• 今日は「マインド・ボディー」のクラスが在る日でした。そこで、「上手く行かなかった演奏のことばかり記憶に残って、上手く行った演奏の事はすぐ忘れてしまうのは、なぜだろう」と言うディスカッションが在りました。う~ん、なぜだろう。 「マインド・ボディー」で「推薦図書」として本のリストが配られた、その一冊「Free Play」と言う本を今読んでいます。これは、「修行に励む余り音を楽しむと言う、基本的な音楽の姿勢から離れてはいないか?練習のし過ぎで、演奏家から柔軟な即興性が失われ、同じ演奏を繰り返す機械に近づいてはいないか?それを取り戻すために、即興を試みよう!自分の中の子供らしさ、純粋に楽しむ心を取り戻そう!」と言う本です。実際、私を含むクラシカル奏者の多くは、即興が苦手です。練習した曲ならリストでもバッハでも曲芸の様に指が動くのに、「じゃあ、サザエさんの伴奏をして」などと楽譜無しで言われると、突然しどろもどろになってしまうのです。まるで演技力で鳴らす役者が、全く日常会話が下手くそ、とかそういう感じ。私はここしばらく、毎日5~10分ほど、即興を楽しむようにしています。 本の効果か、それとも毎日の即興の成果か、はたまたヒューストンの水が合っているのか、この頃ちょっと調子が良い。弾いていると、ぐんぐんとイマジネーションが湧いてきて、自由自在に曲の中で遊べるのである。今日は私の教授に師事している生徒たちの前で今度のリサイタルのプログラムから数曲、披露しました。私は自分の演奏に満足する事は少ないのだが、今日は上手く行ったと思う。皆に褒めてもらった。とても気持ち良かった。

  • ヒューストンに来るにあたって不安だったのは、テキサス州はバイブル・ベルト(安易で申し訳ないのですけれど、ウィキ曰く=中西部から南東部にかけて複数の州にまたがって広がる地域で、プロテスタント、キリスト教根本主義、南部バプテスト連盟、福音派などが熱心に信仰され地域文化の一部となっている地域。同様にキリスト教会への出席率の非常な高さも特徴になっている。社会的には保守的であり、進化論を教えることが州法で禁じられていたことがあるなど、キリスト教や聖書をめぐる論争の絶えない地域である)に属している、と言う事である。共産党が強いし、保守的らしいし、特にニューヨークやロサンジェルスの芸術家コミュニティーでは、「ジョージ・ブッシュの出身地」と言うだけでイメージが悪い。 でも、私は予期せずしてライス大学がすっかり気に入ってしまったので、同時にヒューストンにも少しずつ興味が湧いてきた。例えば、キャンパスを歩いているとテーブルに腰掛けて頭を垂れて4人組とかで堂々と一緒にお祈りしている所を目撃したりする。ニューヨークとか、ロサンジェルスではちょっと考えられないことだ。今まで私が居た所では信仰深い人と言うのは少数派だった。何となく信仰を公にするのははばかられる様な雰囲気が在ったと思う。私は自分は無宗教だが、一般的には宗教と言うのは中々良い物だと思っている。嫌いなのは、宗教の副作用として出てくる固定観念や、排他主義であって、宗教の理想を本当に把握している人たちは素晴らしい人達が多いと思う。そして、一緒に座って一緒にお祈りをしている人達を見るとちょっと(いいなあ。。。)と思うのである。 と、言うわけで今日は友達のバイトに付き合ってヒューストンのメガ・チャーチの一つ、First Baptist Church を興味本位でお邪魔して来た。ライスのすぐ近くにあるLakewood Churchと言う所は、アメリカ一大きな教会だそうで、高速道路の横にで~んと構えている様子は、まるで巨大オフィス・ビル。とても、とても教会だとは想像できません。今日行った教会はヒューストン第二の大きさだそうで、席は3,500.音響の機械に1700万ドル使ったそうです。外観は全然教会らしく無い、長方形の箱ですが、ロビーはまるでホテルやデパートの様な豪華さ、きらびやかさ!そして教会の中では、サービス中、ディスコ調の光の演出が在り、音楽が在り、霧が出てきたり、まるでミュージカルの様!パンフレットも色つきの厚紙のとても高価そうなものでした。じっくり読むと実に面白い!例えば「あなたの為に祈りをささげて欲しい人は、いつでもご連絡を」と書いてある下の連絡先は、電話番号、電子メール、そして携帯メール。音楽も、日曜日3回あるサービスで全て違って、朝はオーケストラとコーラス、そして私が行った午後はエレキ・ギターやボーカル、電子オルガンなどのバンド。 私にはやはり、馴染みの無い、遠い世界のお話ですが、でも文化体験としては面白かった。

