明鏡日記㉕: 明日の本番に向けて歴史探索

昨日はトーマス・マン・ハウスで明日の収録に向けて午後中練習しました。まず、2曲共演するソプラノ歌手との最終合わせがあり、その後一人で贅沢に4時間程時間を頂きました。最後の２時間程はエルンスト・トッホのお孫さんがいらして下さり、トーマス・マン・ハウスのスタッフとこれから監修する本に関する打ち合わせが終わった後、私がおじい様の作品68を通すのを聴いて下さいました。

全て終わってトーマス・マン・ハウスをお孫さんと退出したのが18時ごろ。その後、お孫さんに近所をドライブしてシェーンベルグやトッホやその他沢山の物書きや映画監督などのお家を見せて頂きました。トッホがドイツから持ってきたピアノは年相応のガタが来てはいる物の、とても深みのある温かい音でした。

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トッホ自身の旧家にも連れて行っていただきました。今は他の人がお住まいですが、許可を得て裏庭にお邪魔しました。ロサンジェルスとは思えない、ヨーロッパの郊外を思わせる風景が臨めます。

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ちなみに、シェーンベルグの旧家はO.J.シンプソンの旧家の同じ通り、歩いてすぐの所にあります。あんな事件が在ったので、O.J.シンプソンのかつての豪邸は取り壊され、今新しいお家の建築が進んでいました。通り向かいにはシャーリー・テンプルが住んでいたそうです。お孫さんは子供の頃マリリン・モンローの精神科医のプールで泳がせてもらっていたそうです。マリリン・モンローが自殺した（と、お孫さんは断言していました）お家も近所に在って見せて頂きました。勿論、全部外からです。

そんな盛沢山の昨晩を経て、今日はしっかり体力温存をする日。そして明日はいよいよ収録の日です。

昨日の居間でのフルコンでの練習で、色々発見。明日に向けての自分への備忘録を箇条書きします。

• ピアノが凄く助けてくれるので、力まない。ピアノに乗っかる感じでちょうど良い。
• 部屋もかなり鳴る。弱音に心を込めて。フォルテやフォルテッシモは音を開放するという感じ。
• 残響があるので時間を取りたくなってしまうが、録音では禁物。残響に酔わずに冷静にストイックに。
• 今日は沢山食べたので、明日は補水をしっかり、朝ごはんはタンパク質しっかり。午後からはサツマイモとバナナ。
• 弾きながら息を吐ききる。ゆっくり息をする。目ん玉は下。
• 語尾（フレーズや小節の終わり）にキチンと気を配る。
• 明日は出発前にちょっとだけお昼寝。
• 収録の合間は出来るだけ目を閉じてゆっくり呼吸して疲れを取る。
• 楽しむ。笑う。笑む。スタッフや共演者を心を通わせる。

上でお孫さんの為にトッホのピアノで弾いている作品68の3番目の曲は本当に美しくて、大好きです。下にYouTubeで解説を上げました。