演奏会のご案内

ヒューストン日本人会へのお手紙。

私のヒューストンでの「『クラシック』って何⁉」の世界初演も後2週間を切り、 練習に励みたいところですが、演奏会の準備や引っ越しその他色々あり、 ブログの更新が滞るのを懸念して、一石二鳥! ヒューストン広報用の文章をそっくりそのままお送りいたします。 今年もジャパン・フェストは大盛況の内に終わり、ブルーボネットの花の思い出も遠ざかって来ました。もうすぐ初夏。皆さまいかがお過ごしでしょうか? 去年の初夏に佐々木麻衣子さんと私、平田真希子で行った4回の演奏会は私たちがマドリッドで開催された国際クラリネット協会で演奏するための旅費をファンド・レイズするための物でした。日本人会を始め、沢山の方に心からのご支援を頂き、私たちは元気よくスペインで心置きなく演奏して沢山の思い出を作って帰ってまいりました。ありがとうございました。 その時に会場を提供して頂いたFort Bend Music Centerにお誘いを受け、また日本人会にも多大なご協力を頂いて、私たちは今年も三回シリーズで演奏をお届けいたします。 コミュニティーに根付き、社会性を持った音楽創りをしたいと考えている私たちは、いつもどのようにクラシックをより楽しく、より身近に感じて頂けるか、試行錯誤を繰り返しております。今年のシリーズは現在の私たちのそんな思いを反映して、題して「『クラシック』って何⁉」。「知的だがお堅い」と言うイメージを持たれがちなクラシックがなぜそうなったのか。そもそも『クラシック』とは何を指すのか?考察いたします。 一回目は私のピアノ・ソロ・リサイタルで『ばりばりクラシック~ウィーン楽派』対『ぎりぎりクラシック~民族音楽に憧れて』を前半と後半に分けてお届けします。モーツァルトの「キラキラ星変奏曲」やベートーヴェンの「悲愴」と言った超有名クラシックを、ジョップリンのラグタイムやジャズっぽいガーシュウィンと比べるとどうなるのか? 5月7日(土)17時開演、Shepherd School of Music at Rice University, Duncan Recital Hallにて 2回目は「Why So Sad?」と題したプログラムで佐々木麻衣子さんと私のジョイント・リサイタルをお届けします。私たちはなぜ19世紀ロマン派の悲しい曲風に魅了されて止まないのか?麻衣子さんのクラリネットが歌い上げるサンサーンスや、私がピアノで激情をたたき出すラフマニノフをお楽しみに!このイベントはJAGHを始め、さまざまな日本人コミュニティーのご協力を得て、熊本復興支援のチャリティーコンサートとさせていただきます。 5月21日(土)19時開演 Fort Bend Music Center (Kirby Location): 3313 Southwest Freeway, Houston 3回目は「Folks in Classics」と題し、佐々木麻衣子さん、私に加えて、ヴァイオリニストのIngrid Hunterとトリオでクラシック音楽を影響する民族音楽にスポットライトを当て、クラシックの中の民族音楽と言う、一見矛盾なコンセプトに迫ります。蓄音機を抱えヨーロッパの田舎を走り回って口伝の民謡を集めたバルトークの作品や、リストのハンガリー狂詩曲、ブラームスのハンガリー舞曲、などなど、「のりのりクラシック」をお楽しみください。 6月4日(土)19時開演 Fort Bend Music Center (Kirby Location): 3313 Southwest Freeway, Houston 音楽の効用については、色々な研究や逸話があります。さまざまなハンディを背負った病人たちが音楽を聞いて起こす驚愕的な反応を記録したドキュメンタリー映画「Alive Inside」はYouTubeでViralになりました。神経学者Oliver Sachsが書いた「Musicophilia(邦題:「音楽嗜好症」)では生態レヴェルでの音楽の影響、音楽の治癒力、などを症例や逸話を交えながら科学的に描いていきます。また音楽家の脳と非・音楽家の脳と少し違うと言うことが今神経科学で盛んに研究され、Houston Medical […]

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「『クラシック』って何⁉」ヒューストンで3回シリーズ!