  • 好調…!?

    最近、ライスで出会ってまだ2週間余りの色々な友達に 「マキコはいつ見ても、ハイテンションで元気が良いね。」と言われる。 私を長年熟知している友達や家族が聞いたら大笑いするだろう。 「感受性が鋭い」と表現すればポジティブだが、 もしかしたらただ単に表現がオーバーなのかも知れない。 主観的には何とも言えないが、 私は嬉しい時も、悲しい時も、 自分ではつつましく隠しているつもりでも、なぜか世界中に大公表しているらしい。 でも確かにライスに来てからは、新地での興奮、張り切りも在って機嫌よく過ごして来ている。 ちゃんとジムで運動もしているし。 昨日は超好調でした。 朝一番でジムに行き、元気よく大汗かきながら運動して、気持ち良くシャワーを浴び、 練習、クラス、オーケストラのリハーサルの見学と充実して過ごして、 友達とテキサス・バーベキュー初体験をし、映画を見、 真夜中過ぎに帰宅してもまだ有り余るエネルギーをもてあまして、 インターネットでの作業を2時間ほど。。。 今朝もその延長のエネルギーで大変機嫌よくさっぱり起き、 サッサと洗濯、掃除、料理、などを片付け学校に行き、 自分の性質、一般的練習法、そして音楽について 一冊の本が書けるのではないかと思うほど思慮深い練習をし、 友達とタイ料理食べ放題で3回お変わりして、 もう少し練習を。。。。 と、思った所で突然エネルギーが切れてしまいました。 図書館で作業を。。。と思っても 用も無いメールを長々と書いてしまったり、全くラチが開きません。 景気づけにジムに行こうかなあ、とか、 読書の為にカフェに行こうかなあ、とか、 色々自分を奮い立たせるべく、アイディアを巡らせても な~~~~んにもしたく無い! 昨日の私の様なのを「調子に乗る」と言うのだなあ、 そしてちょっと「調子に乗りすぎたなあ」と、 日本語のことわざの勉強になりました。 今日は、早寝!

  • テキサスと言えば、カウボーイ、西部劇、アラモ、NASA,など色々連想しますが、 テキサスのバーベキューが実は有名らしいと言うのは、 私はヒューストンに移住する事になって初めて知りました。 でも一度知ってみれば、確かに西部劇でもバーベキューの場面が一杯在ったり、 タングルウッド主催ののコンサートのバーベキューで 「これは。。。バーベキューとは言えない。まずくは無いけれど。。。」 と柔らかに、でも断固たるモンクを言ったのはそう言えばテキサス出身のそぷらのだったり テキサスがバーベキューの本場らしい、と言う事は納得できます。 そして、テキサスのバーベキューと言えば「Good Company」と言うレストランが有名、 と、すでに5人くらいの人から聞かされていました。 そして昨日遂に、その「Good Company」に行ってきたのです! 入ったらまず列に並び、飲み物を選び (ビールの種類が豊富。私はテキサス産のビール(名前を失念、残念)を選びました―美味しかった。) お盆とフォーク、ナイフなどをとり、順番が来たら好きな物を選びます。 私はアヒル(半羽)と、brisketと呼ばれる牛の胸肉,  そして豚の肋骨(周りに付いた肉を食べる)を注文しました。 その後、バーベキュー・ソースを選びます。 辛い物と、普通の物が在って、それを小さなお椀によそってくれます。 これに、肉を付けて食べるのです。 それから副菜として、コールスローと、 ジャンバラヤ(ハム・エビ・タマネギ・トマト・香辛料を加えたたき込みご飯のクリオール料理を注文。 他にポテト・サラダなど選択肢が在りました。 最後にハラペーニョ・ブレッドと言う物がドカン!とすでに山もりのお皿の上に載せられます。 結論としては、美味しい! 私は肉をこんなに食べる事は滅多に無いのですが、本当に美味しい! 友達が取ったハラペーニョ・ソーセージも試しましたが、これもとても美味しい! ジャンバラヤもびっくりするほど美味しい! 肉そのものが、アヒルは勿論、birsketも、リブも本当にそれぞれの味がし、 そのどれもがソースと絶妙なコンビ。 絶対全部は食べられない、と思いましたが、リブ肉一本残して、全部食べてしまいました。 う~ん、満足。 これで12ドル。

