音楽人生

2018年、新年のご挨拶と今年の抱負。

2018年明けまして、おめでとうございます! 2017年は大変お世話になりました。2018年も引き続き、よろしくお願いいたします。2017年は私の人生上いくつかのビッグイベントがありました。一つは博士号取得です。博士課程にかけた7年間と、博士論文「暗譜の起源」の執筆は、私のこれからの音楽人生をさらに豊かにしてくれる、掛けがえの無いものとなりました。 ヒューストンのメソジスト病院に在るCenter for Performing Arts Medicine (舞台芸術医療センター)で、コンサルタントとして音楽の効用に関する研究に関わり始めたのも去年です。 6月にはお蔭様で17年目になる私の日本での独奏会を各地で開かせていただきました。題して「天上の音楽vs。地上の英雄」-前半には天上の音楽(ゴールドベルグ変奏曲)、そして後半にはベートーヴェン、リスト、ショパンによる英雄にまつわる曲の数々。 ハイライトにはもう一つ、US-ジャパン・リーダーシッププログラムに参加させていただいたことがあります。卒業生にはヴァイオリニストの五嶋みどりさんや、オリンピック選手の有森選手、外務大臣の河野太郎さん、オバマ政権・トランプ政権のアドヴァイザー、ジャーナリスト、教育者、有名人、軍事関係の方など、大変なVIPがたくさん居る中、最初はかなりビビりながらも、非常に刺激の多い、人生観の変わる一週間を過ごさせていただきました。 そして秋には、アメリカ大陸を半横断して、大移動・大引っ越しを行いました。博士課程取得・引っ越しと、人生の大きな節目を続けて経て、これからの人生をどのように生きようか、真剣に考える時間に恵まれました。私は、本当にたくさんの方々のご支援と愛情を得て、ここまで音楽人生に精進して歩んで来られました。その過程で得た経験は、私に主流とは少し違った価値観・人生観・音楽観を、与えてくれたと自負しています。 それを、皆さまのお役に立てるのにはどうすればよいのか。試行錯誤は続きますが、とりあえず大きな方向性として、いくつかの事を2017年に始め、2018年で発展させたいと意欲を燃やしています。 一つは、舞台恐怖症を克服する過程で私が勝ち得た信念と人生観について、本を執筆する、と言うことです。もう一つは、音楽サーヴィスの宅配ビジネスを始める、と言うことです。演奏をお届けするだけではなく、音楽に関する講義、イベントにふさわしい音楽デザインのコンサルタント、上がり症に関するカウンセリング、演奏会ツアーガイド(演目解説をより身近に)、など、音楽家と一般聴衆の隔てを減少して、コミュニケーションをしながら音楽を共感するイベントや時空を提供していく、と言うビジネスです。そのために、今インターネット上でとりあえず知名度を上げるべく、色々努力をしています。今年18年目を迎える日本での演奏活動は5月中旬から6月上旬となります。まだ日程に余裕がございます。私が提供できるサービスをHPに並べてみました。どうぞレストランでメニューから選ぶようにお好きなものをお選びになって、お声をかけてみてくださいませ。 音楽博士、御用達! また再会して色々お話できるのを、今から楽しみにしております。 2018年が皆さまにとって良い年でありますように。今年も、よろしくお願いいたします。 平田真希子

