ゴールドベルグを初めてリピート付きで演奏しました!

私が今参加しているPianofestの在るEast HamptonはNYに住む金持ちが避暑用の豪邸別荘地として有名です。こういう人たちは、すでに退職していたり、特に職業を持っていない人が多く、音楽鑑賞や、芸術関係、またボートや車などの趣味に生きている人が多い様です。そういう人たちのスポンサーによって私が今参加している様な音楽祭が実現するわけです。 今日はPianofestの個人スポンサーの一人で在るドイツ人の女性のお家で、彼女と彼女のお友達のためにゴールドベルグをリピート付きで演奏してきました。私はゴールドベルグを8月にCD録音する予定で、今リピート(とそれに伴う装飾や即興)付きで演奏するために特訓中。この音楽祭の音楽監督に、「なるたけ沢山、人の前で通し稽古をしたいので、助けて下さい」と頼んだところ、このホームコンサートが実現されたわけです。 個人宅とは思えないような豪邸。見渡す限り広がる花咲き乱れる庭にはハンモックがぶら下がっています。「天国」と言われたら、こういう場所をイメージする人も居るかもしれない。私のミニ・コンサートのためにこじんまりとした、でもとてもおしゃれな飲み物とおやつの用意がお客さんのためにしてあり、居間にあるスタインウェイはきちんと昨日調律されていました。 日本でのゴールドベルグの演奏はリピートをせずに大体40分程度でしたが、リピートをした場合はざっとその倍の80分かかります。そしてやはり疲れた。腕も疲れたし、脳みそが疲れた。耳も疲れました。でも、だから達せられる境地、というかナルヴァーナのような感じも味わいました。そしてリピートをするから聞こえてくる物もある。実現できる声部の比較検討もある。全部弾き終わった時は本当にタイム・トラヴェルから帰ってきた浦島太郎のような気持ちがしました。 そして、みんな物凄く喜んでくれたのです。「それぞれ、全ての瞬間を楽しみました」と言って下さったイギリス出身のヴィクトリア。ホストのブリジットは「また、是非やりましょう。いつ来れますか?」と言ってくれました。「バッハは神様みたいですね」と言って下さった方も居ました。 とても、とても嬉しかった。 大成功!

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