演奏道中記8.17:安定は静止にあらず

私は毎朝ピアノで「ジャ~ン」と一つの和音を一分以上伸ばし、両腕を鍵盤の上に預けることで一日の練習を始めます。消え行く和音に聴き入っていると、聴覚が集中します。自分の重みを鍵盤に預けて姿勢や脱力について考えると、体の中で「ポキ!」「ピキ!」と小さな音が時々して、整骨されていきます。私はそうして毎朝毎朝、探しているものがありました。鍵盤に両手をのせた状態で完全に楽な、半永久的に持続可能なバランスです。...これが難しい!

でも昨日「ハッ!」と思い当たったのです。

周りの世界や自分の生態が流動的な中で、静止の中に安定はあり得ない。

安定というのは、周りの波動や流動性に常に微調整を続けていく柔軟性を持ち続けなければいけないし、完全な安定というのは一瞬の中にしかあり得ない。

ピアノをやっていると、色々な事を考えます。そしてピアノだけやっていると、同じ一点をずっと見つめ続けているのと同じように、焦点がぼけて何もかも分からなくなったりもします。最近は、環境運動や教えの好機や旅行などの色々な刺激に恵まれて、ちょっと視点が冴えている感じ!そして今回の気付きに一役買ってくれたのはこれでは無いかと思うのです。

生れてはじめての生け花体験!

お盆の季節に開かれるリトル東京のニセイウィーク日本祭のイベントの一つで、先生に教えてもらいながらやりました。面白い!

1 thought on “演奏道中記8.17:安定は静止にあらず”

  1. お疲れ様です。

    安定とは、明鏡止水の境地でしょうか。
    「山のあなたの 空遠く」と同等です。
    安定を自覚した時が、芸術家の居場所となると思います。

    小川久男

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