「選挙の日は誰も外に居なかった。変な感じだった。」
ロサンジェルスの中心街のお店の経営アドヴァイスをしているマリコと今日話しをしていた時の彼女の観察です。お店は暴動を心配してショーウィンドウには板張りをし、臨時閉店時間を早めに設定したり対処していたのですが、実際には道には人も車も居らず、あっけないほど何も無かった、と。そう言えば私もその日は早朝に野の君と散歩した以外は外出をしませんでした。気持ちの良い天気で、選挙の不安の焦燥感もあり(散歩に行きたい!)(気晴らしをしたい!)というせっつくような気持ちはあったのですが。
「夫とは選挙の話しは敢えてしていないの。」
最近二人目の赤ちゃんが生まれた私の学生時代のルームメート。彼女はアンチ・トランプで私とも世界観が似ています。でも、夫の家族は代々共和党支持者で、トランプにも二回目の投票をしています。彼女の夫は救急医。救急医になって共和党の「政府の介入を最低限にする」という方針にますます肩入れをするようになったと言います。「自尊心を放棄したホームレスに、政府のお金で治療をし、必要が在れば入院をさせ、『もう一度これをしたら死にますよ』と言い含めても、何度も何度も同じ状態で救急に戻ってくる。いっそ弱肉強食の方が理に叶っている。」と言うのです。私がストーカー退治に躍起になっている時は二人で一生懸命サポートしてくれた良い夫婦。彼らの結婚式にも参列しました。コロナになってからは夫は帰宅時は地下に寝泊りし、完全に隔離状態で会話はズームと言う状態だと言います。個人的に私は二人が大好きですし、夫も人間的にも尊敬できるところが沢山あるのですが…
トランプは記者会見で事実無根の選挙不正を何度も指摘。
トランプは自分への票は全て正当で、バイデンへの票の多くは不正だ、という言い方を何度もします。そして自分の票数が現在勝っている州での開票を即中止するように訴訟しています。(2つの州ですでに裁判で否決されました。)どう客観的に記者会見を聞こうとしても、やはり正気の沙汰とは思えません。記者に対する態度もひどいし、何よりも美しくない。見ていて恥ずかしいです。
それにしても非常な接戦です。
一時間前の発表でジョージア州のトランプのリードは1902票です。ペンシルバニア州もネバダ州も二人の票の差は1パーセント以下。このままで行けばジョー・バイデンが当選すると予想されていますが、まだ確定は出来ない接戦です。この状態では、どちらが勝っても人口の半分が非常な鬱憤を抱えた状態で就任式を迎えることになります。
カリフォルニア州ですら3人に1人がトランプに票を入れている。
ハワイ、カリフォルニア、マサチューセツと言った、明らかに民主党よりの州ですら、1/3の票がトランプに入っている。一体誰が?公園を歩いていてもすれ違う人に疑心暗鬼になってしまったりします。これが学校で不特定多数の生徒に向かって授業をしている教授などはもっとそうでしょう。フランスで「言論の自由」の授業中にモハメッドの風刺画を見せた事を咎められ生徒に首を切られた先生の事を思ってしまいます。特に今コロナやその結果の社会的隔離や将来不安などで若い世代は急進派の思想に洗脳されやすいのだと思います。選挙に負けたトランプが、トランプ支持者を煽るような発言をしたら何が起こるか...緊張が続きます。
でも...もっとひどい時代、そして現代においてももっと厳しい情勢もある。
日本でも戦中・戦後、有無を云わせぬ情報規制・検閲がありました。私の亡くなった祖父母が私のブログを読んだら「甘いね~。あんたが今言っている『緊張』からは想像もできない厳しい時代を私たちは生き延びたのよ~。」と笑うかも知れません。そして同じ世代で日系アメリカ人として強制収容された日本人たち。そして選挙よりも明日の食事の有無で苦しんでいる極貧の家族も、このカリフォルニア州ですら沢山います。全ては観点の問題です。
- 「トランプが勝ったら音楽業界はどうなるのだ?」
- 「私の永住権は?」
- 「私の友達の学生ビザは...?」
- 「コロナが長引いたら演奏開始がますます遅れる。」
- ...自分勝手な懸念ばかり。
もっと視野を大きく、なぜトランプの様な人が大統領に選ばれてしまうのか、その歴史的背景と社会構造と大衆心理を興味を持って勉強しよう。どうしたら自分が、一番今の世の中に効果的に役に立てるのか、考えてみよう。
アラバマ州フロマトン市の警察署長「バイデンに投票した奴は一人残らず反逆罪で頭蓋に銃を撃ち込む」
トンプソン警察署長は自分のFacebookにこの発言をポストしたそうです。警察署にこのコメントを問題視する人々の連絡が殺到し、この所長は現在有給一時解雇扱いで、明日詳しい調査が行われるということです。