この30分のヴィデオでいかに落ち込んでいらっしゃる方の気持ちを明るくして差し上げられるか?色々考えました。まず、皆さんが慣れ親しんだ曲で始める。そして段々リズムもムードもアップビートにしていって、少しずつ皆さんの心拍数を上げ、気持ちを晴れやかにする。そして随分長い間外出していらっしゃらないであろう方々のために壮大な自然の写真を曲と曲の間にお楽しみいただく。
窓の外では防水着を着た人が走ったり、傘を差した人が歩いたりしている。「皆、雨でももう我慢できないんだろうね~。」と野の君に話しかけると、「僕は我慢できるよ」とケロリと返事が返ってくる。野の君はそう言えばもう5日以上外出していない。仕事に熱中して、ご飯も美味しそうに食べるし、全く気にならないみたい。
コロナウィルスのニュースで持ち切りですね。休校・イベント中止・株価暴落…そんな中、休校になったミラノの校長が生徒に宛てた手紙がSNSで話題になっています。17世紀にミラノを襲ったペストを描いたマンゾーニの普遍的小説「許嫁」をまず引用して、「集団パニックは、危険性が蔓延していると錯覚を起こし、周りの人間までをも敵対視させる脅威。冷静な平常心と向上心を忘れず、私たちの財産が社会と人間性であるということを念頭に合理的・文明的に物事を判断しましょう」と説いています。 疫病を始めとするさまざまな世界恐慌と音楽の関係は、最古の歴史まで遡ります。自然や病の原因も分からず、なす術もなかった時代、人々は様々な思いで音楽を奏で、声を合わせて歌い、踊ったことでしょう。古文書でその様子を垣間見ることができます。音楽は祈りとしても、恐怖心を忘れる慰みとしても、コミュニティーの結束を強め士気を高める手段としても使われました。そして、科学や医療の発展した今でも、未来や死については無知に甘んじるしかない私たちが、究極的に彼らとどう違うのか… “Music is a bigger weapon for stopping disorder than anything on earth. (音楽は混乱に対する地上最強の武器だ)“と言ったのは、沈むタイタニック号で最後の瞬間まで演奏を続けたという8人の音楽家のリーダー、ウォレス・ハートリーです。それとはまったくスケールの違う話しですが、停電が何日も続いた時、普段はばらばらの生活をしていた同居人たちが私の弾くピアノの周りに集まってきて、いつの間にかミニコンサートとなった思い出が蘇ります。暗闇の中、ろうそくの明かりで音楽を共に体験して微笑み合った思い出は、私が自分のこれからの音楽人生を考える上で重要なものです。 コロナのニュースが落ち着いても、恐慌はさまざまな形で世界を脅かすことでしょう。私たちの生存本能は常に何かに恐慌を見出すからです。そんな中で音楽家として私たち音楽家が、社会に提供できるものは何か、どのような形で一番効果的に貢献できるのか…試行錯誤が続きます。 この記事はアメリカ西海岸の日本語新聞「日刊サン」に隔週で連載中の「ピアノの道」No. 28として3月5日2020年に発表されました。
春先から公共図書館との契約でレクチャーシリーズを提供している。支部によっては電子ピアノだったり、グランドがあったり...臨機応変に電子ピアノの場合は説明の補助に音を出し、簡単な短い曲や曲の抜粋を弾く程度。グランドの時は講義内容に沿った曲を披露したりもする。お客様も一番少ない時は10名に満たない時もあったし、多い時には立ち見が壁に引っ付く状態で60名とか入る。非常に貧しい地域も、非常に豊かな地域もある。CDがバンバン売れる時もあるし、帰ってみるとインスタグラムのフォロワーがバッと増えている時もある。「自分は90歳を超しています」と自己紹介してくれる方もあられるし、昨日は2年生(8歳)の男の子がお父さんに連れられて来てくれた。 昨日の支部は運転して一時間弱。「天上の音楽:聞こえない音楽」と言う題目で電子ピアノとパワポでのプレゼン。 途中で音楽が人間の生態に及ぼす影響などの言及でセラピー効果なども説明中に、眼鏡を取って泣き出した年輩の女性が居た。本人がうずくまって顔を隠したので取り合えず見て見ぬふりをしたが、終了後彼女が最近弟さんを亡くされたこと、音楽の治癒効果に感極まってしまった事などをお話ししてくださった。「そうだったんですか…涙されているのは気が付きましたが…」と返したら、隣にいた彼女の友達が「私だって泣きましたよ!」と唇をとんがらかす感じで訴えてきた。なんだか幼女の様で愛らしくて、ちょっと笑ってしまった。嬉しかった。 昨日、目覚めがけに夢見心地に突然「余命が後一年だったら...」と思い始めた。そしたら思いがけないことに、ものすごい解放感を感じる自分が居たのである。今実は執筆中の本で「自分の事を書いたら名誉棄損で訴える」と言ってきている重要人物がいる。余命一年ならそんなことを心配せずに何でも書ける。しかも絶筆のPR効果でもっとたくさんの人に読んでもらえるのでは...と思ったのである。そして余命一年なら人生の優先順位が否応なしにはっきりしてくる。素晴らしい!色々な悩みが一挙に解決! 今朝は起き掛けの夢でスーツケース一杯の現金をもらった。ここでもまたお金の心配が無かったら執筆と好きな曲の練習に集中できる...と人生の優先順位の明確化に頭が行った。 明日は誕生日。人生の節目。色々考えています。
