漫画「指のオーケストラ」


私は子供の頃から本が大好きで
熱中すると周りの音が聞こえないくらい、
名前を聞かれても気が着かないくらい熱中してしまう癖が在りました。
芥川龍之介の「地獄変」を読んでいるときは、
下車するはずの駅をはるかに乗り過ごしてしまったことがあります。
私のは主義無き乱読で、面白くない時はそう言う熱中こそしませんが、
小説、短編集、エッセー集、雑誌、漫画、なんでも読みます。
日本に帰ってくるとご馳走は図書館で借りてくる漫画です。
我が愛しの妹が私が好きそうな漫画を予約しといてくれるのですが、
自分で図書館に出向いて物色するのも楽しいです。
私が漫画を読んでいると、母はいい顔はしませんが、
私は日本の漫画は立派に文学、文化、芸術だと思っています。
この間そうして借りてきて、思いがけずぼろぼろ泣いたのは
山本おさむの「わが指のオーケストラ」です。
題に「オーケストラ」とあるので、何となく「音楽関係かな~」と思い、
内容を確かめずに借りたのですが、
高橋潔と言う、実在の人物の生涯を元にした大正から昭和にかけた物語でした。
高橋潔青年は、クラシック音楽を愛し夢見るのですが、
色々な事情から聾唖学校の先生となり、
当時、様々な差別や誤解から来る抑圧の対象になっていた聾唖者たちの代弁者として
日本に置ける手話教育の第一人者となる、と言う話しです。
音楽を志した物が、音が聞こえない人たちにコミュニケーションを試みる時、
音楽の本当の意義について考え直す、
そして人間、言葉、社会、と言うモノに対して
自分なりの新しい見方を一つずつ確立していく。
そのプロセスに本当に共感すると共に、
聾唖者として生まれてきた人たちが歴史的にいつも犠牲となって来た
心無い差別やいじめが本当に痛いほど共感してしまい、
泣きながら一晩で4巻すべて読みきってしまいました。
お勧めします!