先週末のゴールドベルグの独奏会は、私としては不本意な出来だった。
この夏何回も演奏して、CD録音までした曲だから(もう大丈夫)と言う過信と気負いが在ったのかも知れない。
それでも喜んで下さっているお客様やお友達に言い訳や愚痴をくどくど言うのもプロ精神に反する、
と言うことで、頂く「おめでとう」や、褒め言葉に「ありがとう」と返すのがちょっと辛い位、
正直しょげていた。
でも、気を許した友達に打ち明けて励まされたり、先生にも
「主観と言うのは時としてあてに成らない。
君のゴールドベルグ・ヴィジョンはしっかり伝わったし、君の真摯な取り組みはやはり成果を挙げたよ。」
と言うお言葉にも勇気付けられ、
それに中世音楽の試験、他のクラスの宿題、などこのリサイタルのために後回しになっていた
やらなきゃいけない事の数々に追われて、ここ数日が過ぎて行った。
そんな時。
今度の週末に「Round and Round」で出演する作曲家Charles Halkaのリサイタルのリハーサル中。
Round and Roundは今年の3月、一緒に選ばれたもう一人のピアニスト、ヴァイオリニスト、そしてチェリストと
ワシントンD.C.の国会図書館で世界初演した曲である。
それ以来、譜面を見ることもしていなかったが、実は結構難しい曲なのである。
忙しくて譜を見返すことも無いまま、リハーサルに臨んだら、
3月には見えなかったその曲の色々な側面が生き生きと見えてきて、
難しかったパッセージも難なくこなせる。
私、成長していたんだなあ。
思いがけず、励まされた