実は日本に帰国する前、それまで住んでいた場所を引き払ってきていた。
今、新しいアパートに入居しつつある。
自分の持ち物を全て整理するのだ。
一つ一つの物を検証してそれぞれ属する場所に区分けしていくのは、
結構満足感の得られる作業である。
長年探していた書類がひょっこり出てきたり、
思いがけない昔の品にしばし思い出に耽ったりする。
荷造りをしている時は何しろ日本での演奏も迫っていたし、
時間も心も余裕が無かった。
心の友のMさんに手伝ってもらって、
機械的にあるもの全てを箱詰めしただけだったけれど、
今回は時間も心の余裕もある。
それにこれから一年は私の博士課程の勉強にとっても
演奏家としての活動に於いても、
さらには教授となるための就職活動に於いても
とっても大切な時である。
自分ができるだけ自信を持って気持ちよく生活できるように
家具の配置からこまごまとした物の整理まで
習字の前に墨をするように、
心をおちつけながら
きちんとやって置きたい。
そうやってアパートの整理をしていたら
引越し魔ベートーヴェンの事を思い出した。
彼は半年に一度の割合で頻繁にせわしなく引越しをしたそうだ。
家賃を払い忘れた、
近所と騒音のことで喧嘩になった、
治安が心配だった、
などなどの諸説の中には
「掃除するのが面倒だったから引越しした」
なんて説まで…
そんなに引越ししてもちゃんと作曲したんだから、偉いよな~。
私も明日はまたきちんと練習します。
そして、論文にもかかります!