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実は日本に帰国する前、それまで住んでいた場所を引き払ってきていた。 今、新しいアパートに入居しつつある。 自分の持ち物を全て整理するのだ。 一つ一つの物を検証してそれぞれ属する場所に区分けしていくのは、 結構満足感の得られる作業である。 長年探していた書類がひょっこり出てきたり、 思いがけない昔の品にしばし思い出に耽ったりする。 荷造りをしている時は何しろ日本での演奏も迫っていたし、 時間も心も余裕が無かった。 心の友のMさんに手伝ってもらって、 機械的にあるもの全てを箱詰めしただけだったけれど、 今回は時間も心の余裕もある。 それにこれから一年は私の博士課程の勉強にとっても 演奏家としての活動に於いても、 さらには教授となるための就職活動に於いても とっても大切な時である。 自分ができるだけ自信を持って気持ちよく生活できるように 家具の配置からこまごまとした物の整理まで 習字の前に墨をするように、 心をおちつけながら きちんとやって置きたい。 そうやってアパートの整理をしていたら 引越し魔ベートーヴェンの事を思い出した。 彼は半年に一度の割合で頻繁にせわしなく引越しをしたそうだ。 家賃を払い忘れた、 近所と騒音のことで喧嘩になった、 治安が心配だった、 などなどの諸説の中には 「掃除するのが面倒だったから引越しした」 なんて説まで… そんなに引越ししてもちゃんと作曲したんだから、偉いよな~。 私も明日はまたきちんと練習します。 そして、論文にもかかります!
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チェックインカウンターのきれいなお姉さんもびっくり! 私も考えれば考えるほど摩訶不思議。 なぜ、日本からヒューストンに行くのに、ヨーロッパ経由で、 しかもそれが一番安いチケットだったの? 何にせよ、ミュンヘンに居ます。 羽田からミュンヘン、ミュンヘンで16時間待機後、ヒューストンへ! ミュンヘンでは空港で寝て、文献や楽譜でも読むかな~と、思っていました。 私にとっても過保護な父も「危ないことはしないほうがいいよ、うん、できれば動かないで、ずっと同じところに座っていな!」と言う意味のことを一生懸命言っていましたし。 でも、着陸直後の機長からの放送で「現地の気温は25度」と聞いて、 そう言えば、ヨーロッパは結構行かせてもらっているけど、 ドイツは2002年以降じゃん、ドイツの空気吸うだけでも違うかも、 音楽家としては、やっぱりこういう見聞のチャンスは逃しちゃだめだよね! と、急遽ミュンヘンにちょっとだけミニ旅行することにしました。 5時30分の着陸後、空港内で変圧器を買ったり、色々してたらもう6時過ぎ。 そしてミュンヘン市内までは電車で48分もかかると判明。 (まあ、いいか、電車の中では文献でも読んでいよう!)と開き直っていたら、 次の駅で私の真向かいに座ったおば様がとっても人懐こそうで、 一生懸命目を合わせてくるのです。 「私はミュンヘンは初めてなのですが、ミュンヘン在住の方ですか」 と声をかけると、 「私は英語が下手なのだけれど、でもミュンヘンに住んで35年になります」 と、一生懸命ミュンヘンの見所について説明してくれました。 ベルリンに住むお孫さんを一週間預かったあと、 親元に送り返すために空港に見送りした帰りだとか。 会話をしていたら48分はあっと言う間に過ぎてしまいました。 そして、ツーリスト・インフォメーションで教えてもらったマリアン・プラッツに到着。 そしたら、おば様も一緒に降りてくるのです。 (乗り換えするのかな~)と思いつつ、一緒に歩いていたら 「夫には1時間遅れて帰ると、さっき電車の中で伝えたので、ご案内させてください」 と、色々な建物や歴史的な場所に案内してくれました。 そのご好意にびっくり! 街角では、タンゴや、音楽学生らしい4人組の四重奏や、アコーディオン2重奏など、 兎に角生の音楽がいたるところで演奏されていて、 しかも人々が立ち止まってちゃんと聞き、そして2ユーロをバンバン上げている! なかでもアコーディオンのデュオは、ヴィヴァルディの四季や バッハのトッカータとフーガのニ短調など、息がぴったりで驚異的でした。 私も4重奏とアコーディオン・デュオに2ユーロずつ上げてきました。 とっても良い思い出になりました。
