音楽を信仰する気持ち。

音楽万歳!友情万歳!
昨日はマンハッタンのUpper West Sideにある2001年来の友人の家でホームコンサートをした。
Aさんと最初に会ったのは2001年。
私を非常に可愛がって、抜擢して毎年一度以上協奏曲を弾かせてくれたり
指揮の手ほどきをしてくれたJens Nygaardと言う指揮者を通じて出会った友人である。
(ちなみに、この指揮者に関するドキュメンタリーはエミー賞を取りました。
こちらで予告編が見れます。

Jensは骨髄癌だった。
Aさんはジュリアードのピアノ科で学部と修士をやったピアニストなのだが、
薬品会社に勤めており、骨髄癌に有効とされるサリドマイドのサンプルを持っていた。
音楽家としてJensの活動に興味を持っていた彼女はその薬をJensに届けていた。
お見舞いに行った私はそこでAさんと初めて出会ったのだった。
でもその行きずりの最初の出会いがどうしてこんなに大切な友情に発展したのか、
そこが思い出せない。
本当に沢山お世話になったし、一杯色々お話しをした。
私は彼女の息子と7つしか年が違わない。
特に会いたてのころは(生意気)と思われてもしょうがない、若造だったと思う。
でも、そんな私と同等に会話をしてくれて、友情を育ててくれたArleneの器に脱帽。
旅行好きな彼女は、旅行の度に私を彼女の家に呼んで泊まらせてくれた。
広々とした素敵な住まいにある、素敵な景色を臨むアパートで、
私は思う存分練習させてもらったのだった。
猫に餌をやり、郵便物を取りに行く、それだけが引き換え条件だった。
そして、私が大きな本番を控えている時は家に沢山の友達を招待して、
私の演目を通させてくれるのだった。
Aさんも、Aさんと同じように私に練習場所や演奏場所を提供してくれた多くの方々、皆
皆私の『育て親』なのだと思う。
そしてAさんやJensが私の育て親ならば、
昨日共演した麻衣子さんとTちゃんみたいな同志は私の兄弟姉妹。
麻衣子さんは私のブログにちょくちょく登場する私の心の友。
最近では「麻衣子姉」にまで昇格した。
Tちゃんは、昔の私のルームメート。
あまり詳細にまでは入り込めないのだが、
この二人実は、ストーカー退治に物凄く強力な助っ人となって私を救出してくれたのである。
今回のNYでの演奏会に二人を呼んだのは私の感謝の表明も在った。
しかしそう思った事がおこがましく思われるほど、二人共素晴らしい演奏を披露してくれた。
特に麻衣子さんとはもう色々な場面で共演しているけれど、
二人共燃えまくってブラームスを演奏してしまった。
それぞれの楽章が一生分の時間に思えるほど濃い時間だった。
そして来てくださったお客様も本当に私を感動させてくれた。
ジュリアード予備校生だった高校時代から憧れていた大先輩の素敵なピアニスト夫婦。
同じくジュリアード・プレカレッジ時代から私を可愛がってくれている恩師。
修士時代のルームメートで、今は正義感燃える弁護士の友人。
19歳の時の私の最初の彼氏で、今も仲が良い現在パリ在住のピアニストの叔母さん。
修士を終えた後、伴奏スタッフとしてジュリアードで働いていたときの同僚。
皆、ラグタイムでは手拍子で一緒にノリノリになってくれたり、
ブラームスでは息をのんで一緒に集中してくれたり、
私のトークに大笑いしてくれたり、
演奏後にいつまでも、いつまでも拍手してくれたり、
演奏後、Aさんの準備してくれた立食パーティーで
私に沢山のハグをくれたり、
私を本当に幸せにしてくれた。
そして、演奏後の立食バーティーを忙しく準備しながら
私たちの本番前の最後のけいこを聞いていたAさんが言った言葉。
「美しい!美しい!
こんな美しい物をを聞いた後では誰も銃を撃とうなんて思わない!
ああ、音楽が世界宗教だったら、世界は本当に平和なのに!」
と言う言葉に、同意。
最後の挨拶に、引用させてもらいました。
私は本当に本当に素晴らしい友情に恵まれて、感謝しきれない!
じんせいばんざ~い!!!

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