トランプの就任式の日に多様性を見直す。

トランプの就任式である今日、 ライス大学は大学を挙げて移民法や人種差別の歴史などを見直したり、 新しい政権に現実的にどのように対処して自分たちの知性や教育や選択の権利を守るか、 パネル協議や講義、そしてディスカッショングループを大々的に開催しました。   私は「ビジネス界に於ける人種の多様性」の一日学会を聴講しました。 アジア商工会、黒人商工会、南米出身者商工会 LGBTQ(多様な性指向や性別アイデンティティーの権利を主張するグループ)商工会、 人種の多様性の必要性を大企業に説き、 どのように多様性を作り出すか人員派遣やアドヴァイスをする会社を創立して 大成功をおさめた黒人女性の社長、 その他沢山の人々の講義やパネル協議を聞き、多いに勇気づけられました。   「人種の多様性を『企画プロジェクト』としている間はダメだ。 人種の多様性が会社や社会の文化の一部とならなければ。 『企画プロジェクト』なんて言う物は付け焼刃でしかない。 そんな物は文化には絶対太刀打ちできない」   「自分がその木陰を楽しむことがないであろう苗木を植える、と言う事を 私たち一人ひとりが少しずつでもやることで、社会は良くなる」   「多様な視点を統合しなければ、世界に対する正しい視点は得られない」   「有色人種の権利を主張することで、 白人が自分の権利を剥奪されるような危機感を覚えるのはおかしい。 全体的に、みんなで幸せレヴェルをアップして相乗効果を醸し出そうと提案しているのだ」   今日の学会では講義をする人やパネルの人々、参加者の40パーセントが黒人でした。 そして次に多い人種がアジア人、そしてラテン系、白人と言う順で、 女性もとても多かった。 そしてライスの卒業生や教授など本当に多様な参加者で でも年齢や人種や立場に関わらず本当に平等感が在り、 質問者も講義をする教授と同じくらいしっかりと意見があり、 それがしっかりと聞かれ、本当に素晴らしい会でした。 私はアメリカ在住の自分が有色人種の移民女性である、と言う事に希望を見出しました。   トランプはイスラム系のアメリカ移民の全てを登録させる、と言っています。 テロ対策と言う大義名分の基ですが、 これは日系人を第二次世界大戦中に収容所に入れた時の状況と似ているそうです。 日系人(Japanese-American Citizen’s League)は戦後、 アメリカ政府を裁判で訴え勝利をおさめた過去があるので、 今、イスラム系の人々を支援しようと頑張っています。 それからラテン系の移民の強制送還もほのめかしています。 さらに、移民法の取り締まりも厳しくなるそうで、私の友人の多くは戦々恐々としています。   さらにトランプは就任前日の昨日 全米芸術基金と全米人文科学基金をカットする、と発表しました。 それを受けて就任式の今日、NYでは美術館や博物館が入場料を無料にし 「アメリカの多様性と開放性を体験してもらう」と決断しました。 全米芸術基金はアメリカの政府の予算の0.02パーセントしかありません。 これは年収が500万円の人が一年に千円芸術に寄付するのと同じです。 この0.02パーセントの予算削減はだから、象徴的なモノです。 そして、これは非常に悲しい、けちな、象徴です。 […]

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明日また、ゴールドベルグを弾きます。

2011年にCD「Goldberg Variations」をリリースしてもう5年以上が経ちました。 今またGoldbergの演奏を明日に控えて、この5年の重大さを感じています。   Goldbergは壮大で、美しい。 私が想像する「天球の音楽」とは、Goldberg Variationsです。 明日の会場は大学病院。 特に癌研究と、アメリカで唯一芸術と医療の協力を研究している事で有名な Houston Methodist Hospitalのコンサートシリーズです。 精一杯の生と死が入り混じる会場の概念には意義を感じて奮い立ちますが、 同時に病院のロビーと言う事で人の行き来も激しく、ノイズも多い。 ピアノも最高とは言い難い。   その中で、一生懸命演奏をします。 その為の、明日の演奏に向けての覚書とイメトレ。   組み合わせになっている変奏曲はバッハの直筆が入っている初版のファクシミリで見つけた このサインが変奏曲の終止の所にある時は、 「テンポに関連性を持たせて次につなげよ」 と言う意味だと解釈しました。     最初のアリア。 第一音で、イメージ的に宇宙を開かなければいけない。 ベースを響かせて、メロディーをその上に乗っけるイメージで。 倍音の共鳴をイメージ化する。   変奏曲1. 鍛冶屋。 ピサゴラスが鍛冶屋が金属を叩く音を聞いて 協和音が数字の比例を体現することを発見したと言う伝説をバッハは多分知っていた。 力仕事にまつわる重さと勢いのリズム。   変奏曲2  2.左手のLower neighbor(下隣接トーン)の繰り返しはおばあちゃんのゆっくりとした相槌。 「おや、そうかい」を優しく。   変奏曲3 -> 変奏曲4 -> 変奏曲5 3は水。たゆみなく流れる(”涙も泉も私の兄弟~♪”) 4は土。しっかりと、そして石がバウンスする。 5は火。踊る。ラップとかビートボックスのクールさと緊張感。   変奏曲6 宮沢賢治の「雁の童子」 – 不思議なお話し。 長調でも下降するメロディーの悲しさを醸し出す。   変奏曲7 -> 変奏曲8 7.スナフキン「風の吹くまま、気の向くまま」 8.子供が笑いながらスキップ

