彼らがどんなに良識を持っていようが、有能であろうが、バイデン・ハリスの勝利が瞬間的に現状を改善できるわけがない。問題は山積みで、そして国は余りにも分断しています。でも人々は車のクラクションを鳴らし、外で踊り合って祝っています。そしてバイデンとハリスのスピーチに、私は自分でも驚くことに流涙してしまいました。『美徳』という言葉を思い出しました。『希望』『決意』『協力』『努力』『次世代への夢』...トランプには無かった概念が次々出てきます。
私がバイデン大統領候補を好きなったきっかけは「癌ムーンショット計画」についてライス大学に講演に来た時です。バイデンは副大統領時代、2015年に息子を脳腫瘍で亡くしています。その事から2016年に大統領選への出馬を断念、その代わりに立ち上げたのがこの「癌ムーンショット計画」です。アポロを月面着陸させるという「ムーンショット」と同じくらいの野望、という意味の命名です。癌の撲滅を目指し、研究費を増やすと同時に、進行中の物も含め癌研究に関するデータを一般公開することで研究者同士や、研究者―臨床医ー患者の情報共有を目指す、という企画です。個人的な悲劇を人類愛と未来への希望へと昇華している夫婦の姿に感動しました。