音楽人生、充実してます!

旅行の醍醐味の一つは、生活の全てが新鮮さを持ち直す、と言うことでは無いか? ヴェニスに近いスキーリゾート、Cortina D’Ampezzoに来てまだ4日目! 今、カレンダーを見ながら数えて、信じられない思いである。 たとえば、食材をスーパーに買いに行く、それだけで大冒険である。 お惣菜のセクションで焼きたてのパンや、お惣菜を注文する。 カウンターの向こうのおばちゃんは英語を解さないのか、 それとも私のイタリア語上達に貢献しようという気持ちなのか すべてを身振りと大げさでゆっくりのイタリア語で通す。 透けるくらい薄~く切った生ハムを5枚。 イワシを揚げて、大量の玉ねぎと共に酢漬けにした、元祖南蛮漬け! 私が注文した分を計器で計った後、にっこりして自分の胸を指さし、おまけ分を足してくれる。 そうして買ったモノたちを寮に帰ってリトアニア人のルームメートとわけっこして食べると、 本当に感動的においしく感じる。 生ハムは本当に口の中でとろける。 南蛮漬けは、う~ん、母ののほうがおいしいけれど、でもお魚料理も酢漬けの玉ねぎもうれしい! 食材調達、一回一回の食事、すべての散歩、イタリア語で通りすがりの人とかわす挨拶、 そういう全てが新鮮さにあふれた毎日は文字通り充実していて、 夜寝る前、朝あったことを思い出すとき、なんだか遠い昔の思い出に思えるくらい。 Dino Cianiピアノ音楽祭の受講生は 日本、韓国、中国、アメリカ、ドイツ、リトアニア、ノルウェー、イタリア、と 多様な国籍を持つ20人。 みんな上手い。 レッスンも演奏会も毎日のようにある。 レッスンをしてくれるのは主にヨーロッパの先生たち。 4人居るどの先生も最低3か国語をしゃべる。 私をこの音楽祭に特待生として引っ張ってくれた私の長年のNYの音楽人生の父、 Jeffrey Swannは現地人とべらべらイタリア語を交わすほか、ドイツ語、フランス語、 そして中国語をしゃべるアメリカ人。 今日私がレッスンを受けた「こいつはすごい!」と巷で噂のClaudio Martinezは なんと驚異の13か国語!その中には日本語も含まれている。 どの先生もピアノ馬鹿ではない。 生徒に練習室から出ることを進め、一緒に山登りしたり、ヨーガのクラスに参加したり、 食べ物の話に盛り上がったり、実に豊かな人生。 そんな彼らのレッスンはピアノの話しは非常に限られる。 美的感覚を左右する歴史的背景、作曲家の哲学を繁栄する自伝、作曲家の愛読書、 そう言うものの話しから、じゃあ、それをどう自分の曲の解釈に応用するか、 と言う論理でレッスンが進められる。 最終的な結論は実に微細に入るリズム感、音の処理に及び、 一時間のレッスンは絶対一時間の時間枠に収まらず、 レッスンが終わった後は脳みそが爆発しそうである。 しかしそのレッスンの復習を楽譜にまとめる時間は限られている。 毎日2回以上演奏会があり、生徒はすべて入場無料、その機会を利用することを強く奨励される。 演奏会はクラシックに限らない。 この4日で2回、ジャズのコンサートを聴いた。 そして弦楽四重奏、そう言えば、クラッシックピアノの演奏会は生徒の演奏会が二回だけだ。 客演はすべてクラシックピアノ以外。 私も月曜日の音楽会でリストの「愛の夢」を演奏させてもらった。 立ち見客が多数出る会場で、レッスンを受けたばかりの曲を演奏する。 受ける刺激が多い中、やっぱり触発されているのだろうか、 自分の想像力だけでは絶対不可能な演奏ができる。 それを聴衆、先生、そして新しい友達に喜んで受け止めてもらうと、 […]

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