September 8, 2014

毎日何時間練習するべきか?

今週末は、結構ぎっしり色々やった。 金曜日の夜はリハーサルで、帰宅11時。 土曜日は朝からメールで色々な必要連絡を取った後、 正午から論文執筆。 土曜の夜はCD録音セッションと後の飲み会で帰宅2時半。 日曜日は朝から論文、午後に昨晩の録音の聞きなおし、 夜はパーティー(日本人会―CDの演奏とご挨拶程度の演奏披露)。 論文を書くと、練習できない。 練習をすると、論文が書けない。 両方満足にしようと思うと、世捨て人になるしか無い気がする。 そして私は人生の少なくとも何年かはそうして世捨て人として過ごしたのである。 でも、世を捨てた人間が何のため、誰のために音楽をするのだろう? 理屈が通らない。 修行のために区切られた時間を「世捨て人」的に過ごすのは良いし、 私はそうやって我武者羅に練習・勉強した日々を 感謝して、誇りに思っている。 でも、結局音楽は世のため人のためにやらないとむなしい。 「毎日何時間練習するべきか」と言うヴィデオが一時Facebookの私の友人間で話題になった。 パメラ・フランクと言う、ヴァイオリニストが演奏家の卵にメッセージを送っているヴィデオである。 (パメラ・フランクは私がしばらくレッスンに通っていた伝説的ピアニスト、 クロード・フランクの娘さんでもある。 タングルウッド音楽祭に参加した際は、 この親子に室内楽のコーチをしていただく光栄に恵まれた) 彼女は 「練習は量より質。何時間練習して演奏に臨んだか、と言うことを気にする聴衆はいない。 本当に集中したら、私は一日2時間以上は練習できない。 でも、練習中は自分に残酷なほど正直になること。 弾けないこと、を練習する。 頭を使う。 工夫をする。 そして、残りの時間で人生を思いっきり楽しんで、自分の音楽の肥やしとしなさい。 頼むから、練習時間を増やすことだけに、満足を感じないで。 頼むから、もっと内容の濃い練習を、少ない時間で頭と心とを使ってやって。」 このヴィデオは私にかなりのインパクトを与えた。 丁度、余りに余暇の少ない自分の生活に疑問を持っているときに見たこともあり、 しばらく練習量を最低限まで減らしてみた。 しかし、まさに「質より量」の練習をして来た、 そしてそうする事が当たり前だった環境から来た身としては 一抹の不安に駆られるのである。 (これで本当に自分は習得しているのだろうか?) そして、最悪の心配はそれが演奏に影響しないか、と言うことである。 彼女の提言を実行するには、 内容の濃い練習だけでなく、 経験と(私には経験はあるはずなのだが) かなりの自信が必要だ、と思う。 さて、その自信を培うにはどうしたら良いのか... さ!練習、練習。

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昔の物書きが飲んだわけ、村上春樹が走るわけ、そして私が歩くわけ

「書いてない...」 「書けてない...」 …とずっとブログに書いてきたが、 今週末に入ってからは結構書いている。 しかし不思議な物である 皆、そうなのだろうか。 (さあ、書こう!)と机に向かう。 そうすると、頭が真っ白になる。 すでに書いてある数ページを何度も何度も読み返して、 『てにをは』を入れ替えたり、 語順を変えたり、 要するに、遊ぶ。 (もうだめだ!)とあきらめる。 洗濯物を集めていると突然(!)と閃く。 ダダダダダ!とコンピューターに向かって走り 「ぐおおおおお~!」と言う感じでタカタカタカタとタイプをする。 その一筋の論理をまとめあげると、次にどう繋げるか、しばし悩む。 有り余る文献をつらつらと眺め始める。 (これ等の文献は今、私の部屋の床と机の上に所狭しと思い思いの頁を広げて散らばっている)。 こっちの本のページをめくり、あっちの本のページをめくりしていると、 突然(これは使える!)と言う箇所に出会う。 それを、後の引用か参考のために取りあえず論文本体の一番下に写してみる。 タカタカタカタ。 それが終わるとまたしばし空白の時間。 思い余って、部屋の中を歩き始める。 檻の中のライオンの様である。 そうしていると、さっきほっぽリ出した洗濯物収集物が目に入る。 (あ、いかんいかん)とこれらをまとめなおして洗濯機に放り込む。 (お?マキコ、おなかが空いているのかな)と、 食器を並べ始める。 しばし平安な気持ち。 そうするとまた(!)と閃く。 ダダダダダダ! インスピレーションを待つ時間と言うのは、ちょっとしんどい。 でも、インスピレーションが来て、ダダダダダ!とコンピュータに走っていって タカタカ、タイプしている時はとっても楽しい。 しかしいつでも不安はつきまとう。 (私の言っている事に本当に大義はあるのだろうか)とか、 (大義すぎて、論点がぼけてきているんじゃないか)とか、 (もしかして、私が言っていることはテンデ間違っているんじゃないか)とか そう言う邪念を追い払い、追い払い、 (とりあえず)(とりあえず)と書き進める。 昔の物書きがアルコールに走ったわけや、 村上春樹がマラソンするわけが、 ちょっとだけ分かってきたような気がする。 (とか言いながら、まだ10ページ目行ってないんですけど)

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