Category: 演奏会のご案内


  • なぜ有名な曲は有名になるのか。 一つには、凄く明確なイメージを提供できる、と言うことが条件なのでは、と思う。 そして今度私が「『クラシック』って何!?」でお届けする、 ジプシー音楽に触発されてリストが書いた『ハンガリー狂詩曲2番』は 少なくともアメリカでは、このイメージを持って聴く人が非常に多いのでは? トム&ジェリーのアニメである。 このYouTubeチャンネルが正しければ、1947年の制作。 今ちょっとWikiで調べたら、この曲は実に色々なアニメで使われている。 そして、ほぼ全曲が毎回色々なイメージやストーリーと共に使われている。 このYouTubeも多少カットとか、重複とかあるものの、大体全曲。 制作者も、視聴者も、今よりもレヴェルが高かったことを彷彿とさせる。 そして曲自体だが、 「リストのハンガリー狂詩曲をアニメに使うなんて不謹慎な!」 と怒るクラシック・ファンは居るのだろうか? ブラームスの協奏曲や、バッハのゴールドベルグならちょっと分かる。 (バッハのハ短調トッカータとかは良くアニメに使われていますが。) リストだって「愛の夢」とかがこのようにコメディータッチで描かれたら ちょっと悲しいかも。 でもハンガリー狂詩曲は基本的にノリノリクラシックなのである。 ノリノリクラシックなんてあるのか? 実はあるんです! 詳しくは私の演奏会で!

  • 私の日本での公演も今年で16年目を迎える。 (詳細はHPにて!http://makiko-piano.wix.com/makiko-hirata) 夏の公演を2001年から始め、以来一年も欠かしたことは無い。 秋や春先にも機会を頂いて、一年に2回の活動をさせていただいた年も多い。 それを可能にしてくださった沢山の方々の支援・ご助力を想うと、本当に感慨深い。 色々な試行錯誤があった。 中心となって広報活動をしてくれた両親には 「もっと耳なじみの多い曲を…親しみやすい曲を…」と泣きつかれた。 一つでも多くの席を埋めて上げたい、と言う親心だったのだ、と今は思う。 しかし若い時‐いわゆる修行中‐は「親の心子知らず」で、 「アメリカで日本食店経営する時、アメリカ人向けにケチャップライス出す? 違うでしょ!分かってもらえる人だけに分かってもらえば良いと思って ちゃんとお出汁を取って、新鮮な素材で、薄味で、本当の和食を出すでしょう?」 と、ベートーヴェンのハンマークラヴィアやバッハのゴールドベルグ変奏曲など、 弾くのは勿論、聴くのも難解な曲に敢えて挑戦したりした。 私の両親も、主催者も、そんな私のわがままを涙を呑んで、心配を我慢して、 許して、最終的な演目を毎年私に任せてくれた。 でもだから、そう言う自由を許されて、 私は自分の納得できる音楽的成長を遂げることができた、と思う。 ありがたく思っている。 最近博士論文のリサーチの一環として19世紀の演奏家について多く読んでいる私は 新しい心境に至っている。 演奏会には3つあると思う。 1.聴衆のための物、2.演奏家のための物、3.作曲家(あるいは『音楽』のための物)。 1.は興業としては成り立ちやすい。 聴衆が何を求めているのか、何を楽しいと思うのか、どうすればチケットが売れるのか、 それを最優先にする。 クラシック音楽業界に於いては歴史的に「身売り」と見下される視点だが、 しかし実際興業として成り立たなければ、演奏家の生活は成り立たない。 2.は演奏家を、その演奏技術やスター性を見せびらかすもの。 これには超絶技巧や、演奏家のルックス、逸話、 全てが「演奏会」を売るための題材となる。 3.は音楽そのものを、儀式の様に在りがたく崇める、と言う姿勢の物。 ここでは奏者は、いわゆる「お筆さき」の様な存在になる。 あまり強い自己主張はここでは良しとされない。 聴衆も、ありがたがって、儀式を拝受する一員となるべく、 楽章の合間に拍手なんかしようものなら、にらみつけられかねない。 現在のバリバリクラシックの在り方だ。 どうすればこの3つを上手くバランスできるのか? 聴衆も楽しめ、演奏家も気持ちよく自己主張をでき、そして音楽もその尊厳を保つ。 今年のプログラムはそう言う今の私の熟考の一環である。 『クラシックって何⁉』と題した今年のプログラムは大きく分けて2部からなる。 『いわゆる「主流」クラシック=ウィーン楽派!」と題された第一部では、 ウィーン第一楽派のモーツァルトの「キラキラ星」変奏曲に始まり、 シューベルトの楽興の時、ベートーヴェンの『悲壮』 そして最期にウィーン第二楽派のベルグの作品1のピアノソナタに至るまでの 聴衆優先から作曲家優先になるまでの音楽観の移り変わりを追う。 『え!?これも「クラシック」?~民族音楽に憧れて』と題した第二部では、 ジプシー音楽にルソーの「自然に帰れ」の音楽バージョンを見出して美化した リストの「ハンガリー狂詩曲」の第2番で始まる。 そしてスコット・ジョップリンのラグタイム、ガーシュウィンの前奏曲など、 アメリカを中心に、いわゆるクラシックとは少し異なる曲たちをフィーチャーしながら 「クラシック」とはいったい何なのか、検証していく。 6月25日(土)みなとみらいにて、13時半開演 7月8日(金)千葉美浜文化ホールにて、18時半開演。…