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明けましておめでとうございます。

2018年明けまして、おめでとうございます! 日本では皆さまいかがお年越・年明けをお過ごしになられましたでしょうか?アメリカではやはり大晦日・お正月はクリスマスにやや押され気味の祝日です。が、素敵なお友達に沢山恵まれて、今年はかなり盛大にお祝いをすることができました。 大晦日は、仕事納め。 午前中に大急ぎで色々仕事をとりあえず一段落させ、野の君と二人でくるくると大掃除をした後、午後半ばから大変お世話になっているお友達の所に二件、お呼ばれをしました。 最初のお宅では私には何年ぶりかのおせち、そして久しぶりで感激のお寿司、さらに本場中華!の餃子、など盛りだくさんのおごちそう(写真)を囲み談笑した後、年越しそばで絞め!2件目は紅白歌合戦を見ながら(アメリカでも見れるんです!)歌う・踊るという賑やかな会で、「細く長いそばではなく、太くで長くてスパイシーなで皆さんの2018年もそのように」年越しカレーうどん!年明けのカウントダウンでみんなで乾杯して、ハグし合って、帰宅は12時半過ぎ。 元旦は5時起き!真っ暗です。 車を30分走らせれば、全くの別世界に到着です。   本当にまるで人里離れたラピュタの世界で、ゆっくり上っても息が切れるかなり急な坂を延々と小一時間上るうちに空が白ばんできます。 そして登頂で日の出! 数時間の山登りなのに、みんなリュックを背負っているのが不思議だったのですが、日が昇ったら理由が判明!御酒におちょこを沢山持参してくださった方。簡易御汁粉や甘酒と、更にそれに注ぐ魔法瓶のお湯を持ってきてくださった方!みんなで乾杯して、そしてごちそうです。大晦日にあんなにお腹いっぱい食べたのに、寝不足のせいでしょうか、甘いのが染みます。美味しい! さらに下山後は、車の中にお稲荷さんやお煮しめ、お豆の煮込み、きんぴらなどをご用意くださった方々にご一緒させていただいて、ピクニックです! そして最後に車をもう少し走らせて、海を見に行きました! 遠くから見た時の水面の、そして砂浜から見た波引きの時の、日光を反射したキラキラが素晴らしい! インスピレーションを受けて、帰ってからの練習染めでドビュッシーの「金魚」に力が入ります。 100日練習ヴィデオも、元旦で15日目です。 年末・年始と、沢山の素晴らしいお友達と楽しく過ごすことができました。今年も頑張るぞ!と気合が入ります。 これからも、よろしくお願いいたします。

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3歳の真希子の録音を聞きながら、メリークリスマス!

メリークリスマス! クリスマスはなぜか子供時代を思い出させてくれます。サンタさんとか、クリスマスツリーとか。 私は1歳半から6歳半まで父の転勤に伴い、香港で過ごしました。クリスマスイブになると、ブラスバンドがクリスマスキャロルを演奏して、それを家族でベランダに出て、聞きました。素敵な思いでです。ちなみに、バンドメンバーが演奏後、一部屋一部屋回って、寄付を集金していたのも覚えています。あの奏者たちはどういう人たちだったのだろう? 私は両親や駐在員コミュニティーの子供たちとは日本語、乳母とは広東語、そして幼稚園では広東語と英語、と言う環境で言葉をしゃべり始めました。始めは文章が色々な言葉のちゃんぽんで、お友達との意思疎通ができず、幼稚園でも一人遊びが多く、母を心配させたそうです。そのせいでしょうか?家に在ったアップライトを勝手に弾き始め、特に教えられた記憶があるわけでも無いのですが、即興演奏をしたり、童謡などを弾いたりしていました。そして、いつも歌を歌っていました。 今、私は自分がどうやって舞台恐怖症を克服したか、その過程を本にまとめています。その資料として、古い演奏録音をデジタル化しているのですが、3歳の頃、まだレッスンを始める前の録音を聞いて、考えるところ多し。 クリップをお聞きください。   私がすごいと思うのは、3歳の私がピアノを弾きながら歌っていて、どの鍵盤を押せばどの音が出るかと言うことを感覚的に知っているということです。クリップの最後に10度の跳躍をしているのですが、レからそのオクターブ上のファをちゃんと歌っている。別に自画自賛をしているわけではなくて、なんで、と言う疑問がまず一つ。私の両親やよくLP録音でクラシックを聴いていたし、私の母はピアノを弾いたり、コーラスで歌ったりしていた。その記憶?さらに、この自信と言うか、自分の感覚的な知識と言うのが信じられなくなって、舞台恐怖症に至るまでの自分に何があったのか?と言う疑問が二つ目。 書く、と言う作業は自分が潜在的にずっと考えていたことを形にしてくれている、昇華させてくれる作業だと、実感しています。どうぞ、応援してください。

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皆さまの心に寄り添った音楽活動とは?

