教える日


木曜日は朝から教えている。

幼稚園から高校3年までエレヴェーター式のある国際学校でピアノのレッスンをするのだ。

すごい経歴の知り合いのピアニストは

その性転換手術を伴う人生の紆余曲折の中、

一時演奏の機会をかなり失った時期があった。

「私は幼稚園児を教えるためにジュリアードに行ったのか?

レパートリーに持っている100幾つの協奏曲を誰も一つも欲しがらない」

と号泣されたことがあった。

もう10年以上昔になるが。

まあ、そういう風にも考えられる。

でも、私、実は結構楽しいのである。

ト音記号の書き方から道化の朝の歌を弾きこなすまで、

プライヴェートの生徒さんを含めると私の生徒のレヴェルは本当にまちまちだが、

その一人ひとりがすごく個性的。

そしてそれぞれの個性に合わせてピアノの技術や音楽への心構えなどを伝授しようと工夫する

自分の言葉や言い回しに昔自分が先生におっしゃっていただいたことを思い出したり、

新しい考え方の発見をしたり。

歴史上、演奏だけで食べていけた器楽奏者と言うのは本当に少ない。

ショパンもモーツァルトもベートーヴェンさえ、生徒が結構たくさん居た。

クレメンティやチェルニーやクレーマーに至っては

楽器販売、楽譜の出版業、教則本の執筆など様々なことを手掛けている。

それに、教えるということも、音楽をシェアする一つの手段である。

練習と演奏だけの音楽人生より、幅が出て楽しい。

朝の8時にレッスンスタート!

行ってまいります。