『おもひでぽろぽろ』を観みました。
私は宮崎駿は同じ日本人としてとても誇りに思っている人の一人で、ファンです。
この作品もずっと見たかったのですが、
特に先週観たかったのは今週末の同窓会のためです。
『おもひでぽろぽろ」は思っていた以上に今の私にぴったりの映画でした。
人生分岐点にある主人公が、小学校5年生の自分に再会し、
その頃の思い出を復習しながら、これからの自分に思いをはせ、
最終的に決断をする、と言うストーリー。
私の同窓会は小学校3年生の時のクラス。
小3年の同窓会は珍しいと思うけれど、このクラスは特別なクラスだったのです。
S先生は本当に素晴らしい先生だったし、同級生も皆個性ある面白い子ばかりで
毎日が思い出満載の、本当にきらきらした毎日の一年間でした。
インフルエンザが流行して学級閉鎖の多発がニュースで騒がれる中、
「学級閉鎖ごっこ」と称して先生が来る前にクラスの半分以上が教室の中に隠れ
(机の下、ロッカーの中、本棚の隙間)
先生を驚かそう、と皆でワクワク協力したのもこのクラスでした。
市が主催するサッカー大会に
「スリーワン一小」(第一小学校の三年一組だったので)と言うチーム名で出場し、
あっさり第一回戦で負けてみんなで悔し泣きしたのもこのクラスでした。
そんな時先生はいつも、
夏はアイスキャンディー、冬はあんこの詰まったうぐいすをおごってくれました。
先生は40人近く居たクラスの生徒一人一人に
二学期の途中にノートをプレゼントしてくれました。
「見た事、感じたこと、発見したことなどを書きましょう」
と先生の手書きで表紙に書いてある日記帳です。
私たちが書いて提出すると、
先生は私たちの本分よりも長いコメントを赤ペンで書いて返してくれました。
私は半年の間に6冊分の日記を先生とやり取りして、
それ以来の私の宝物です。
同窓会にあたり、それを全部読み返してみると、
先生のコメントは小三の私に対しても全て「です、ます」調で
まるで今の大人になった私に書いてくれているようです。
その頃良く同級生とけんかして悔し泣きしたりすることも多かった私に
「平田さんの言い分もきちんと理がかなっているのだけれど、
例え間違っているとしても相手の言い分にも思いをはせる気持ちの余裕と時間を持ってください。
その方が自分も楽だと思いますよ。」
など、今の自分が身につまされるメッセージが沢山。
私たちも先生が大好きだったけれど、
先生も私たちのことを本当に大事に思ってくれていたのだと思います。
同級生のK君がお父さんのラーメン屋さんをついでお洒落な中華料理屋さんに改装した
駅前のお店で皆で会いました。
「好華」と言う名前のとっても素敵なお店です。
http://kouka-china.com/
黒酢の酢豚はレンコンとサツマイモが入って変り種でしたが、
肉がボリュームがあり、ソースの味もすっきりと美味しく、
レンコンもサツマイモも外がカリっと揚がっているのに中が野菜の味がしっかり生きていて絶品!
私はシャオロンパオは大好きで世界の色々な中華街で食べましたが、ここのは本物です。
日本的に少しあっさり目ですが、素晴らしくジューシーで
皮もボリュームとやわからさのバランスが程よく、本当に美味しいです。
やんちゃな3年生だったK君がこんなに立派な店主・コックさんになっているなんて。
脱帽。感慨無量です。
お店は常に満席、と言う感じで
厨房を一人で切り盛り(凄い!)しているK君とはゆっくりは喋れませんでしたが、
でもそのお料理に彼の意気込みと元気を感じました。
和歌山から駆けつけてくれたYちゃん、そして今では引退なさっているS先生も交えて
今でも狛江在住のIちゃんや、Oさんと本当に楽しいひと時でした。
ずっと忘れていた思い出が甦るときの不思議な快感!
満員のお店で何ども大きな歓声が上がりました。
周りの人はびっくりしたことでしょう。
先生は私たちにとって本当に特別な存在でした。
先生に受け持ってもらったこと、そしてこのクラスで一年学べたことでは本当にラッキーだった。
そう思ったのは私だけではありません-
その証拠に今日は忙しくて来られなかった、
3年のときは本当にひょうきん者だった今では4児のパパのKちゃんは
このレストラン宛に先生にバラの花束を贈ったんです!
それも嬉しかった。
先生の欲目、と言うのもあると思いますが、
14年前から毎年私の日本での演奏会に駆けつけてくださっているS先生は
私の演奏を「音から匂いや香りが沸きたつようだ―ユニークで素晴らしい」
とおっしゃってくださいました。
先生の欲目、と言うのもあると思うけれど、素直に嬉しかった。
そしてそうやって先生は私たち一人一人の可能性や価値を
3年生の時から強く信じてくれて、私たちは皆それに勇気をもらって来た、と思います。
先生、と言うのはそう言う存在になりえる、素晴らしい職業だと思います。
私も、一人のコミュニケーターとして、そして今大学に職を求める将来の音楽教師として
そう言う人間を目指して生きたいです。
S先生、そして三年一組のみんな、本当にありがとう!