久し振りで日本語の本を読んだ。
指揮者、佐渡裕さんが1995年に34歳の時に書かれた「僕はいかにして指揮者になったのか」と言う本だ。
この本は2年ほどまえ、友達に譲り受けて、すでに読んでいた。
もう一回読んだ理由は二つある。
一つは佐渡さんの指揮者としてのブレークがタングルウッドの研修生として87年度に参加中に
小澤征爾さんと、レナード・バーンスタインに見込まれたからだが、
そのタングルウッドでの経験を、読み返してみたかったからだ。
もう一つはタングルウッドで出会ったアメリカ人のホルン奏者の一人が
現在佐渡さんが音楽監督を務める兵庫のオケのオーディションに受かり
9月からそこで仕事をするため、一生懸命日本語を勉強していたからだ。
兵庫芸術文化センター管弦楽団と言うグループは
(このホルン奏者の説明で知り、今ネットで確かめたのだが)
積極的に外国人奏者を多数入団させ、とてもインターナショナルなグループになっている。
外国人団員には特別な寮が設けられ、日本語が喋れなくても不自由無いよう、
色々な気配りがされていると言う。
それでもこのホルン奏者は感心なことに毎日色々な言い回しを覚えていき
「これは日本語で何と言いますか」とか
「ごめんなさい、わかりません」
とか、事あるごとに嬉しそうに、私に日本語で発音の確認をしに来てくれた。
音楽と言うのはコミュニケーションだ、と私は信じているし、
こういう風に文化交流ができるのは素晴らしいと思う。
この本は二度目でもとても面白く読めた。
音楽にあまり関心が無い人でも、佐渡さんのおおざっぱで楽観的な生きざまは読んでて楽しいと思う。
多いに進めておきたい。
私は一日で、隅から隅まで一気に読み切ってしまった。