Tag: 音楽と記憶


  • 美声日記6.6:記憶と記録と忘却の音楽

    音楽は識字率が低い時代から備忘録の役割を担ってきました。検閲や圧政の目を潜って権力者や悪政の批判をしたり、人々の感情を代弁したのも歌や器楽曲です。

  • 美笑日記2.27:感情と記憶の脳内メカ

    好き嫌いの判断や感情や生存本能を司る偏桃体 (amygdala)という部位と記憶を処理する海馬 (hippocampus) は隣り合わせ。記憶に値するインプットかどうか海馬が判断する基準の一つが偏桃体からの感情シグナルなんです。

  • 「時を刻む」ことの意味・無意味。

    時間の感覚は主観的です。「時間の芸術」と言われる音楽の醍醐味の多くはそこにある。でもメトロノームの商品化で、音楽の速度を定量化するという概念が広まりました。メトロノームの弊害はそのまま産業革命がもたらした価値観の社会的弊害の象徴として語れるのでは?今朝練習しながらふと、そんな壮大な考えが頭に浮かんでしまいました。 時間の感覚が主観的なのは、過去は記憶、将来は想像、そして現在は瞬間的かつ感覚的だからです。印象が強い体験をした時間は長く感じる。逆に退屈な時間は記憶には残らないでしょう。音楽で言えば、2分間しか無い曲の最後の音が消え入るのを聞き入るとき、あたかも旅から帰ってきたような、夢から覚めるような感覚を味わうこともあれば、30分の曲を固唾をのむように聞き入ってまるで一瞬の出来事だったような気がするときもあります。 ホールの音響でも、テンポの感覚は変わります。残響の多いホールでは、速いパッセージは音が濁って「速い」ではなく「聞こえにくい・分からない=記憶に残らない」になりがち。なので、かみ砕くように弾かなくてはいけません。逆に残響が少ないホールでは、リズムが非常に重要です。奏者も聴衆も一体になって乗れるリズムと言うのは、奏者の弾ける一番速いテンポでは、概してありません。なんにせよ、音楽に於いて大事なのはBPM(Beats Per Minute=一秒間に何拍あるか=メトロノームの単位)ではない、と言うことです。大事なのは、メロディーの流れ、リズムの躍動感、曲の構築、感動、そして最終的に何が記憶に残るか、です。 私は音楽は人生だと思っているので、飛躍に思えるかもしれませんが、ここで一つ大きな表明をさせてください。 長寿は目的ではない。 BPMが奏者の目標であってはならない様に、私に言わせれば長寿は人生のゴールであるべきではない。大事なのは、我を忘れる没頭ができる瞬間。微笑んだり笑ったりしながら浸れる思い出をいかに多く周りの人と共有できるか。自分の創作・発信。そう言った事ではないでしょうか?人生で大事なのは計測できるものではない。音楽・創造性・共感・愛情...私が、自分の音楽人生を賭けて世に訴えようとしているのは、そういう価値観の転換です。