  • 私はコルバーンに入学した2006年から機会に恵まれて少しずつ指揮の本番を重ねてきました。 博士課程を選ぶ時期に入った時「指揮を勉強するならライスに行きなさい」と色々な人に言われました。その時初めて、指揮の教授、また特に学生オケの指揮者として現在アメリカでもっとも尊敬されている指揮者と言う噂の高い、ラリー・ラクレフの事を聞きました。ただし、私が学校に応募した段階では彼はすでに余りにも演奏旅行の数が多く、指揮の生徒は取っていないしこれからも取るつもりは無い、と言う事も聞いていました。でも、好運に幸運が重なって、今学期から私と同じように楽器専攻だけれど指揮の勉強を強く希望する学生が、私を含めて3人集まり、特別に「総譜の読み方」と言う名目のクラスを教えてくれる事になったのです。 今日、その初めてのクラスが在りました。 オケのリハーサルも、ラリー・ラクレフはとても細かい。リハーサル中、いきなり第一バイオリンの7席目の男の子に「ボブ!」と呼びかけ「今君たちが弾いているこの弦のメロディー、木管楽器が一つ一緒に吹いているんだけれど、どの楽器かな」と抜き打ちで質問したり、突然指揮台を降りて、客席にどっかり腰をおろし「聞いて!、聞いて!今はオーボエを聞いて!ここはダブル・ベースを聞いて!!」と叫び始めたりします。「ほら、ここはお客さんをびっくりさせる所だよ。作曲している様に弾いて!今この瞬間、作曲しているんだと想像して!」とブンブン指揮をします。 最初のクラスに備えて勉強するように言われていたのは、モーツァルトの交響曲41番「ジュピター」です。修士の新入生で私と同じように「ラリー・ラクレフに教えてもらえないなら、ライスには行かない!」と、交渉したチェリストが一楽章、学部の3年生で今までラリーのアシスタントに指揮を教えてもらって来ていた打楽器の子が2楽章、そして私が3、4楽章を分析する、と担当が分かれていました。ラリーは一楽章の一番最初から事細かに曲の編成、構成、メロディーの性質などについて、チェリストに質問して行きます。 「指揮者が総譜を勉強する一番の理由は、予想のつかない、驚きの展開をどう音楽的に対応するか前もって準備する為と、リピートするセクションをいかに奇抜に音楽にするか、企画をするためだよ。」 「この主題に隠れている、ここのバスーンのパート、これは前にも出てきたメロディーだね。ここは意識しなければ絶対に聞こえない、オケ編成だ。意識するか、しないか、前もって決断しておきなさい」 「ここの第一バイオリンのパートは難しい。ここはリハーサルをする。でも、本番では木管だけを指揮して、ヴァイオリンは無視。音楽的に大事なのは、ここは木管だからね。」 「全ての音楽的選択は音楽理論や、その曲の時代のスタイル、美的感覚に基づいた理論的なものであるべきだ。勘に頼るな。責任を持って勉強しなさい。」 一時間の授業で、一楽章の提示部と展開部までしか、カヴァー出来ませんでした。でも、とても多くの事を学びました。