演奏道中記12.14:旅を控えてブラームスと雨

明後日の早朝出発。

そして今日はそんなことを全て忘れてゆっくり読書でもしたくなるような、ロスには珍しい雨模様。底冷えがして、電気マットを敷いた椅子から中々動きたくなくなり、書かなくて良いブログなどをトコトコタイプしている。

今回行くボストンでは、チェロ奏者との演奏と収録がある。「ベートーヴェンの作品3番の弦楽三重奏は実はピアノとチェロの為に構想されていた...?」そんな学説を基にチェリスト、テリーキングが編曲したピアノとチェロの為のベートーヴェン作品3.そしてチェロの定番レパートリ―のブラームスのソナタ1番。

こんなにガチガチドイツ物∼ベートーヴェンとブラームス~をがっつり弾くのは久しぶり。深刻に生真面目。(ドイツは寒いからね~、家に籠って音楽のことばっかり考えてたらそうなるかもね~)っと、久しぶりに寒くて灰色のLAで考えながら弾いたりする。これからもっと寒いボストンに行く。ひょえ~~~!でもブラームスのインスピレーションにはなるかも。

ボストンでは友達に会う予定も入り楽しみが多いが、収録が終わったらその足でNYに直行。今回のNY/NJはちょっと重たい。高校時代ホームステイさせてもらってからずっとお互い家族扱いしてきたアメリカンマザーはクリスマスまで持つかどうか。「ひどい。犬だってこんな状態で生かしておくのは可哀想だ。」彼女の息子が電話越しに私にこぼす。でも私は、私の到着までは待っていてほしい。もう一回クリスマスを一緒に過ごそう。クリスマスキャロルを一緒に聞いて、そして思い出話しでもゆっくりしよう。そして私のNY時代からの同年代の旧友は、私達より若い親友を癌で失くして一か月。再会したらギュッとハグして(大変だったね)と優しくしてあげよう。私たちも、段々そういう年齢になって来たという事か。野の君と二人で「一日一日、大事に一緒に過ごそうね。」と話す。野の君も数年前、優秀なポスドクの学生さんを癌で亡くして泣いていた。

そんなことをつらつら考えながら雨の音の中でブラームスを弾く。想いを織り込んでいく。音楽人生というのは、そういう物なんだと思う。

招かれたオケのギャラで見かけた立派なツリー

1 thought on “演奏道中記12.14:旅を控えてブラームスと雨”

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *