洒脱日記229:節目に向けて

今週の水曜日、誕生日です。

私は過去6年間、毎年どうやって誕生日を祝ったかよく覚えいてる。その事に圧倒的な感謝と幸せを感じます。

今年の誕生日は何だかいつもと違う感覚があるような気がします。世界がパンデミックの非常時と言うだけではありません。何だか今になってやっと(ここまで生きながらえたんだな~)という安堵感に包まれる、不思議な感じがします。次々と来る必死の危機一髪を切り抜けることに躍起になっている間は、見えてない事、聞こえてない事、気づけていない事がいっぱい在った。

今朝は何だかゆったりした気持ちでした。野の君が淹れてくれた香高いコーヒー。(飲みながら読書でもしよう!)と、ニコニコしながら本を開いて、結局全然読みませんでした。コーヒーの香りと味を、目をつぶって思いっきり味わうことに没頭してしまったからです。嗅覚が何だか生き返る感じ。窓の外から朝の鳥の声が聞こえてきます。息が深くなります。この気持ち、なんだろう。

ここ数週間、毎日バッハの平均律を第1番から第24番まで弾いて、24番を弾き終えたら今度は逆に23番、22番とまた1番まで弾き、ということを繰り返しています。そうすると、今まで聞こえていなかった音世界が在ったことが毎日毎日分かります。どんどん新しい音世界が開拓されていきます。今はバッハ以外は何も弾いていません。他の曲は一度全部忘れてしまいたいような気持ちすらします。もう一度マッサラになって、新しい音楽を紡ぎだせるようになりたい。指の訓練とバッハだけは、毎日欠かさず弾いています。

私は、今、人生のどういう場面にいるのだろう?10年後まで、今のこの時間が自分の人生に於いてどういう意味合いを持っているのか、分からない気がします。でも、私は今、今までよりもずっと感覚を研ぎ澄まして、生きていることを堪能出来ています。

感謝、です。

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