「忙しい」と言う気持ち。

「Believe me, you don’t know what "busy" means! (信じて!あなたは「忙しい」の意味を知らない!)」
今は亡きルース・ラレードと言うピアニストが日本でどれだけの知名度が在るか知らないが(今調べたらウィキに記事が在りました。)、上の言葉は彼女が私との電話の会話で言った事である。私は学部生の頃一時期彼女に目をかけてもらった事が在った。上は、私が推薦状をお願いした時に言われた事である。彼女は演奏活動とマンハッタン音楽院での教職を掛け持ちしていたし、娘がロンドンに住んでいて割と手がかかる関係だったみたいだし、不幸な離婚の傷がずっと癒えなかったみたいだし、何がそんなに忙しかったのか、分かるような気もする。けど、「あなたには絶対分からない程忙しい」と言われてしまうと、(そうかあ、私の想像の域を超えるほどの『忙しさ』と言う物が在るのだなあ)と納得するよりほか、こちらには選択肢が無い。ちなみにこの時おねだりした推薦状を彼女はちゃんと書いてくれたのだが、私は自分が忙しい、と感じるたびに(ルース・ラレードが承認してくれるくらい忙しいかな?)と考えて、思い出し笑いをしてしまう。
時間とか、お金の余裕、と言うのは実際の数では無く、気持ちの持ちようだ、とこの頃良く思う。
私は割と簡単に「忙しい!忙しい!」とパニクッてしまう方だが、私の友達の中には「忙しい」なんて一言も発さないし、遊びに誘えば十中八九乗ってくるのに何故か沢山本を執筆したり、平均律全巻丸ごと暗譜してリサイタルで弾いてしまったり、知らぬ間に南米に観光旅行に行っていたりする。どうやって時間のやりくりをしているのか、と思うけど、本人たちは別に何とも意識していないようである。
どちらかと言えば、後者を目指したい。
明日はまた指揮のリハーサルと、大きな締め切りが在ります。
でも、一応準備は全部出来ているし、ここは太っ腹に、寝てしまおう!
10時半~この頃まれにみる、健康な就寝時間。

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