Emanuel Ax氏とのコーチングが今日もあった。
一昨日のコーチング、そしてそれからのリハーサルの成果で
一昨日よりは完成度が高いメンデルスゾーンで、指針を請うことができたと思う。
Ax氏はソロ活動も精力的にこなしているが、同時にヨー・ヨー・マやパールマン等との共演でも有名だ。
そして、ピアノと弦と言う、全く異質の楽器をうまく統合させるために、
ピアノの音をかなり厳しく制限し、弦を生かそうとする。
その概念はこの前のコーチングで理解したので、今回はそこのところはマスターして行ったが
それでも、昨日のブログでも触れた、ピアノよりも間のある弦のテンポ感と言うものを
私の独奏の部分でまだうまく掴めず、そこのところを何度もやり直させられた。
その時、何度も”Patience, Patience"、と言われた。
2001年に亡くなった、私を凄く可愛がって、引き立ててくれたNYの指揮者も、
そういえば繰り返し私に言った、”Patience, Pateince".
どう訳せば良いのだろう。
忍耐とか、我慢とか、辞書に載っている言葉だとちょっとニュアンスが違う。
あえて言えば、「待つ心」、
あるいはこの場合だと「信念を持って、ゆったりかまえて待つ心」だろうか。
そして、この二人の私が尊敬する音楽家たちは、なぜ二人揃って私にそう言うのだろう。
音楽的に、もっとフレーズに余裕を持たせて、そんなに結論に急がないで、と言う意味にも、
自分の音楽家としての成長、学習の過程をせかさないで、と言う意味にも取れる。
そして、曲が熟す過程を信じて、せかさないで、と言う意味もあるのだろう。
OK, pateince, patience.
待つ心ですか・・・、
奥が深いですね。
「フレーズの結論を急がない」というのはとても興味深い話です。
>モーツァルトは天才さん
コメント、ありがとうございます。
そうですね、独奏ばかりしていると忘れがちです。
でも、「黄金時代のピアニストたち」にはサラっと、時には正確さを犠牲にしても、弾く人も多い気もします。その時代の美的感覚、と言うのもありますよね。
黄金時代の人達は今よりも自由な感じがありますね。
アルゲリッチとかの次元になると何をしても許されますし・・・(笑)。
まぁ、あの人の場合、単純に格好良いのが素人に自分にもわかりますからね。
それにしても室内楽でのピアノ独奏時に弦のテンポ感とは難しすぎます。
CDだけでしか知らないのですが、室内楽のピアノと弦って自分には何を聴いてもいつも水と油のように聴こえるんですけど、実際は互いの響きって溶け合うものなんですか?素人的質問ですみません(;^_^A
>モーツァルトは天才さん
コメント、ありがとうございます。
音のアタックをなるべく少なくして、
ペダルなどの操作でなるたけ響かせるようにして
弦と溶け合うような音を出すことを目指すんだと思います。
とりあえずはその方向で試行錯誤中です。
この音楽祭での経験のブログはすごくいいね。素人の私にも貴方の格闘、修行の過程がよく分かるし、本当に貴重な経験をさせてもらって成長してきたんだなと。貴方の音楽家としての深さ・厚みがすこし分かるようになりました。
>kinjotxさん
このブログを始めたきっかけの一つにタングルウッドでさせていただいている経験があまりにも貴重で、これをシェアして読者の方々にも楽しんでいただきたい!と思った事があります。
錦城さんにも読んでいただけて、嬉しいです。