今日はタングルウッドの正式な開会式が在りました。
私たち研修生のほとんどは6月19日からここに来て、すでに講義を受けたり、リハーサルを開始していますが、演奏会はこれから本格的に始まります。開会式はまず、タングルウッド・ミュージック・センター(タングルウッド音楽祭の中でも特に研修生たちの活動を司るパート)の総監督、エレン・ハインスタイン(この人も昔タングルウッドの作曲の研修生だったそうです)の開会の言葉が在り、それから教授代表でアメリカの代表的な作曲家でタングルウッドでは作曲科主任のジョン・ハ―ビソンのスピーチが在りました。「自分のエゴの為、成功の為に音楽をするのでは無く、文明を讃えるため、人間性を讃えるため、そして音楽を愛する心の為に音楽をやって行こう!」と言うものでした。それから、先週の土曜日に公開レッスンをしてくれた過去のタングルウッド研修生で今は世界的に有名なメゾ・ソプラノ、ステファニー・ブライスと、ピアノ科の主任、アラン・スミスがコープランド(彼はタングルウッド創立の1940年から25年間タングルウッドの作曲の主任でした)のエミリー・ディキンソンの詩による歌曲を演奏しました。それから、今年急に背中の手術の為タングルウッドでの演奏を全てキャンセルしたジェームス・レヴァインに代わって、サンフランシスコ交響楽団の常任指揮者であるマイケル・ティルソン・トーマス(この人タングルウッドの研修生としてキャリアのスタートを切りました。彼はこの夏、ジェームス・レヴァインの代役を務めて奥の演奏会を振ります。)がスピーチをしました。「音楽が素晴らしいのは、虐げられがちな人々でも、公平に自己表現の場が与えられ、偏見の無い実力社会であることだ。だから過去に置いて、ユダヤ人が多かったし、今日私はこの世界における、女性進出、アジア人進出を素晴らしい事だと思っている。タングルウッド創立者であるクーセヴィツキ―もロシア系ユダヤ人としては当時考えられなかったほどの成功を指揮者として、築いた。そしてだから、後世の虐げられた人たちに自己表現を許す場として、音楽業界の火を燃やし続けなければいけない!」と言う、とても力のこもったスピーチでした。
最後にランダル・トンプソンがタングルウッドの委嘱で作曲した「アレルヤ」と言う合唱曲を伝統を守って毎年開会式ではその年の研修生が合唱して終わりました。とても美しい曲で、去年もそうでしたが、皆と声を合わせて歌っていると、本当におごそかな神聖な気持ちになって、「がんばろう!」と改めて思いました。