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ドガー展で演奏しました。

今週末はヒューストン美術館(Museum of Fine Arts Houston)のドガー展で演奏しました。 ドガー展は物凄い人気で、今日が展示最終日のはずでしたが来週末まで延期になったほど。 昨日は美術館付きの駐車場が全て満杯で、かなり離れたところに駐車してヒールで走って ちょっと泣く思いでした。   でも会場についてびっくり! 演奏開始までまだ30分以上あると言うのに、もうすでに半数以上の席が埋まっているのです。 ドガーの絵に囲まれて、ドビュッシーやラヴェルを弾くと言うのはまた乙な物です。 そして、聴いている人々が本当にかぶりつくように聴いてくれるのです。 やはり絵を見てインスピレーションを得てから音楽を聴いているので 聴衆もより集中力があるのでしょうか? かなり小さなお子さんも沢山沢山いたのですが、 皆本当にじーっと一生懸命聞いてくれ、質問も沢山出ました。 演奏後には聴衆が私やオーボエ奏者を囲んで楽器についての質問をしたり 色々感想を聞かせたりしてくれて、普通の演奏会とは一味違った まさしく交流、と言った感じでした。 私はこういうカジュアルな短い演奏会で子供連れの家族が沢山来てくれた事が 本当に、本当に嬉しくて、子供たちにピアノの構造の説明などをして 大サービスをしてしまいました。 子供は本当に素直に喜んでくれるからスっごく好きです。   私も演奏の前後にインスピレーションを沢山もらいました。 美を愛でると言う行為はそのまま、自分を愛でる、周りの人間を愛でる そして世界を愛でると言う事に直接つながる。 だから、大事なんだと実感できた週末でした。 幸せでした。 音楽人生万歳!

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カフェで幸せ。

久しぶりにゆったりとした気持ちです。 一人でゆっくりとお昼をした後、大好きなカフェに来てラッテを飲みながら書いています。 最近はお砂糖を極力控えているのだけれど、今日は色々頑張ったご褒美。 ラッテの上にサラサラとザラメをかけたので、表面が光っているのがご覧いただけますか? こうやって飲むと、上のホワホワのスチームミルクに甘いじゃりじゃり感が加わって 私はとっても幸せです。   今朝は早起きして練習した後、今週末土日のリハーサルに行きました。 土曜日と日曜日は3時からと4時半からそれぞれ30分ずつ、 ヒューストン美術館(Museum of Fine Arts Houston)のドガー展で ドガーと同時代の作曲家の作品をオーボエ奏者のAlecia Lawyerと演奏します。 素敵な企画でしょ? 詳細はこちらでどうぞ。 https://www.mfah.org/calendar/not-your-typical-impressionist-music/   私が今来ているのはInversionと言うカフェです。 http://www.inversioncoffeehouse.com/location.html Art League Houstonと言う視覚芸術を教えたり展示したりする所と 絵画・工芸用品を扱うお店の隣にあって、 お店の壁にかかる展示物も定期的に変わる、ギャラリーの様なカフェです。 来る人はArt League Houstonの関係の方が多いのか、 彼らのファッションを観察するのも楽しいです。 ここに来て一人ひとりを盗み見て、その人生や今日なんでこのカフェに居るのか、 想像を繰り広げて、優しい気持ちになります。 皆一生懸命、出来るだけ良い人生、良い一日を送ろうと思って工夫して頑張っている。 最近は朝から晩まで一歩も外に出ないで論文に没頭する日々が数日続いたり、 ちょっと論文から距離を置くときは練習室にこもってピアノとひたすら向き合ったり、 そういう時間が多かった。 クリスマス・年末年始の会合と言うのはそれなりにあって 全て楽しく参加させていただいていたのですが、 でもこうやって一人で外でゆったりする時間と言うのは全く違います。 私はあんまりこう言う事をしないのですが、でもたまにすると命の洗濯になります。 私の座っている机の真横の壁はこんな感じ。   幸せな気持ちの理由は沢山、沢山ありますが、一番直接的なのはこれかな? 昨日の夜、ドアに貼ってあるのに気が付きました。 「Piano sounds awesome!(ピアノすっごく良い!)」と書いてあります。 あんまり嬉しかったので「ありがとう!ご自由にお取りください」とCDを3枚出して置いたら お昼までにはみんな無くなっていました。   もう一つ幸せな理由は1月19日に大好きなゴールドベルグ変奏曲を演奏できること。 練習していても毎日この曲の偉大さに一瞬一瞬が「開眼!」と言う感じ。 この曲は本当に底知れない深さと広がりがあるのですが、 同時に信じられないミクロの世界もあります。

