火曜日の夜に「音楽と知覚」の講義を聴き、
人間と言うのがいかに共感・協力したい動物かと言う事を
神経科学と心理学・社会学の視点から色々説明され、
特に拍を一緒に感じる、と言う事の大切さに感銘を受けた。
一緒に手を叩く、足並みをそろえると言う事をすると、
それだけで私たちの体は生態学的レヴェルでもう「波長が合う」状態になり、
何だかお互いに好感を持ったりするらしい。
昨日は、空港で行き交う旅人たちのために音楽を演奏するアルバイトの日。
これを実践して試してみたところ、驚異的な効果があったのだ!
私がしたことは、いつも弾いているのと同じレパートリーを
しかしもう少し拍を意識して、
皆が私の演奏に合わせて体を動かしやすい様に、
声を合わせて歌ったり、手をたたいたりしやすい様に、
本当に微妙に変えただけに違い無い。
ところが!!!
『悲愴』の二楽章の時にチップ箱にチップを入れに来た女性は
メロディーをずっと私の演奏に合わせて鼻歌で静かに歌っていた。
子供たちは私たちを凝視して、親が引っ張っても動かなかった。
いつもより数倍の人が足を止め、座り込んで聞いてくれた。
「感動して背筋が寒くなった」とわざわざ言いに来てくれた女性も居た。
いつもより頻繁に、いつもより大きな拍手が何度も起こった。
そして何より!
いつもは売れないことの方が多い、
売れても3回の45分のセットで1枚売れるだけのCDが
昨日は3枚も売れた!
そしてチップもいつもよりもずっと多く集まった!!
凄い…
こ、これは演奏家人生、新しい境地に達してしまったかもしれない!
…音楽人生、ばんざ~~~~い!!