私はNYやLAや東京と云った、いわゆるヒップな都会ばかりに住んできたが、その割には夜、遊び歩くということは余りしない。早寝が好きなのもあるし、アルコールに弱いのも、人前で踊ると自意識過剰になることも、全てが原因の要素だと思うが、こんな私でも何度かは有名なバーやクラブに言ったことがある。そこで受けた強烈な印象は、まるで会話を妨げるような、ツンボになるような音響でかかっている音楽について、である。「会話を妨げるような」と書いたが、これは形容で書いたのでは無く、実際そう言う目的があるのではないか。薄暗い、非日常的なスペースで、未知の人と密接してお酒を飲んだり踊ったりする。会話は、出来ない方が実は皆気楽なのでは無いか? そしてお店側にしてみれば、会話なんかしてくれない方が、皆どんどん飲むから、売上も上がるだろう。
最近、公的なパーティーに招かれた。次から次へと、これでもかこれでもかとご馳走が出てくる中(中華だったのですが、北京ダックの直後にチキンの丸焼きが出てきた時は、ちょっとびっくりしました。)色々な団体の代表が次から次へと挨拶やスピーチをする。隣の人に「ちょっとスプーンを取ってください」と頼むのもひそひそ声で、と言う感じだ。これもやはり、スピーチが必要なのでは無く、会話の必要性を避ける手段なのでは?と思ってしまった。
面白かった。皆シャイなのだろうか?