私は日本には年に一、二度は帰国する。大抵、演奏の為である。
いつも冬は学校や、年末年始クリスマス・モードの演奏などで忙しく、帰国演奏は夏の初めか終わりが多かった。
最後に正月を日本で過ごしたのはもう何年も前の話だ。
今年は、色々な理由で日本に正月に帰国する予定で、とっても楽しみにしていた。
私の母は料理がとっても上手で毎年恒例でリンゴきんとんを作ってくれるし、お雑煮も凄く美味しいし、日本の布団の温かさは、部屋の寒さに反比例して本当に嬉しい物だ。石油ストーブの音やにおいまでが懐かしかった。ところが、なんだかんだしている内に年末年始の飛行機代が急上昇してしまい、とうとう高嶺の花になってしまった。仕事無しでは帰るのが勿体ないし、練習の事情や色々考慮して自分で決断して家族に伝えたのだが、実は、とてもとても悲しかった。自分で理不尽と思えるほど1週間ほど落ち込んでしまった。
でも、運命と言うのはあるんだなあ、と思う。
そうやって落ち込んでいた先週、学校からメールが来た。「ここ数年、毎年恒例で博士課程の音楽学生を数人、ワシントンD.C.にあるLibrary of Congress(米国の国会図書館)にリサーチと演奏の為に学校がスポンサーして送り出しています。今年は貴方が選ばれました。おめでとう」この企画、冬休みの最初と春休みとさらに3月、3回にわたって出かけるのだが、最初の旅行が12月上旬、丁度私が日本に出発しようと思っていた頃なのである。まだティケットに何とかぎりぎり手が届く頃、それでも(もしかしたら値段が下がるかも知れない)とか、(日程がきっちり決められない)などの理由で優柔不断にぐずぐずしていた自分を頭の片隅で不思議に思っていたが、あそこで買ってしまっていたら、ワシントンへの旅行を棒に振っていたかも知れない。何とこういう展開になるとは! まるで私には超能力で未来を予測する事が出来るようでは無いですか!
と、言うことで12月はワシントンD.C.に行きます! 学校が取ってくれたのは国会図書館に隣接したホテルでHPを見たら、とってもゴージャス!今から凄く楽しみです。