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ピアニストで良かった。ありがとう。

今回の博士論文のリサーチで分かったこと。 私は無知なので、新情報を得ると(ウォー)とすぐ思って自分の見解に影響を受けてしまう。 でもこれは危ない。自分がデマで動かされる群衆の一人になってしまう危険性がある。 一つの情報に関して自分が責任を持てる見解を提示できるに至るまでには 沢山の人の多様な見解をまず出来るだけ中立な視点で吸収し、 情報がどこまで、どのような証拠を持って「真実」なのかを自分で決めるしかない。 その上でその情報が自分の歴史や人間性に関する見解にどのように影響させるか決める。   最終的には歴史はそれぞれの歴史の語り部の「信念」に物凄くバイアスをかけられた物語。 そして本当は「真実」は物語では語れない、もしかしたら言葉では語れない、 そう言う物なんだと思います。   特に私がそう感じたのは、音楽史に於いて、演奏家の視点がほとんどない事からです。 音楽史は作曲家の作品と見解、そして評論家や音楽理論家の書いたものを基にして 基本的に今まで書かれてきました。 でも演奏家の音楽の体験と言うのはそれとはまったく別なもので、 これは私は自分の人生体験を持って実感として分かるのです。   そして勿論、女性の視点と言うのも今までの歴史の理解からは大きく欠落しています。   私はやっぱりリアルタイムでの実体験と言う物を強調する演奏と言う職業で良かった。 そして私がピアニストになるためには 多くの人が沢山の時間と労力と資材と気持ちを投資してくれました。 この人達の事は私が公に表明しないと、やはり歴史と言う物語からは欠落してしまいます。 特に欠落しやすいのは幼少期の母親の影響だと思います。   私の母は、私が子供の頃私のレッスンには全て同席して細かくノートを取り、 練習の時は必ずとなりに座ってノートを見ながら私の練習の手助けをしてくれました。 私より丁度3歳年下の妹が大声で泣いている中 「あやの泣き声より大きな音で~!」と、 これも大きな声の母が声を張り上げて言っていたのを良く覚えています。 (二人に負けるまい!)と私も一生懸命弾きました。 レッスンの道中はいつも飴を二個用意してくれていました。 行きに一個、帰りに一個、なめるのです。 サクマのドロップとか、ミカンの形の飴とか色々あって、毎回楽しみでした。   私の生徒にも(この子は才能があるな)と思う子がたまにいます。 でも大抵環境が悪くて、ダメなのです。 例えばNちゃん。 ピアノが大好きでレッスン室に入ると飛びつくようにピアノにかじりついて弾き始めます。 本当に大好きなんです。 でも練習して来ない。 聞くと「家の電子ピアノが引越しの際に壊れて、蓋も開かないし音も出ない」と言う事。 始めは信じていましたが、これが何週間も続いたので、 (もしかしたら練習したくないので言い訳しているのかな)と言う半信半疑も在って お家にメールしてみました。 「電子ピアノが壊れているそうですが、Nちゃんは練習をしたがっています。 修理に関して私がお手伝いできることがあったら教えてください」 そしたら「修理は簡単なんです。」と言うお返事。 「引越し業者が壊したので、弁償のための査定を受けるのを待っているだけです。」 …結局その状態が3か月続きました。 9歳の3か月は長いです。 (私の両親だったら在り得なかったな~)、と改めて両親に感謝の念を覚えました。   歴史の検証は大事だと思います。

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