ベートーヴェン

洒脱日記131:Groupmuse主催のアットホームな演奏会

GroupmuseというNPO主催で、演奏のライブ配信を行います。アメリカ西海岸時間の7月26日(日)の16時、東海岸では19時、日本時間では7月27日(月)の8時から約1時間半のイベントです。ピアノ曲の中でも最も幅広く愛されている曲の数々をお届けしながら、演奏の間に音楽の癒し効果を活用するためにはどのように音楽と関われば良いのか、少しずつご紹介します。今日は、グループミューズの興味深いビジネスモデルやその理想とするところ、そして私のプログラムなどについて書きます。

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明けましておめでとうございます。2020年演目発表!

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 まず、リクエストを公募した2020年の私のリサイタルプログラムを公表させてください。日本では6月中旬から7月上旬にかけて、また演奏させて頂く予定です。小さな曲はこれからまだ詰めていきますが、大体まとまってきました。題して「音楽の架け橋:旧世界🎼新世界、ベートーヴェンとガーシュウィン」。(日本での演奏日程をブッキング中!ご興味がおありの主催者の方々はお早目にご連絡ください。サロンや美術館、ホームコンサートのご相談も承ります。) ベートーヴェン(1770-1827)ソナタ28番、作品101(1816)21分 ベートーヴェン(1770-1827)ソナタ32番、作品111(1823)28分 ガーシュウィン(1898-1937)『ラプソディーインブルー』(1924)15分 この3つの大曲の歴史的位置づけを表す小品(未定・模索中) ラヴェル?『道化の朝の歌』『亡き王女のためのパヴォーヌ」他 スコット・ジョップリンかWilliam Grant Stillなどの黒人作曲家? ベートーヴェンとガーシュウィンに徹して彼らの小品で固める? べ「エリーゼのために」「月光(一楽章)」など ガ「I Got Rhythm」などの歌のピアノ独奏編曲や前奏曲 2020年は、ベートーヴェンの生誕250周年記念です。私はへそ曲がりなので、(皆がベートーヴェンを弾いてるときにわざわざ尻馬に乗らなくても…)と思っていました。博士論文では、ベートーヴェンの天才性は歴史的に演出された部分が大きい、と書きました。でも皆さんからのリクエストにもベートーヴェンが多く、(まあこの機会にちょっと…)と見始めた後期のソナタにどっぷりはまってしまったのです。何と言う恍惚の世界!しかも遊び心と、茶目っ気に溢れているのです。 「後期のベートーヴェンは難解」と言うのが一般常識です。私もその固定観念で、今まで作品101や111を避けてきました。が、今この年で初めて自由にこれらの曲を考察すると、ベートーヴェンは実はものすごく楽しんでこれらの曲に取り組んでいた、としか思えないのです。そして私も弾いていて本当に楽しい。 「難聴→失聴」の『運命』のベートーヴェン…これが歴史が創り上げたベートーヴェンのイメージです。でも本当にそうなのでしょうか? 失聴したから聞こえてきた最高の音世界をベートーヴェンは実は満面の笑みで楽しんでいたのでは?障害を持っているから苦しいだろう・不幸だろう、と言うのは健常者の想像力の欠如では?これはパラリンピックの精神にも繋がります。更に、ベートーヴェンには1/16黒人の血が入っていたという学説があります。例えばこれが本当だったとして、リズムの観点からベートーヴェンの後期の作品を見てみると突然ジャズっぽく聞こえてきたりもします。失聴したことで、(その上もしかしたら人種的マイノリティーだった?ことで)常識や固定観念から自由になる事が出来たベートーヴェン。ラッキーなベートーヴェンと言う観点から後期のソナタを検証してみると、全く新しい見解を持ってこれらの曲を解釈する事が可能になります。 そういうお話しをしながら、ガーシュウィンとつなげていきます。ガーシュウィンの両親は、ロシア系ユダヤ人としてアメリカに移民しているので、ガーシュウィンは一世です。反ユダヤ主義が世界的に横行していた時代に、黒人差別に自分たちの人生やアイデンティティーを重ねてみるユダヤ人は多かったようです。そのガーシュウィンの出世曲が「ラプソディーインブルー」です。昨年渡米30年を迎えた私の、日本での演奏活動20周年記念にも相応しい曲です。更に、実に400年前—1620年に清教徒がメイフラワー号に乗って宗教弾圧を逃れて自由を求めてきた自由民主国家、アメリカ合衆国の代表的作曲家とされるガーシュウィンを、この大事な大統領選挙を控える2020年に演奏するのは、意味深だと思います。 書き出してみると、楽しみが募ってきます。ちなみに、生活が不規則になり勝ちな音楽人生ですが、今年の抱負は3時間練習、3時間本の執筆、8時間睡眠を、バローメーターに毎日前進する事!本の執筆にはブログやメールをやっている時間は含みません!楽しんで頑張るぞ!

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来夏の演目、ご希望はありますか?

2020年の夏の来日は、私の日本での演奏活動20周年目になります。本当に沢山の方々に支えられて、ここまで来れました。 来年はまたベートーヴェン生誕250周年でもあります。それからアメリカに於ける女性参政権が執行された100周年記念でもあるんです。 演目の案は色々あるのです。 案その①「ベートーヴェン:『運命』に惑わされるな!」 ベートーヴェンと言うと難聴で何年も苦しんだ後晩年失聴した悲劇と戦いながら作曲を続けたヒーローと言うイメージが強いと思います。イメージの通りベートーヴェンの有名な曲には短調で悲しい・苦しいイメージの曲が多いです。例えば『運命』『エリーゼのために』『悲壮』『月光』『熱情』... 肖像画もいつもこんな感じです。 でも、実はベートーヴェンの作曲の多くは明るい美しさやユーモアにあふれているんです。単純計算でも例えば32あるベートーヴェンのピアノソナタの内23曲は長調なんです。 このユーモアに溢れたベートーヴェンに注目したプログラムはどうかしら?そしてベートーヴェンは啓蒙主義的な考え方で、当時の女性蔑視に抗うように女性の演奏家の意見を重視したりもしています。ユーモアに溢れた作品の中でも特に女性に献呈されたソナタを弾いて、歴史的な女性問題やベートーヴェンの啓蒙主義も検討する演目なんて、どうでしょう? 今、バ~っとベートーヴェンのソナタを読み通しています。楽しい! このプログラムにこだわらずとも、お客様たちは私に弾いてほしい曲ってあるのかしら?お伺いしてみたいところです。コメント・ご連絡、お待ちしています。

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