US-ジャパンリーダーシッププログラムのご縁でお会いすることの出来た退蔵院副住職でいらっしゃる松山大耕さんの記事です。音楽家として、皆さまの心により寄り添った活動をするにはどうすれば良いのか試行錯誤をしている自分にはとても考えさせられる記事でした。 17年間、皆さまのご支援の基、毎年定期的に日本で演奏活動を行い色々な出会いに恵まれて来ました。癌闘病を続けながら毎年「来年もマキチャンの演奏会を聴きに来れるように頑張ります」とおっしゃってくださって遂に亡くなった方もいらっしゃいます。家族の闘病を支えながら毎年演奏会に来てくださる事を家族の恒例行事にしてくださっていたご家族が、お亡くなりにご主人や奥様と「今日はデートです」と言ってお子様と一緒にいらしてくださったケースもいくつかありました。また私が帰国の度に練習をさせていただきに伺っていたお宅のご近所で介護で苦しんでいらっしゃる方が「マキチャンの練習が始まると(良く聞こえる)お庭に出て草むしりをしながら泣いた」と教えてくださった事もありました。ただ、この方々は、私が勝手にやっていた音楽活動にありがたくも癒しや家族の絆の象徴性の様なものを見つけてくださったのであって、もっと積極的に私から癒しを提供できる活動をするためにはどうすれば良いのか。それともそんな事を考えるのはおこがましくて、私は私の芸に徹すれば良いのか? 人生半ばに差し掛かり、博士課程取得など色々な節目を迎え、これから社会度の様に社会貢献をさせて頂こうか、色々考えています。カンボジアやアフリカに音楽教育に行くなどと言うお話しも在ります。それは私の見聞を広める事には違いない。そして貢献も少しは出来るでしょう。しかし本当に遠征しなければ私の音楽や音楽観・人生観は社会貢献出来ないのか?ニーズはもっと身近なところにも沢山あるような気がします。皆さまにお考えをお聞かせ願えれば幸いです。

