Information wants to be free vs. expensive

Aaron Swartz(1986-2013)と言う人は日本ではどれくらい知られているのだろう?
今、ヒューストン日本人会の餅つき大会・新年会の帰りの車の中で
Aaron Swartzの短い生涯を描いた本の著者がインタビューされていて、
それにびっくりした。
Aaron Swartzは情報の自由化を呼びかけた、インターネット『革命』の活動家。
彼はJstorと言う、学術論文を主に公開する会員制のサイトから
非会員として学術論文を4万以上ダウンロードし、
Jstorのサーヴィスラインをパンクさせて、罪に問われ訴訟された。
JstorはAaronが論文を全て返却した段階で
検事側に「もう求刑は必要なし」と通告したのだが
アメリカ政府はAaronがハッカーなどの間でアイドル的な存在だったことも在り
彼を見せしめにするために求刑を続行。
二年間の裁判争いが実刑に終結しそうになったところで
Aaronは26歳で自殺した。
しかし、私がびっくりしたのはすでに大まかに知っていたAaronの生涯よりも
(自殺はアメリカでは大きなニュースになった)
著作権をめぐる歴史とその賛否両論。
コンピューターがまだ巨大計算機に過ぎなかったころ
「コンピューターの将来は計算機能では無く、
情報を貯蓄し、自由にアクセスして配布できる機能にある!」と宣言して
Project Gutenbergを立ち上げたMichael Hartと言う人。
1971年に立ち上げた当初はコンピューターがある大学で不法に寝泊まりし、
日中はバイトで稼いで、夜は一人で兎に角聖書をコンピューターに手で打ち込んだらしい。
Information wants to be free vs. Information wants to be expensive.

このジレンマ。
皆が良識を持っていて、
社会が著者や研究者の最低限の生活を保証してくれる世の中であれば
情報の完全自由化はこの世を良くするかも知れない。
Information wants to be free.
私だって、報酬無関係に、
好きな時に聞いてくれる人にいつでも演奏できたらどんなに楽しいか。
私たち演奏家は弾きたい、演奏したいんだ!
そして著者は皆、読んで欲しいんだ!
しかし同時に私たちはそれに生活を賭けている。
さらに、報酬が成功・価値・必要性などを反映するバロメーターになっている資本主義の中。
Information wants to be expensive.

う~ん。
運転しながら聞くNPR(National Public Radio)って大好きだけど、
今日のは本当に運命的に全編丁度聞く事が出来ました。
何だか「啓示」って言う感じ。

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