今日はタングルウッド研修生のオーケストラとMichael Tilson Thomasの指揮でマーラーの交響曲3番の演奏会が在りました。物凄かった。研修生のオケが余りに上手いのでびっくりしました。隣に座っていたとても友好的なドイツ人の夫婦が涙を流していました。私も泣きましたし、帰りのバスではみんなどの個所で泣いたか、と言う話題で盛り上がりました。マイケル・ティルソン・トーマスは演奏会の後、舞台裏で挨拶に来た観客に囲まれている中、気を失って倒れてしまったそうです。一瞬の事で、すぐに立ちあがったそうですが、昨日もストラヴィンスキーのSymphony of Psalms とモーツァルトのレクイエム、今日はマーラーの最終リハの後に2時間近い交響曲をぶっ続けで振って、それは疲れたと思います。
ボストン交響楽団の常任指揮者、ジェームス・レヴァインは背中の手術の為、今年タングルウッドでの演奏会を全てキャンセルしてしまいました。小澤征爾さんも来る予定でしたが、癌の治療の為にキャンセル。その為にピンチヒッターの、それでも世界的な指揮者が色々と無理をしてくれています。マイケル・ティルソン・トーマスは先週末マーラーの交響曲2番を振り、タングルウッドを正式に開幕して以来、ぶっ続けで色々なコンサートを振っています。ニューヨーク・タイムズの批評には「マイケル・ティルソン・トーマスもジェームス・レヴァインも似た様な年齢なのに、方や精力的に当初の予定を遥かに上回る数の演奏をこなし、レヴァインはキャンセルばかり。ボストン交響楽団はいつまでジェームス・レヴァインに付き合うつもりか」と書かれてしまいました。それを意識してか、マイケル・ティルソン・トーマスは色々なスピーチの場で、ジェームス・レヴァインを立てるような発言を積極的に行い、「ジェームスが心置き無くゆっくりと静養出来るように少しでも力になれれば幸いだ」と言います。偉い!凄い!
もう一つ凄いな~と感動するのは、こう言う演奏会、ボストン交響楽団や、研修生のオケのコンサートに、毎晩の様にヨーヨー・マ、エマニュエル・アックス、そしてボストン交響楽団やタングルウッド・ミュージック・センターの重要人が聴衆として出席してくれる事です。興奮して握手を求めに来るミーハーな人たちにも一つも嫌な顔をせずに応対して(まあ、そう言う人は少ないですけど)、コンサートを心から楽しんでいる様子です。
凄いな~、何だか愛だなあ、と思います。
今、マーラーの演奏会の後の打ち上げで飲んできた後で書いているので、あしからず。