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障がい者とご家族のための演奏会

昨日は千葉女子専門学校と障碍福祉サーヴィス「まあるい広場」、そして千葉の「平田真希子応援団」の皆さんのご協力により、障碍者とその家族のための音楽会が実現しました。音楽が特に自閉症などをお持ちの方々に効用を発揮することは証明されていますが、でも実情ではこの様な方々が普通の演奏会にご出席なさりにくいのです。通常のクラシックの演奏会では聴衆は儀式のルールにのっとった行動を期待されます。静粛不動で、決められた場所で拍手をする。それは、正直なところ大方の人に窮屈なのではないでしょうか?特に、色々な事情をお抱えの方々はこのルールに徹するのは無理がある場合が多いのですが、そうすると他のお客様のご迷惑になる場合があり、ご家族も恐縮されてしまいます。だから障がい者とそのご家族が、何の心配も気兼ねも無く、堂々とおおらかな気持ちで音楽を楽しめる会が出来れば良いな~、といつも機会を探しています。 昨日は思いがけず多くの方々にお越しいただけました。主に自閉症、ダウン症と言った知的障碍をお持ちの小さなお子様から大人まで、そしてそのご兄弟や保護者の方々、そして施設や団体関係者の方々など雲行きのあやしい土曜日の午後でしたが、120名位の方々がお集まりくださいました。中には車いすの方もいらっしゃいます。(音楽会の会場に居る!)と言うだけで興奮と緊張のあまり車いすの中で跳躍の様な動きが何分も止まらない男の子も居ました。開場前の私が少し練習の手を止めると、その度に一生懸命一々拍手をして下さる方も居ました。 時間が来て会が始まった時、私はまず音と言う物がいかに空気の振動で耳の鼓膜だけじゃなくて、聞いてくださる方を囲んでいる空気の全てを振動しているか、と言う事、だから私はピアノを弾くとき、聴衆の皆さまを一人ひとり優しく触れるつもりで弾いています、と言うお話しをしました。そしたら最前列の女の子が自分の頬っぺたを優しく触れているのです!うれしい…。そしてみんなの興奮を沈め、音に集中してもらうために、まず一音だけぽ~んと弾きました。そして皆には手を挙げてもらって「音が段々小さくなって、もう聞こえないと思ったら手を下げてください」とお願いしました。そしたら会場の空気が本当に集中して来るのが手に取るように分かったのです。不思議な感じでした。 その次にバッハの平均律集一巻から前奏曲一番を弾きました。 「この曲はいつも同じフレーズが二回繰り返されます。皆で一回目に息を大きくゆっくり吸い、二回目で大きくゆっくり吐いてみましょう」と言ってまずデモンストレーションをした後に曲を弾き始めました。そしたらみんな本当に一生懸命私と一緒に息を吸ったり吐いたりしてくれました。 その後にショパンのエオリアン・ハープを弾きました。 次は同じショパンの「英雄」ポローネズ!主題の勇ましいテーマが聞こえたら敬礼をしてください、とお願いしたら、みんな一生懸命聞いて、敬礼してくれました。ちょっとダイジェスト版にして、中間部はカットしましたが、全部弾いても皆一生懸命に聞いてくれたのかも知れません。 皆が元気づいて、にぎやかになってきたので、次は鎮静効果のあるドビュッシーの「月の光」を情景の説明をしてから弾きました。 そして「月の光」比べで、次はベートーヴェンの「月光」の一楽章。 そしてベートーヴェンが難聴・失聴に打ち勝った英雄だったと言う事をお話しした後、ソナタ一番の終楽章を弾きました。 人間と言うのはいかなる困難にも打ち勝つ事の出来る強い生き物だ、と言う事で、スクリャービンの左手のためのノクターンを弾きました。右手を故障してしまったピアニスト、戦場で右手を亡くしてしまったピアニストでも、生きている限り音楽を続けようとする意志のある人達が左手のための曲を沢山委嘱しました。その事だけでも、人間賛歌、そして困難を直面している人への応援歌となる、と私は思い、私自身がいつも勇気づけられます。 終演の時間が近づいてきたので、みんなで楽しい気持ちになってもらおうと思い、係りの方に鈴や太鼓やカスタネットなどを配っていただいて、みんなからリクエストを頂き、「サザエさん」「キャンディ―キャンディー」「ドラえもん」「水戸黄門」などのテーマソングを弾いていっしょに歌ってもらいました。みんな一生懸命歌って手拍子や打楽器で参加してくれました。エリーゼのためにも弾きましたし、最後のアンコールではトルコ行進曲でみんなに足踏みをしてもらいました。昔はこういうみんなが喜んでくれるポピュラークラシックや、アニメ・ソングなどを弾くのは、本当に心外だったりした時期もありました。自信が無かったのだと思います。でも今は私は音楽は楽しくなければいけない、と思います。そして本当にシェアするためには歩み寄りもしたい、と思います。 楽しい会でした。皆に喜んでもらえて、私も本当に嬉しかった。 音楽と言うのは本当に治癒能力があると私は信じています。でも本当にその効果を必要としている、闘病生活を送られていたり、人生に困難を抱えていられたり、自分で移動が難しかったりする方々に生演奏を聴く機会と言うのは少ないと思います。こういう活動をもっと沢山やりたい、そしてこういう活動を広めていきたい、と思います。 今夜は千葉のジャズスポット「Candy」で「『天上の音楽』vs.地上の英雄」を弾きます!Candyももう10年以上毎年お邪魔しています。通の常連さんが沢山集まる、熱気あふれる音楽会場です。楽しみです。

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