今年日本で演奏するリサイタルのテーマは「『クラシック』って何⁉」 同じタイトル「What is “Classical” Music?!」とテーマで、 ヒューストンでは3回シリーズで行います。 :「クラシック」と言うのは定義がしにくい、しかし一般的に良く使われる言葉です。特に音楽で言った場合、それは曖昧なのですが、イメージ的には『知的だがお堅い』と言うのが正直なところではないでしょうか? 今回のシリーズではクラシック音楽が「クラシック」と呼ばれるに至った歴史的背景を簡単にご紹介し、「ぎりぎりクラシック」のジャズっぽい物やや民族音楽性を色濃く出した「クラシック(?)」の名曲を「ばりばりクラシック」と比較検討しながら、音楽をより身近に楽しんでいただけるように工夫しています。 最初は私のソロで日本でやるものと同じ演目で。題して「ウィーン正統派対民族音楽」 5月7日(土)17時開演、Shepherd School, Duncan Recital Hallにて 次は麻衣子さんとのジョイントリサイタルで題して「Why So Sad?」 5月21日(土)19時開演 Fort Bend Music Center (Kirby Location)にて 最後は麻衣子さんとヴァイオリニスト、Ingrid Hunterを迎えてトリオで。 タイトルは「Folks in Classics」 6月4日(土)19時開演 Fort Bend Music Center (Kirby Location)

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ハンガリー狂詩曲2番のチャームポイント。

なぜ有名な曲は有名になるのか。 一つには、凄く明確なイメージを提供できる、と言うことが条件なのでは、と思う。 そして今度私が「『クラシック』って何!?」でお届けする、 ジプシー音楽に触発されてリストが書いた『ハンガリー狂詩曲2番』は 少なくともアメリカでは、このイメージを持って聴く人が非常に多いのでは? トム&ジェリーのアニメである。 このYouTubeチャンネルが正しければ、1947年の制作。 今ちょっとWikiで調べたら、この曲は実に色々なアニメで使われている。 そして、ほぼ全曲が毎回色々なイメージやストーリーと共に使われている。 このYouTubeも多少カットとか、重複とかあるものの、大体全曲。 制作者も、視聴者も、今よりもレヴェルが高かったことを彷彿とさせる。 そして曲自体だが、 「リストのハンガリー狂詩曲をアニメに使うなんて不謹慎な!」 と怒るクラシック・ファンは居るのだろうか? ブラームスの協奏曲や、バッハのゴールドベルグならちょっと分かる。 (バッハのハ短調トッカータとかは良くアニメに使われていますが。) リストだって「愛の夢」とかがこのようにコメディータッチで描かれたら ちょっと悲しいかも。 でもハンガリー狂詩曲は基本的にノリノリクラシックなのである。 ノリノリクラシックなんてあるのか? 実はあるんです! 詳しくは私の演奏会で!

