ここに来て、色々刺激を受けている。
私をここに誘ってくれたのは、このDino Ciani音楽祭の総芸術監督を務めるJeffrey Swann.
私が今までの人生で出会った中で一番頭が良い人の一人だと思っている、
私が「師」と仰ぐことを光栄に思っているピアニスト・音楽学者。
彼が選んで、ここで演奏・教授・受講している人は
背景こそ多様だが、その音楽に向かう姿勢には似通ったものがある。
「演奏者としての私たちは、作曲者の耳と頭の中に起こった音楽にできるだけ近いものを再現することを試みること。その為には、楽譜の細微に至る勉強は当たり前だが、同時に楽譜と言うのは非常に限られた媒体だと言うことを理解し、作曲家の性格や教育まで考慮して、その記譜法への姿勢や癖まで考慮して譜面を解釈しなければいけない。」と言ったのはJeffrey Swann.
「私が教えたいのは、音楽をどう概念的にとらえるか、と言うこと。いかに楽譜にあるすべての音を弾いても、概念的な理解が君の演奏になければ、それは音楽ではない。逆に音をすべてミスしたとしても、君が確固たる概念をその曲に対して抱いているとしたら、その音楽ははっきりと存在する。演奏者が意識しない音楽は、聞き手にも伝わらない。要するに、存在しないんだ。」と言ったのは、物凄い前評判をはるかに超越して私を圧倒してくれた、私は初対面のClaudio Martinez Mehner.
ああ、雷が遠鳴りしている。夕立が来る。カフェから走って帰らないと、私のコンピューターがぬれちゃう!
もっともっと書くことがあるけれど。