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昨日の美浜文化ホールでの「ショパンToジャパン」のリサイタルを無事終え、 今、家族に見送ってもらって羽田の警備を通り抜け ゲートでこれを書いています。 感謝の気持ちで一杯です。 音楽をやっていて本当に良かった。 演奏会と言うのは、それぞれが私にとっては本当に一大事です。 うまく行けば(ああ、なんて素晴らしい人生だ!)と思いますし、 不本意な出来の時は(ああ、私は一体何をやっているんだ)と本当に落ち込みます。 でも、私が今にこにこと羽田で搭乗を待っているのは、 昨日の演奏会が沢山の方にご来場いただき、 しかもその一人一人のお顔が演奏後、壇上から本当に嬉しそうに見えたから、だけでは在りません。 私の周りの人々に志を理解してもらえて、価値を見出してもらって、 そして多大なご助力を頂き、 うまく行かない時には励ましてもらい、 うまく行った時には一緒に喜んでもらっている。 私が音楽を通じてやろうとしていることは、 今の資本主義、効率主義の世の中からは少し外れていることだと思います。 だから、心細く成ることもあるのですが、 でも、こんな私を力いっぱい支援してくれる家族や親戚や友達や聴衆が私を囲んでくれて、 そして本当に大変な演奏会の企画・実行を進んで手がけてくれ、 一緒の道を歩んでくれる中仲間にも本当に恵まれて、 私は、本当に幸せ物です。 リンカーンが暗殺された、と言う史実は有名ですが、 彼が観劇中に暗殺された、と言うことは結構無視されます。 リンカーンは南北戦争や、奴隷解放論争の大変な時にも 週一の観劇を欠かさなかったそうです。 そう言う文化に触れる時間が自分の中の人間性を確認させてくれるから、だそうです。 チャーチルは第二次世界大戦中、経済困難に陥ったイギリスの窮地を救うため 文化活動の予算を削る、と打診された時、 「そんな事をしたら、何のために戦っているのか、皆忘れてしまう」 と断固反対したそうです。 工夫も上達もいつも必要です。 これからもずっと試行錯誤して、 どうしたらより多くの人に心から楽しんで音楽創りりに賛同してもらえるか模索しながら進行しますが、 でも、私は間違っていなかった、と思わせてくれる一ヶ月の日本での活動でした。 少なくとも、私の人生は音楽の道を歩んできたお陰で 本当に大好きな人たちに「大好き」と言える機会を多く持ち得ています。 これからまたヒューストンで活動と、模索を続けていきます!
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明日13時半開演で千葉の美浜文化ホールで リサイタル「ショパンToジャパン」を弾きます。 と、言うことで今日はリサイタル前日なのですが、 私の日本最後の2日、ゆっくりできる最後の1日でも在ります。 家族でゆっくり、映画を観て笑い合ったり、ご飯をゆっくり食べたり、 ジムに行ってヨーガをしたりしています。 練習は確認程度。 ゆっくり練習したり、ゆったりリラックスした状態でイメトレしたり。 そして体力セーブ。 一音一音集中して、心を込めて弾く。 しかし、あんまり感情移入し過ぎない。 今まで弾いた箇所には適当に心の中で蹴りをつけ、距離をとる。 今弾いているところは、しっかりと「仕事」と思ってこなす。 次に弾くところは常に一番集中して客観的に計算をして、 冷めて、しかし覚めて出来るだけ的確なイメージを持つ。 精一杯弾きます。 是非、お越し下さい。
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昨日は福島の大学でピアノを教え、コンクールの審査員などで忙しく活躍する傍ら ジャズ・ピアニストとしても忙しく演奏に飛び回るポーランド人のピアニストに会いました。 もう十年も日本で暮らしていて、日本語もかなり上手です。 彼の友達で、やはりポーランド出身の日本滞在10年のゲーム・デザイナーや ポーランド人ピアニストの生徒さんの日本人を交えて 『日本とは』、『日本人とは』と言うトピックで面白いアイディアが飛び交いました。 私の日本観、日本人観は、 私が日本を去った13歳、そしてアメリカにとどまる決意をした16歳の時から 現在に至るまで随分大きく変わりました。 特に14年前、日本での演奏活動が始まってから、 活動を通じて会う日本人には、こだわりや博識が物凄い日本人に多く出会い、 日本人の優秀さ、そして探究心の強さなどに驚かせることが、今でも多いです。 最近出会った、マンドリン・オーケストラの皆さまも、 また新しいタイプの「音楽仲間」です。 マンドリンと言う楽器は勿論知っていましたが、 この楽器でアンサンブルやオーケストラをする、と言うコンセプトは全く初めてで DVDを拝見して驚愕いたしました。 新しい音世界。 指揮者・リーダーの平井さんを真ん中に そして皆、本当に楽しそうに音楽談をするのです。 『仲間』と言う言葉がぴったり。 音楽人生、満喫しています。 さあ、8月に入りました! 3日のリサイタルも間近! 今日と明日はコンディション調整と練習と、イメトレ! そして、スマイル、スマイル!楽しみです。