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私の日本公演も今年で16年目になります。

私の日本での公演も今年で16年目を迎える。 (詳細はHPにて!http://makiko-piano.wix.com/makiko-hirata) 夏の公演を2001年から始め、以来一年も欠かしたことは無い。 秋や春先にも機会を頂いて、一年に2回の活動をさせていただいた年も多い。 それを可能にしてくださった沢山の方々の支援・ご助力を想うと、本当に感慨深い。 色々な試行錯誤があった。 中心となって広報活動をしてくれた両親には 「もっと耳なじみの多い曲を…親しみやすい曲を…」と泣きつかれた。 一つでも多くの席を埋めて上げたい、と言う親心だったのだ、と今は思う。 しかし若い時‐いわゆる修行中‐は「親の心子知らず」で、 「アメリカで日本食店経営する時、アメリカ人向けにケチャップライス出す? 違うでしょ!分かってもらえる人だけに分かってもらえば良いと思って ちゃんとお出汁を取って、新鮮な素材で、薄味で、本当の和食を出すでしょう?」 と、ベートーヴェンのハンマークラヴィアやバッハのゴールドベルグ変奏曲など、 弾くのは勿論、聴くのも難解な曲に敢えて挑戦したりした。 私の両親も、主催者も、そんな私のわがままを涙を呑んで、心配を我慢して、 許して、最終的な演目を毎年私に任せてくれた。 でもだから、そう言う自由を許されて、 私は自分の納得できる音楽的成長を遂げることができた、と思う。 ありがたく思っている。 最近博士論文のリサーチの一環として19世紀の演奏家について多く読んでいる私は 新しい心境に至っている。 演奏会には3つあると思う。 1.聴衆のための物、2.演奏家のための物、3.作曲家(あるいは『音楽』のための物)。 1.は興業としては成り立ちやすい。 聴衆が何を求めているのか、何を楽しいと思うのか、どうすればチケットが売れるのか、 それを最優先にする。 クラシック音楽業界に於いては歴史的に「身売り」と見下される視点だが、 しかし実際興業として成り立たなければ、演奏家の生活は成り立たない。 2.は演奏家を、その演奏技術やスター性を見せびらかすもの。 これには超絶技巧や、演奏家のルックス、逸話、 全てが「演奏会」を売るための題材となる。 3.は音楽そのものを、儀式の様に在りがたく崇める、と言う姿勢の物。 ここでは奏者は、いわゆる「お筆さき」の様な存在になる。 あまり強い自己主張はここでは良しとされない。 聴衆も、ありがたがって、儀式を拝受する一員となるべく、 楽章の合間に拍手なんかしようものなら、にらみつけられかねない。 現在のバリバリクラシックの在り方だ。 どうすればこの3つを上手くバランスできるのか? 聴衆も楽しめ、演奏家も気持ちよく自己主張をでき、そして音楽もその尊厳を保つ。 今年のプログラムはそう言う今の私の熟考の一環である。 『クラシックって何⁉』と題した今年のプログラムは大きく分けて2部からなる。 『いわゆる「主流」クラシック=ウィーン楽派!」と題された第一部では、 ウィーン第一楽派のモーツァルトの「キラキラ星」変奏曲に始まり、 シューベルトの楽興の時、ベートーヴェンの『悲壮』 そして最期にウィーン第二楽派のベルグの作品1のピアノソナタに至るまでの 聴衆優先から作曲家優先になるまでの音楽観の移り変わりを追う。 『え!?これも「クラシック」?~民族音楽に憧れて』と題した第二部では、 ジプシー音楽にルソーの「自然に帰れ」の音楽バージョンを見出して美化した リストの「ハンガリー狂詩曲」の第2番で始まる。 そしてスコット・ジョップリンのラグタイム、ガーシュウィンの前奏曲など、 アメリカを中心に、いわゆるクラシックとは少し異なる曲たちをフィーチャーしながら 「クラシック」とはいったい何なのか、検証していく。 6月25日(土)みなとみらいにて、13時半開演 7月8日(金)千葉美浜文化ホールにて、18時半開演。

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本番当日!

起きたら8時半! 睡眠は健康と幸せの素! 今夜は本番! テキサス・ニューミュージック・アンサンブルと言うグループ主催で 5人のテキサス出身の作曲家のピアノ・ソロ曲をリサイタルで発表します。 テキサス・ニューミュージック・アンサンブルのHPはこちら: (チケットもこちらで買えます。) http://tnme.org/current-season/ ハワイに居た、9月12日ごろに見始めたプログラム。 特にDan WelcherのBirth of Schiva(シヴァの誕生)とかは 一時はどうなることやらと思ったけど、 お陰様で弾くのがどんどん楽しくなってきたプログラム。 アメリカ現代曲と言うのは面白い。 東海岸はヨーロッパを意識し、西海岸は東洋美意識が強く、 そして中西部は割りと保守的。 何だか大きく政治観を反映しているような… その中西部でも今回のプログラムはかなり保守的。 主催アンサンブルが演目を選択し、私に演奏を依頼してくると言う形だったのですが、 ジャズっぽかったり、コープランドの「アメリカーナ」っぽかったり、 実際にアメリカの古い民謡の変奏曲だったり、 現代曲とは言えど、とても楽しみやすいプログラムでは、と思っています。 私も今夜の演奏が楽しみです。 そしてそんなこんなでバタバタしている内に生放送の演奏の時間を逃してしまった FMブルー湘南で11月担当している クラシック音楽ラジオ番組「スカッとスカぴあ」。 『ピアノ演奏史に観る女性観の移り変わり』と言うテーマでお送りして 2週目の今日は「ピアノ演奏を男性的にした犯人その1.ベートーヴェン」 こちらからダウンロードしてお聞きいただけます。 http://xfs.jp/s6ywh

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