最近、なんかすごい事が多い。
一週間前は副大統領のJoe Biden氏とその妻のJill Bidenがライス大学に来て、癌激減対策「Cancer Moonshot」についてのスピーチを行った。開会宣言とJoe Bidenの紹介でブッシュ大統領とレーガン大統領の国防長官だったJames Bakerもスピーチをした。2015年の5月30日に長男を亡くしたJoe Bidenは大統領選に出馬するのではなく、このCancer Moonshotのプロジェクト・リーダーになることを選んだ、とスピーチで説明。しかし、その理由はただセンチメンタルな物では無い事を、緻密な計画を発表することで明らかにした。末期がんの宣告を受けた息子の闘病に伴って学んだ事の多くに、医学研究の一般的な不透明さ、発表までの手続きの大変さ、等を上げ、政府介入が不可避、と感じた、と言う。まず進行中の研究でも日ごとにその経過報告を公開することを義務付ける事。さらに、儲け優先の薬品会社には隠す理由が多い試供薬品のトライアル結果(成功している結果は市場調査などをしてから、失敗した場合は会社のブランド名が落ちるなど)を、すべて公表することを義務付ける。Joe Bidenは熱情的で、そして本当に父親としての心痛を人類愛に置き換えたような感じで、本当に心を打たれた。
さらに9月6日になんか変ないきさつで変な映画に出演してしまったポスターが私に断り無くFacebookに挙がったのを発見したのも今週。どうしたら良いのか…まあ、大して害はなさそうですが。
私の名前が「映画音楽」の所に出ているのも、変。
まあ、気にしないのが一番かも。
そんな事は小さなことで、次に大きいハプニングは昨日の朝。
自身が継父による家庭内暴力の経験者として育ち、そのあまりのひどさに13歳の若さで兄と殺人さえ試みたと言う凄い経験を持ちながら、その後警察のキャリアを通じて家庭内暴力撲滅に務め、数々の勲章をもらい、ついには大統領のアドヴァイザーにまでなったMark Wynnと言う人がライス大学にレクチャーに来て、これも聞きに行った。これも非常にパワフルだった。昔はレイプされた人が「ウソの通報をした」として逮捕されてしまったり、彼自身が被害者の時代(1960年代)には家庭内暴力を受けて通報したら「これ以上夫婦喧嘩で通報して来たら、逮捕しますよ」と言われてしまったりしたらしい。『女性は感情的で証言があてにならない」とか「家庭内暴力は殺人や強盗に比べて軽犯罪」と言う偏見が強かったのが原因だったが、実は統計を取ると、家庭内暴力は通報の大部分を占め、殉職する警察は家庭内暴力の通報で死ぬことが多く、さらに家庭内暴力を振るう人は外でも犯罪を犯す可能性が多い事が最近明らかになった。また最近、十何年も放っておかれた何千と溜まったレープキットが倉庫にある事が明らかになり、それを調べ始めたら、80人の連続レープ犯が一挙に検挙された、とか。いかに昔は被害者に対する偏見が強かったか、しかしいかに政府・法廷・警察・コミュニティー共に改善の努力を続けているか、と言うお話しを早口で情熱を持って語り、こちらも胸が熱くなった。
そして今日と明日は演奏会!
アジア人女性の指揮者。この人は本当に好感度が高い。腰が低いのだけれど、しっかりと自分の意思と思いが伝わり、みんなニコニコで楽しく連帯感を高く持って演奏できる。この人を見ていると(指揮者になるのだったらこういう指揮者になりたかったな~)とすごく思う。
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私が弾くのはショスタコーヴィッチのバレー組曲4番。ピアノとチェレスタの間を行ったり来たり素早く、時には激しく移動しながら、結構弾きまくり。
今夜8時は野外コンサート(Miller Outdoor Theater at Hermann Park)。
明日はシーズンオープニングのガラが5時から。
その後すごいゴージャスなカントリークラブでドーナーとの夕食会!
楽しみ。
音楽人生万歳!