私の人生で大事な物、その5.「本番の高揚」

最近演奏の機会に恵まれている。
今週の水曜日はヒューストン界隈での演奏会を多く手がける
Da Camera of Houstonと言うNPO主催のA Little Day Musicと言う演奏会に出演した。
Houstonのオフィス街で正午から1時まで、昼休みに音楽を楽しんでもらおうと言う企画で
Houston Grand Operaの拠点、Wortham Theatreと言う堂々とした会場のロビーで行われる。
今回のプログラムはメゾ・ソプラノとヴィオラとピアノ、
そしてメゾ・ソプラノとチェロとピアノのための室内楽。
ブラームス、コープランド、Jake Heggies, Loefflerと
古典から現代まで色々な音楽言語でEmily DikensはBaudlairなどの素晴らしい詩を歌う、
かなり素晴らしいプログラムで、
リハーサルも本番も楽しかった。
本番の緊張、そして共演者との以心伝心、と言うのは何度体験しても凄い。
一秒が物凄く長く感じられ、その間に色々なことを感知できるし、
物凄いパワーを託されたような気持ちになる。
お客さんが本当にピーンと張り詰めて聴いてくれているのが伝わってくる時は
そのパワーは本当に倍増されて、自分以上の何かに繋がって
凄い仕事が出来る時がある。
今回の水曜日はそう言うコンサートでした。
Loefflerと言うドイツ生まれのアメリカ人作曲家の書いた曲を演奏した時は
本当に背筋が寒くなりました。
老いた鐘が過去を振り返る、と言うBaudlaireの詩ですが、
曲の中に死者を祭るグレゴリアン聖歌「Dies Irae」がピアノパートに何度も出てきます。
始めは「安易だ」と思ったけれど、聴衆に喰らいつかれて、私も一緒に感動してしまいました。
その曲直後の写真をどうぞ。

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