人間が世界を理解する方法の一つに物語が在ります。共感を呼び起こす物語を語る事で、その研究を印象付ける。個人的な連想を促す。いつまでもその研究について考えさせる。
私が執筆を通じてしようとしていることは、私と言う女性の人生を、歴史的背景(とちょっと脳神経科学)に照らし合わせて理解しようとすることである。なぜ1970年に日本に生まれた私が幼少期からピアノを習ったのか。なぜ日本人の私が渡米し、半永久的に在米する事になったのか。日本人女性のピアニストがアメリカでプロピアニストになるというのは、歴史の何を反映していると言えるのか?母の世代では難しかったこと、そして祖母の世代では絶対に無理だったことが、私の世代だと選択肢に入る。この3世代の間での、世界に於ける日本の位置づけの変化。女性観の変化。西洋音楽と東洋人に対する認識の変化。