コロナ日記60:友情に感謝。

  • 米アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長、ファウチ博士は5月12日(火)に上院議員に早すぎる規制緩和の危険性を警告する予定
    • 科学的には2週間の感染者数・犠牲者数の低下、と無症状ハイ・リスク(高齢者など)人口の陽性検査の徹底が完備してから
    • 今、規制緩和を実践している州の多くが上の条件を満たしていない。
    • 第2波は、このままでは秋を待たずに沢山の地域的な波となって、不必要な苦しみと犠牲を出す可能性がある。(ニューヨークタイムズ)
  • 今週末までにコネチカットとマサチューセツ州を除く48州全てが規制緩和に踏み切る
    • コネチカットとマサチューセツも来週半ばには規制緩和を検討中
    • アイダホでは90%のビジネスが再開
    • 犠牲者最高数のNY州では、庭師など感染リスクの低いビジネスから、金曜日に再開
  • 上海ディズニーランドが再開:来場者は体温検査とマスク着用

ここ3日、ずっと曇って山には厚い霧が立ち込めている。「サニーカリフォルニア」のはずなのに。先週日曜日の母の日にはNYで雪が降ったそう。5月のNYの雪は1977年以降初めての珍事なのだそうだ。ただでさえずっと家にいて曜日感覚が無くなっているのに、季節感まで狂ってくるぞ…?

今朝は無心で10キロほど歩く。頭の中は木曜日のライブ配信中のインタビューのリハーサル。聞かれる質問は大体決まっている。

「外出禁止令が発令してあなたのプロ活動にどのような影響がでましたか?」「キャンセルになった予定されていた活動にはどんなものがありますか?」「外出禁止令中の毎日の生活は?」「あなたに影響を与えたアーティストを挙げてください。」

ホストは毎晩このシリーズをやっていて、どんなゲストでも質問を全く変えない。私はこの質問をどのように自分の主張したいことに沿った答え方をするか、考えなければいけない。最近演奏や講義をやっていなかったので、言いなれた決まり文句を思い出して新鮮味を見出したりする。

後は、視聴者からの質問を受け付ける。「練習法は?」とか「これから音楽家を目指す若い人へのアドバイスは?」とか「どういうきっかけで音楽の道を目指そうと思ったのですか?」とか、まあここは色々ある。

黙々と歩いていると、電話がジージーなる。NYの私の録音技師のジョー。「メッセージ聞いたよ。機材で苦労してるって?」午後に一緒に電話越しに試行錯誤をしてくれる約束になる。なんていい友達なんだ。彼には一銭にもならないのに、私はツアー中にも良く、こうやって彼のアドバイスを求めてきたし、求めれば必ず彼は全力で応えてくれる。

歩くのを続けているとまたジージー。ここで訃報を受ける。詳しいことは書けないのだけれど、私は自分より若い友人を亡くしたのは初めて。悲しいというよりは兎に角信じられない。数分、立ち尽くして茫然としてしまう。今書いていても、体中が痺れたような、非現実感にまとわりつかれる。

でも、家に帰ると、野の君がお腹を空かせている。そしてジョーが電話をかけて、「カメラとマイクと接続ケーブルの写真を撮って送ってかけ直して」から始まり、写真を撮って送り電話、撮って送り電話、試験的録音をして結果報告、また撮って送り電話、と数時間繰り返す。本当にジョーがここまで付き合ってくれるのが信じられない。合間に練習をして、スキを見て野の君と急いでラーメンを食べ…そうこうしている内に夜になってしまう。

今日は瞑想もスキップしてしまった。寝付く前に、しばらく一人で静かに座って、色々な友情と、楽しい思い出に感謝してみようと思う。将来がどうなるかは本当に誰にも分からない。でも過去を愛で、慈しみ、感謝する自由は、私たちにはいつもある。ありがとう。思い出全部、ありがとう。一杯の笑顔を、ありがとう。私が泣いた時に、恥ずかしそうにやさしい言葉をかけてくれたあの時の声、忘れない。ありがとう。

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