本番だけ指揮するのである。 オケの団員はみんな私の友達だ。 シェヘラザッドなどはかなり複雑で、指揮を間違えると大きな事故につながる可能性のある曲なので 私はビビくりながら挑んだのだが、皆がしっかりフォローしてくれたので、何とかうまくいった。 そして、実はウェスト・サイド・ストーリ組曲も振らせてもらっている。 組曲は、明日スラットキンの指揮でピアノ・パートを弾く”Symphonic Dances”より簡潔な編曲だが それでも、私はウェスト・サイド・ストーリーは子供のころから何度も映画で見ているし、 良く慣れ親しんだ曲なのである。 今日は2度目のリハーサルが在った。 一回目は研修生の指揮によるリハーサルだった。 タングルウッドの指揮科は、かつて小澤征爾が研修生だったこともある、有名な科である。 選りすぐられた人たちが来る。 今年は4人、ハンガリー、ニューヨーク、そしてドイツから二人来ており、みんな男性だ。 ウェスト・サイド・ストーリーを指揮した人は大変うまかったのだが、 私はずっと不安な気持ちで弾いていた。 自分の準備不足のせいがほとんどなのだが、長い休みのあと音を出すとき、 本当に出るべきところで弾き始めているのか、いまいち確信が持てない。 オケの一楽器としてのピアノはオケの一番後ろの第一ヴァイオリンのま後ろ、 ステージの端っこに位置する。 横から見る指揮者、と言うのはどの拍を振っているのか本当にわかりずらい。 そんなわけですごく楽しみにしていたウェスト・サイド・ストーリーが ちょっと不完全燃焼だった。 しかし、今日のスラットキンの指揮は不安がすっ飛んでしまった。 なんでだろう。 リハーサルの運び方、奏者たちに対するポジティブな口調、そして拍のはっきりとした振り、 色々な要素が在ると思うが、 彼が何をしたいのか、どう弾いてほしいのかがはっきり分かる指揮なのだ。 弾いてて、楽しい。 研修生との違いが、はっきりと言葉にできるくらいわかる能力があれば、 私の指揮者としての成長もうんと早くなるのだろうが、まだ考え中です。 […]

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