空港にて 2


人生変動の、多忙の時に在って、
突然、とある空港でぽっかり生まれる予白の5時間。
ずっと押せ押せになっている博士課程論文前の最後の義務である語学試験の勉強をしなければ、
と思いつつ、久しぶりの一人の時間が愛おしく、
教科書を食卓にふせて、しばし物思い。
空港、と言うのは不思議な場所だ。
人生が一時停止になる。
移動が苦手で、大変な才能に恵まれながら演奏家の人生をあきらめる友人も見てきた中で、
人が感心するくらい移動時間に愛着を覚える私は
やっぱりこういう人生に向いているのだろうか。
久しぶりに自分の息が聞こえる。
同じく移動中の、多様な老若男女が、
一方ではかきこむように忙しく、また一方では明らかに時間つぶしに悠然と食事を取る空間で
久しぶりに自分の脳みそから言葉を取り出して、形にする。
ああ、しばらくちゃんと練習してないな。
やっぱりこういう時に恋しくなるのは、ピアノと物書きのようである。
さあ、フランス語の勉強!


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