  • 起きたら8時半! 睡眠は健康と幸せの素! 今夜は本番! テキサス・ニューミュージック・アンサンブルと言うグループ主催で 5人のテキサス出身の作曲家のピアノ・ソロ曲をリサイタルで発表します。 テキサス・ニューミュージック・アンサンブルのHPはこちら: (チケットもこちらで買えます。) http://tnme.org/current-season/ ハワイに居た、9月12日ごろに見始めたプログラム。 特にDan WelcherのBirth of Schiva(シヴァの誕生)とかは 一時はどうなることやらと思ったけど、 お陰様で弾くのがどんどん楽しくなってきたプログラム。 アメリカ現代曲と言うのは面白い。 東海岸はヨーロッパを意識し、西海岸は東洋美意識が強く、 そして中西部は割りと保守的。 何だか大きく政治観を反映しているような… その中西部でも今回のプログラムはかなり保守的。 主催アンサンブルが演目を選択し、私に演奏を依頼してくると言う形だったのですが、 ジャズっぽかったり、コープランドの「アメリカーナ」っぽかったり、 実際にアメリカの古い民謡の変奏曲だったり、 現代曲とは言えど、とても楽しみやすいプログラムでは、と思っています。 私も今夜の演奏が楽しみです。 そしてそんなこんなでバタバタしている内に生放送の演奏の時間を逃してしまった FMブルー湘南で11月担当している クラシック音楽ラジオ番組「スカッとスカぴあ」。 『ピアノ演奏史に観る女性観の移り変わり』と言うテーマでお送りして 2週目の今日は「ピアノ演奏を男性的にした犯人その1.ベートーヴェン」 こちらからダウンロードしてお聞きいただけます。 http://xfs.jp/s6ywh

  • 今週末はこのオケ曲のハーモニアムパート担当です。 https://youtu.be/wmMpbGdrivA ハーモニアムと言うのはペダルオルガンの事です。 アコーディオンとパイプオルガンの中間と思ってください。 小学校の教室に置いてあるペダルオルガンの豪華版です。 ストラウス、マーラーなど19世紀末、20世紀初頭の作曲家は好んで使います。 昔はペダルで空気を楽器に送り込み、それで音量を調節することもできたのですが、 今は大抵のハーモニアムは電気で空気を送り込んでいるため 微妙な音量のコントロールはしにくくなりました。 奏者の運動量は減りますが。 膝を開いたり閉じたりすることでコントロールする「ニー(Knee)ペダル」があり 右のニーペダルは音量、左のニーペダルはオクターブを足したり引いたりするのに使いますが、 私が今回弾いているハーモニアムは右のニーペダルが馬鹿になっています。 ピアノに比べると、実に非音楽的な鍵盤楽器だ… でも、オケと弾くのは楽しいです。 ソロでも、オケの一パートでも、息と気持ちを一つにしてハモると言うのは音楽人生の醍醐味。 今回一緒に弾くオケはヒューストンでも重鎮。 今年10周年記念を迎えるリヴァ―オークス室内楽団。 http://rocohouston.org/ このオケはユニークな理想を掲げた演奏活動を行っており、 その為に色々表彰されたり、メディアで取り上げられたりもしています。 例えば、聴衆との距離を縮めるため、 毎回演奏会の度に抽選で四名の人が最初の曲だけ、壇上でオケ奏者に交じって聞きます。 それから、地域のボーイスカウトや、日曜学校など、子供のためのグループを招待して、 演奏会全部ではなく、2曲くらい20分だけホールで聴く「演奏会初体験」もやります。 子供たちの入場は会場全体にアナウンスされ、 壇上の奏者も聴衆も一緒になって拍手で迎えます。 また、健康上の理由から会場に足を運べないご高齢の方々のために 地域の介護施設と提携して、演奏会の録画がダウンロードで観れるようになっています。 また奏者同志の関係も良くするためにも、色々な試みがされています。 例えば、午前と午後のリハーサルの間の一時間に豪華のお昼がケータリングされます。 皆、テーブルクロスのかかったテーブルで座ってお昼をいただきながら歓談します。 それから一つのプログラムのリハーサル・演奏中に必ず一回は 誰かのお家でピザパーティーが開かれます。 オケの鍵盤パートと言うのはあまり多くありません。 だからいつもエキストラ状態なのですが、 それでも私がリハーサルのために会場入りすると、 色々な人が笑顔で手を振って、迎えてくれます。 仲間、そして同志です。 さあ、リハーサルに行く準備をするぞ! 行ってまいります。

  • 「南欧の愛と幻想」は私の人生の中ではいろいろな意味で大きなプログラムでした。 ヒューストンで2回、日本で明日の千葉も含めて4回、通させていただいたほか、 ヒューストンのHobby空港のバイトで3回、イタリアの音楽祭で3回、 部分的に演奏させて頂いたりもして演奏の機会も多かった。 一つのプログラムを終わりにする、と言うのはちょっとだけ寂びしいものである。 勿論、次のプログラムが楽しみ!とか、他にもいろいろ感慨はあるけれど。 音楽には、香りと同じくらい、思い出を詰め込む力がある、と私は思っている。 この曲を弾くと、その時の友人との会話を思い出す、とか 自分の人生の一場面がありありと思い浮かぶ、とか そういう曲はたくさんある。 プログラムはそういう曲たちのコンビネーション。 このプログラムを弾き終えることは、私にとって一つの自分の時代に終焉を告げることだ。 明日は、思いっきり弾き切ろう、と思っている。 千葉美浜文化ホールにて、明日8月30日(日)13時半開演!!