スピーチ・コンテストで優勝しました!


自分のリサーチや論文を、専門外の人に分かり易く、興味をそそるように簡潔に説明する。
この技術は色々実際的な役に立つ。
1.博士論文の最終口頭試問の準備
2.教職の面接
3.研究・執筆の資金協力の要請
4.執筆・研究中の自分の目的意識をより明確にする。
ライス大学で毎年行われている
「90秒論文スピーチ・コンテスト」はその様な目的を掲げている。
昔は「エレヴェーターピッチ・コンテスト」と呼ばれていた。
要するに、どんな相手に向かっても興味を持ってもらえるように
自分の論文の要点を素早く説明するコンクール。
学校をあげてのイヴェントで、参加者は37人。
審査員は色々な教科の教授が50人。
参加を検討する生徒に向けての説明会から始まり、
台本の校正指導、スピーチの演技指導、とここ2週間ほどかなり忙しかった。
かなりの予算がこのイヴェントのために割り出されている。
台本校正や、演技指導の時はかなり突っ込まれたコメントをもらい、
「私の論文の要点からずれる!」など
専門外の人に意見されることに抵抗を感じることもあったりしたが
でもこの短いスピーチを練り上げることをほぼ強制される過程で
自分の論文の一般社会へアピールできる意味合いとか
見失いかけていた大きな方向性を見直すきっかけとなった。
進められて、軽い気持ちで出場を決めたけれど、
この一週間はかなり没頭して準備した。
何よりも面白かったのは、スピーチを記憶する、と言うこと。
(これはコンテストのルール)
これは楽譜の暗譜とは全然違う。
暗譜よりスピーチの方がずっと楽だが、
しかし記憶がすっぽり抜ける可能性への恐怖は全く同じ。
特に私の場合は暗譜に関してのスピーチになるので、
このスピーチの最中に記憶が抜けたら
「ああ、この人は暗譜が苦手だからこういう論文トピックなのね」
と思われちゃう!
最後の2、3日はピアノよりもスピーチを練習していた。
録音したり、自分のスピーチの様子を録画したり…
ジェスチャーを振付して、
忘れやすい個所でそのジェスチャーをすることで記憶を補強できることを発見!
これは暗譜にも使える…!
さらに、記憶に集中しないで「何を伝えたいか」に集中すること。
そして最大の成果は他の出場者の研究内容を垣間見ることによって
本当に武者震いするような感動を覚えたことだ。
科学専門への女性進出の遅れの原因をグローバル観点から研究する中国人女性。
環境問題が世界中で取り上げられている今、なぜ畜産業の副産物であるメタンガスの弊害(その空気汚染への弊害は車・汽車・船をすべて合わせたより多いそう)が問題にされないのか、研究する菜食主義者。
金とタイタニウムを合わせることによって磁石を作り出し、それを(どうやってかは良く理解できなかったけれど)病気治療に役立たせる研究をしている人。
石油を水圧によってもっと完璧に、完全に取り出す方法を研究している物理学者。
アメリカの歴史においてのカトリック教会の弾圧と、それに影響された国際政治の研究をしている人。
がん細胞の作り出す特殊なタンパク質を簡単に見分けることによって、がん細胞と健康細胞を瞬時に見分けることを目指している人。
医者が患者とのコミュニケーション技術を磨くことが最終的に(医療技術が全く同じでも)治療の成功率を上げることを立証したインド人。
ライス大学に居ることが本当に、本当に誇らしくなった。
…そして、そんな中、私は「人類学部賞」を受賞してしまいました!!!
私は演じることに慣れていたから有利だったし、このスピーチコンテストに優勝したことがそのまま自分の研究・論文の優勢につながるとは夢にも思っていないけれど、でもやっぱり嬉しい!
300ドルまでいただいてしまいました.