考えてみたら、写真も何も無い。
でも興奮が冷めないまま寝て、翌朝目が覚めても昨日の演奏会の思い出で胸も頭も五感も幸せいっぱいである。
Asia Society Texas Centerから、企画の段階では100席で満席と言われていたのを、無理やり会場に160席作ってもらい、それでも最後は満席で立ち見が出る状態になってしまった。その160人+の観客が、一体となって裏千家淡交会ヒューストン支部の皆さまのお点前のデモンストレーションに見入り、私たちのトークには笑いで沸き、音楽に共感してうなったりうなずいたりし、そして最後に全員総立ちで、会の成功を喜んでくださった。
演奏後のレセプションでは、ラーメン、たこ焼き、お寿司、お酒試飲、焼酎試飲、お点てだしと、色々なものがふるまわれる中、みんな2時間近く歓談し、私たちに自己紹介や感謝の気持ちや感想などを、親しげに分かち合ってくださった。
お着物姿でお点てだしを配られるShowing Japanの皆さまや裏千家淡交会ヒューストン支部さまの皆さまを質問攻めにしているアメリカ人たちも沢山見られた。匿名ご希望の有志の方がわざわざ京都からお持ち帰りくださったお菓子がきれいで、高校生の女の子たちが「見て!芸術みたい。どれくらいの時間をかけてどうやって作っているか想像もできない」と私に感動を分かち合ってくれた。
麻衣子さんと私の演奏活動を2011年のチャリティーコンサートからずっと応援して来てくれているヒューストン日本人会(JAGH)の皆さまが音頭を取って、素晴らしいレセプションも今回の成功に大きく加担してくれた。
AGUラーメンさまのラーメンをいかにもテキサス!と言った風のきらびやかなドレスのアメリカ人がすすっているのを見るのは楽しかった。こだわりの豚骨スープが本当においしくって、気前よく焼き豚が2枚も3枚も入っていた。
岩谷産業さまのたこ焼きもとても好評だった。「タコが入った甘くない球状のパンケーキ」と言う私の説明に「?」と言う感じの方もいらしたが、今回たぶん最高齢で来られた93歳のテキサス男性も喜んでいくつも食べていらした。
居酒屋和さまの社長自らお持ちくださった沢山のお寿司も、具が沢山入った色々な楽しい創作巻きと言った感じのお寿司たちで、子供たちが何度もお代わりに走って行っていた。日本人の家族が輪になって座って「おいしい!」と言っている姿が印象的だった。
SakeOne様の試飲会は「実はこれが目当てで…」と、企画の段階から「お酒の試飲ができるのなら来る!」と言っている友達も居たほど。濁り酒を始め、色々な種類のお酒がふるまわれ、皆さま楽しそうに飲んでいらした。
焼酎はお酒ほどアメリカでの認知度が高くないのだけれど、いいちこ様のブースはたくさんのアメリカ人でにぎわっていた。焼酎を始めて飲んだ私の友達は「おいしい!」と何度もお代わりに行き、「どこで買えるのか?」と私に聞いてきてくれた。
心理学者、ライス大学の博士課程の学生、音楽愛好家の看護婦さん、日本に住んだことのある映画監督、お点前について書いたことはあるけれど実際に見るのは初めてと言うアメリカ人小説家...みんなが自分の日本との接点や、会への感想を一生懸命私たちに伝えてくれた。本当に会場が熱気に包まれて、みんながきらきらと良い笑顔で、この思い出があればいつまでもどんな事でも頑張れる!と思わせてくれるような一晩だった。
コンサートと言う言葉の語源は16世紀のフランス語「力を合わせる」と言う意味。昨日は本当に沢山の方々と一緒に力を合わせて素晴らしい一晩を共同製作できた。
音楽をやっていて、良かった。私は本当に幸せものである。