熱血学部長に感動。


STRIVEと言うライス大学の活動グループの一員となった。
Student Transforming Rice Into Violence-free Environmentの頭文字を取ってSTRIVE.
ストーカーの一件でライス大学に多いにサポートしてもらって
何か恩返しが出来ないかとずっと思っていた。
それで誘われたときにすぐにジョインしたのだ。
アメリカにはTitle IXなるものがある。
「連邦から資金援助を受けている教育機関に於いてはあらゆる面での性差別を禁止する」
とする1972年に制定された法律である。
スポーツに於ける男女平等からセクハラ教育やレイプの被害者のケアなど
非常に幅広い応用が可能な法律だが、
Title IXコーディネーターなる人が値する教育機関には必ず居て、
この法律に違反があった場合は介入してくれる。
私がストーカーの一件でお世話になったのも、このTitle IXのAさんである。
私の場合加害者がライス関係者では無かったのに、なぜTitle IXの対象になったのか。
「女性」と言う事で教育を受けるのに不利な立場に立たされた、とみなされるから、らしい。
厳密なところは良く分からないのだが、しかし非常に、非常にお世話になった。
私がラッキーだったのは元婚約者と別れたのが5月の終わりで
婚約者がストーカーと変身したのが6月上旬。
夏休みで、学年度中は超多忙な人々が皆、小休止状態だったことである。
Aさんには一時期毎日何時間も付き合ってもらったりした。
警察に提出する書類一つにしても、気が萎えるほどの書類の束が、
約束の時間にオフィスに行くと、85パーセント記入済みで、
私が記入せざるを得ない所だけが空白にしてあって、印がつけて在ったりとか、
土日でも何かあると、私のメールに応答してすぐ連絡をくれる、とか。
しかし、アメリカにはTitle IXがあるから
全ての教育機関がこういう支援体制があるのかと思っていたら
STRIVEに入ってトレーニングを受けて知った。
ライス大学は特別だったのです。
モデル校になるくらい、Title IXに力を入れていて、
学校の予算に対してTitle IX実地のための予算の割合が他の学校より非常に大きい。
例えば、同居している人に暴行を受けた人のための仮の宿の確保など、
支援体制が非常に太っ腹。
さらにSTRIVEと言う生徒活動を支援しているのもTitle IXである。
そのSTRIVEのミーティングである学部長にあった。
Rice大学のもう一つ面白い事は、学校内に裁判所があって、
アメリカの法律ではなく、ライス大学の倫理観念に従って
希望が出たケースを裁く、と言う機関がある事である。
これは関係者全員がライス関係者の場合だけ適応可能なので、
私自身は関わったことが無いのだが、この前はSTRIVEのトレーニングで
このライス裁判機関の部長のお話しを聞いた。
2003年に始まったこの機関だが、始まってから今までの13年で
150以上の性的暴力のケースを裁いたそうだ。
そういう場合は被害者と加害者と両方のインタビューを行う。
性的暴力は当事者だけでなく、こういう形で関わる人間にも少しずつ
トラウマを残していく。
でもトラウマを分かち合う事で、被害者に一人では無いと言うことを知ってもらいたい。
そう言って涙ぐんだ学部長に、私は度肝を抜かれた。
60代くらいの男性。
政治科学での博士号を持っている。
奥さんはライス大学でビジネスの教授。
そしてライス大学の裁判機関に関わって13年。
それでもここまで情熱的に、同情的にやっているなんて。
こんなに良い人が居るなんて。
思わず、もらい泣きをしてしまった。
American College Associationと言う機関が去年発表した統計の結果が
大きな物議を醸している。
アメリカの4年制大学のキャンパスで約1/4の女子生徒、そして5%の男子生徒が
何等かの性的暴力を受けた、と答えているのだ。
それもあって始まったSTRIVEなのだが、
私にとっては開眼の、世界が広がる、大切な経験となりそうである。