今日は7時15分から15時半までズームでOpEdを書くためのワークショップに参加しました。
その名も「Write to Change the World! (世界を変えるために書け!)」
1.Op-Edとはなんぞや・
アメリカでは社説の隣のページにOp-Ed(Opposite Editorial(社説の真向かい)の略)という寄稿記事を載せる慣習があります。これは常に一般公募されています。例えばニューヨークタイムズやワシントン・ポストにOp-Edが出版されれば、これはレジュメに書けます。しかし、こういうOp-Edは非常な有名人や著名な政治家なども投稿します。
2.このワークショップを主催している「The OpEd Project」は12年前に創立されたNPOです。
創立者のKatie Orensteinはこういう投稿記事にさえ、社会の不平等が如実に反映されていることを発見しました。起用記事の85%が白人男性によって書かれていたのです。これを変えるために、女性と有色人種にOpEdを書くためのノーハウと色々な手助けをするために立ち上げられたのが、The OpEd Projectです。12年後の現在、女性の投稿者は25%まで増えているそうです。今回は私は光栄なことに参加費免除で、しかも創立者のKatie Orensteinが自ら教えるワークショップに参加する事が出来ました。今日のワークショップを経て、プロのジャーナリストのコーチングを受けたり、投稿までの色々な手助けを得ることができます。
3.今日の参加者は24人。(+講師、アシスタント2人、リーダー役の先輩卒業生3人)
環境に優しい医療を研究する人、教育者、出版した本が全て何か国語にも訳されているロシアと中国の研究者、ヘブライ語とアルメイック語で古書を読み解く宗教家、起業家、NPO創始者など、そうそうたるメンバーです。今回の参加者は全てアメリカ在住でしたが、約4分の一が外国生まれ、そして多分私を含む4人が英語が第二・第三か国語でした。同じようなワークショップで外国在住の人が10人いたこともあるそうです。参加者は2人の男性を除く全員が(講師やアシスタントも)女性。そして約半分が有色人種でした。
4.心に残ったこと
「今日の参加者の全員が同じ種類の癌を患っていると想定してください。そしてあなたはまだ誰も知らないこの癌の治療法を知っています。あなたはそれを皆に言いますか?笑われるかもしれない。取り合ってもらえないかも知れない。あるいはあなたの知っている治療法は間違っているかも知れない。間違っていなくても不完全かも知れない。でも正しい可能性もある。全員を完治させる可能性もある。あなたはこの治療法を発表する義務があると思いますか?」
「この問いかけは、私は12年間、どのワークショップでも行ってきました。このセクションが不評だったこともあります。参加者の中には最近癌で親しい人を亡くした人も居ます。ご自身が癌を患っている人も居ます。でも私がこの問いかけを行い続けるのはこういう理由です。」
「The OpEd Projectを創立した最初の年、ワークショップに参加した女性はすい臓がんを患っていました。彼女のお母さんも妹さんも同じ癌で相次いで亡くなっていました。そして妹さんが遺言でお姉さんに頼んだそうです。『子供の時からずっと泳いできた近所の湖に癌の原因が無いか、調べて。』ジャーナリストだったナンシーが調べると、確かにその湖は工業廃水ですっかり汚染されていたのです。私はワークショップに参加した彼女に聞かずには居られませんでした。『ご自身の余命が短いのになぜ書くことにそこまで一生懸命になれるのですか?」すると、彼女が言ったのです。『私一人の命よりも、私が書くことで救われる可能性のある無数の将来の方が大事だからです。』彼女は本を書きあげてから、亡くなりました。」
「書いて発表するという行動は、必ず結果を起こします。しかし、その結果は期待とは逆効果の場合もあります。女性が発表する場合、そして有色人種が発表する場合は、逆効果になる可能性は倍増します。真実を発表しても叩かれる、嫌われる、酷評される...そう言う好ましくない結果も可能性の範疇にあります。しかし、だからと言って、同じ種類の苦しみを味わっている人を救える可能性を無視する事が出来ますか?」
5.今日の一番の学び。正論は、必ずしも一番影響力のある言葉ではない。
自分の正当性を主張するより、自分の手元にある情報で何を成し遂げようとしているのかを明確化し、そのゴール達成のためにどういう形の情報共有が一番効果的かを考える。人は信念は、他の人の言葉ではほぼ絶対変えない。それよりも、情報を他の情報のオブラートで包むようにして、そこから読者が自分で、あたかも自分自身の推察力でその情報を得たかの様に錯覚させる。あるいは、すでに読者が持っている情報に不随する形で新情報を提供する。その方が抵抗なく、情報が拡散する可能性がずっと高い。
6.今日参加して嬉しかったこと。
創始者のKatie Orensteinを始め、参加者の皆、そしてアシスタントたちも、本当に世界を良くしたい、より良い自分・より良い人類・より良い将来を造る事に力を注ぎたいという、能力も希望も信念もあり溢れている素晴らしい人たち。そして彼らの多くが音楽を趣味でしていて、セミプロ級だったり、凄く音楽への造詣が深い。私のやろうとしていることにとても興味を示してくれる人が沢山いた。
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