今週は一貫してかなり忙しい。
土曜日にある今年度最後のコルバーン・オーケストラの二曲でピアノ・パートを弾いている。レスピーギの「ローマの松」とジョン・アダムスの「A Chariman’s Dance~Foxtrot for Orchestra」と言うアダムスの「中国のニクソン」と言うオペラの中の曲に基づく曲の二曲だが、両方ともかなり長大で入り組んだ曲で、リハーサルもかなり集中している。2曲ともピアノ・ソロがかなり多いので、張り切ってしまう。そして私の先生、ジョン・ペリーがラフマニノフの二番の協奏曲を弾くので、これも見学する。このリハーサルが今週毎朝、9時半から12時まで。毎日早起きしてリハーサルの前に練習しようとしているが、それにも限りが在る。
オーケストラのリハーサルの直後、12時から1時まで毎日自分の指揮のビデオ・録画をしている。皆私の為に集まってくれているわけだし、ありがたいから出来るだけ有効に時間を使い、彼らにとっても良い音楽体験になるよう、汗をかきながら一生懸命指揮をしている。
そして夕方から夕飯まではこれから学期末まで続く、3つ参加しているアンサンブルのリハーサルが在る。
夕飯の後は大抵演奏会に行く。学期末で色々な子が卒業の為には必修のリサイタルをしていて、同じピアノ科の子なら私には出席が義務付けられている。夕飯をかきこんで、夕飯の後、リサイタルの前にちょこっと練習したり、眠い目をこじ開けてリサイタルの後に練習したりするが、これも限られている。
問題は、指揮の録画が終わってから夕方のリハーサルが始まるまでの2,3時間だ。普通に考えれば、この時間が絶好の練習のチャンスだし、今週が実際に始まるまでは私もそう思っていた。ところがそう簡単な問題ではないのである。指揮は凄く楽しいし、色々聴いて、考えて、楽譜を読み、そして音楽を体現する、この全てを同時にこなす。凄い脳みそが刺激を受けて、指揮が終わった後、私は凄いハイになっているのである。もうウキウキしてしまって、ご飯ものどを通らないのである。頭の中は指揮で一杯で(練習しなきゃ)と思っても、できること・したいことはヴィデオを復習して、次の日に備えることと、楽譜を勉強したり、振りの練習をしたり、だけである。そしてその間もぴょんぴょん飛び跳ねて、余分なエネルギー発散を試みたり、奇声を発したり、とても練習どころではないのである。
そして食いしん坊の私には信じられないことだが、食事をしたい、とも思わないのである。何だか恋をしているようだ。食べたく無くてもちゃんと頑張って3食食べているから、大丈夫ですけど、自分でも本当に不思議である。