何だか、落ち着かない。身を持て余すというか。歯がゆいというか。
何をしていても身が入らない。読書もテレビも執筆も練習も…コメディーを見て何が可笑しいはずなのかは分かるけれども全然笑えない。
疲れもある。フェローシップの応募に全てを投入仕切った脱力感もある。炎天下のハイキングの後遺症もある。でもそれだけじゃない。
(この感覚知ってる…)
大学生の頃…いや、もっと前かも。中学の進路相談の前夜?将来が果てしなく開けていている。可能性が無尽蔵。でも同時に未知の要素も圧倒的。
次の一歩を右足で踏み出すか、左足で踏み出すかの違いだけで、将来の運命が変わるかのようなワクワクした高揚感と当惑。どちらが吉と出るか凶と出るか分かる訳がなく、ためらいと勢いのせめぎ合い。日曜日に提出した本命のフェローシップは、単純にその倍率から不合格を予定して計画を立てた方がよい。他のフェローシップやグラントなどをリサーチしながら、物書きとして売り出した方が良いのか、はたまた音楽家か、両方か、自分はこれから何をしたいのか、何をするべきなのか、思いあぐねて、疲労困憊。
同時に(何を計画したって無駄。これから気候変動で洪水と干ばつの繰り返し。カリフォルニアでは山火事が毎年極端になっている。大地震もいつか絶対来る。世界経済恐慌も多分来る。コロナも続く。こんなフェローシップやグラント、応募したって来年はどうなってるか…)という悲観と脱力感もある。現にここ数日でハリケーンローラはルイジアナに無残な爪痕を残している。死者も出た。ハリケーンシーズンは始まったばかりだというのに。今これからという若者たち。そしてその親御さんを思うと、胸が痛む。地球の未来は、明るいとは言い難い。
私の中学の進路相談の思い出。「私はピアノで音大に入って指揮を副科で取り、将来は指揮者になります。」と胸を張って誇らしげに宣言した。自信に満ち溢れていた。多分傲慢に見えたのだと思う。「無理。それは夢でしょ。今は現実の話しをするときです。」と常識の圧力で真っ向から否定され、反論の余地も与えられず、口惜しくてトイレで一人で号泣した。世も終わりかと思うくらい悲嘆した。
トイレで泣いてるときは知る術が在る訳も無かったのだがしかし、その後我が家族はNYに転勤になり、私はジュリアードのプレカレッジに合格した。結局指揮者にはならなかったけれど指揮も勉強した。作曲だって勉強した。そして私は、無名ではあるけれどそれでも、アルバムを10枚リリースした国際的ピアニストとして、ボリビアやマケドニアと言った辺境の地からパリ・NY・東京・D.C.と言った大都市の、時には歴史も名前もある演奏会場や共演者と、実に様々な演奏経験を積ませて頂いた。曲がりなりにもここまで音楽を生業として、生きて来られた。
これから何がどうなるかなんて、誰にも分からない。だったら楽観視しよう。夢を見よう。自分が現実化したい将来に向かって、猪の様に突き進もう。私は「事起こせ主義者」。選択肢はいつもより波乱万丈の可能性の大きい方と15の時に決めた。私は自由だ。惜しい物なんて無い。夢を見る想像力と創造性を柔軟性、そしてそれを支える世界観と経験と行動力と自信を培ってきた。そしてそういう自由を手に入れるために、それなりの努力もした。犠牲も払った。痛い思いもした。
そうやって勝ち取った、時間と自由と情熱と音楽と経験と行動力と、そして夢。何という贅沢だ!
嬉しかったこと
- 作曲家のAugusta Reed Thomasと電話でお話しをしました
- 私の心の友ーNYで調律師をしているリックにSOSを出して愚痴を聞いてもらいました。
- ずっと先延ばしにしていた本のプロポーザルを書き始めました。次に応募するフェローシップに必要だからです。でも一年ほど前に書いた時より私は明らかに書く技術が向上している。それは確かです。
- バッハのフーガを手当たり次第弾いてみました。バッハは凄い。本当に凄い。その凄さに触れていられるだけで光栄で幸せです。
- 私は自分のユーチューブにもっと急成長して欲しい。でもAugustaもリックも言っていた。今世界中の音楽家が将来の不安を抱えて一斉にオンラインで色々発信をしている。そんな中、少しずつでも成長を続けているのは、本当に凄い!フォローしてくださっている方々に感謝です。
お疲れ様です。
映画「シックスセンス 」の児のようになんでもオミトオシな性分なのですね。
どう生きようとそれは自分の性分です。
想い惑いつつも現実と格闘しながら生かされていることは素晴らしいと思います。
小川久男
小川さん
お久しぶりです。お元気そうで良かったです。
コメント、ありがとうございます。
全くお見通しではありません。その為の不安も希望もあるのだと思います。
もしかしたら本当に未来予知能力があったらもう情報量の多さに逆に動きが取れなくなってしまうかも知れませんね。
感謝と夢と希望に焦点を定めて、前進しようと自分にはっぱをかけるために書きました。
真希子