飛行機、考察 2


私の人生最初の記憶は、1歳半の時である。
香港に転勤した父を、引っ越しなどの手配を終えて私と母が数か月後に追った際の飛行機の旅。
私を窓側に座らせてくれた母が、緊張して下痢をしていた私のために
スチュワーデスにはちみつを頼んでくれて、砕いた正露丸に混ぜてスプーンで食べさせてくれた。
その苦甘い味まで、良く覚えている。
私の最初の飛行機の旅が国際線だったため、
『飛行機の中ではご飯を食べるもの』と言う方程式が出来上がっていた。
香港には6年間住んだが、出張に行く父のお土産はいつも
機内食のメニューを印刷した紙だった。
妹と二人でそのメニューを眺めながら、
飛行機でこんなに素晴らしいお食事ができるなんて素敵!
と、思っていた。
初めて乗った国内線では
「この飛行機では食事は出ないのか」と無邪気にスチュワーデスに尋ね、
飴を沢山もらったりした。
そういう風に育ったせいか、私は飛行機の旅を始め、旅全般が大好きだ。
飛行場は人間観察が面白い。
多様な人々を観察するのも、彼らのドラマを想像するのも楽しいし、
以外とそういうがやがやしたところで、曲目解説を書いたり、録音を聴いたり、
集中を要する仕事をするのも、好き。
どんなに座席が狭くなっても、機内食が貧しくなっても、水まで有料になっても、
その変化も面白い!
しかしそういう私は少数派らしい。
私が今まで会ったピアニストの中でかなり特出した有能なピアニストは
飛行機も一人旅も大嫌い。
飛行機に乗ると、手などピアノを弾くのに一番大事な体の部分に湿疹がでる。
「飛行機の清掃するときの洗剤にアレルギーがあるらしい」
と本人は言っているが、私はひそかに「じんましんでは?」と思っている。
彼は素晴らしいピアニストなのだが、
そのために演奏家としてのキャリアをギヴアップしたい、と言う強い願望を持っている。
その為かどうか、今はザンビアで数学と音楽の教師をしている。
それに対して私は飛行機も、飛行場も、旅も、一人も、電車も、人力車も大好き!
世界中を演奏旅行したい!
そして、タフ。
現地人が食べておなか壊すものでも平気だったり。
こう言うのも運命なのか。
今日は、特別、本当に特別にハワイまでの飛行機がある方の非常なご好意によって
ビジネスクラス‼‼
物凄く楽しみである。


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