「音楽には社会資源としての大きなポテンシャルが在る!」これが、私の信念です。音楽をどう使えば、私たちの生活や社会をよりよくするために有効活用できるのか?私はこれからの音楽人生をこの課題の研究と考察をしたい。そして音楽の効用を演奏や講義や執筆活動を通じて、出来るだけ沢山の方にお届けできれば、と思っています。 その試みの一つとして始めた、「音楽の効用を職場で活用!」ワークショップ。( こちらでワークショップのプロトタイプの概要をお読みいただけます)。 この数か月で様々なクライエントにご提供させて頂き、参加された方々に大変喜んで頂けています。予想以上の反響に私も多いに勇気づけられ、この音楽ワークショップのポテンシャルを確信し、これからの意欲を燃やしています。さらに良いワークショップをお届けするべく、復習とこれからの更なるグレードアップ計画を公開するのが、今回のブログ内容です。 そもそもワークショップとは何なのでしょう。 伝統的な『授業』では、先生や専門家・権威と言った一人の人間が講義をし、残りの参加者はそれを静かに聞くと言った受動的な学び方が主流です。それに反してワークショップでは、参加者同士で意見交換したり、自分の体で体感したり、グループで共同に実験してみたりして、能動的に学びます。自分の体と言葉と五感を総動員することで、学習内容が体感や思い出に結びつき、より個人的な実感に基づいた学習になります。また共通の課題を受けて意見を交わし、力を合わせることで、参加者同士の交流と理解が深まります。 静かな聴衆に向かって、壇上から音楽を投げかける伝統のあるクラシック音楽の分野で教育を受けてきた私。その上、修士課程を勉強中から大学などの教育機関で、授業やレッスンを教えてきました。特に教え始めたころは、相手の興味の対象や、どの情報を必要としているのかも考慮する余裕も無く、(自分の持っている知識を全てシェアするのが義務)と、真面目に、一方的に、喋りまくっていたと思います。(意見を聞いても、皆シャイで手を挙げない)(参加型授業は先生の怠け)...生徒や非専門家に対する不信感や「教える」と言う行為への誤解は、実は私だけのものではなく、工業革命以降現在に至る教育現場に、歴史的にあるのではないでしょうか? ワークショップをデザイン中も、音楽家としての修行中に自分が体得して来たことをいかに効果的に皆さんの職場や日常に役立てることができるか、それを伝えることに集中していました。 しかし、このワークショップのファシリテーターとしての活動を始めて驚きました。 参加型にすればするほど私が提示するメッセージが波紋を広げ、参加者の中で生きて成長し続ける考えとなっていくのです。これは、ワークショップの最中の参加者の表情やボディーランゲージの変わり様、そして意見交換がどんどん活発になる様、笑い声の出る頻度の増加、さらにその笑い声がどんどん楽しそうになっていく感じなどで、痛いほど感じられます。 「聞く→聴く」「理解→体感→体験」と、能動性を段々強めていき、シャイな参加者でも違和感なく参加できるようにデザインしたこのワークショップですが、頂いた感想を見ると圧倒的に皆さんの印象に残っている部分は、一番能動的な「指揮でリーダーシップ考察!」の所です。最初のワークショップでこれに気づいて以来、どんどん能動的・体験型学習の要素を前倒しにしているのですが、参加者の方々は、臆すること無く、どんどん食らいついてきてくださっています。 頂いた感想からいくつか抜粋をご紹介します。(参加者の了承は頂いています。) 『 飲料事業の経営をしていると、五感の中の聴覚以外についてたくさん考えます。味、デザイン、香り、商品を持った感じなど。平田さんのワークショップを通じて、聴くという動作を、飲み物、そして人間が集まって活動する事業の中でどう設計していくのか、新しい視点をいただきました。受講した社員たちの眼差しも、平田さんのリーダーシップに触れて一層輝きを増し、またチームとしてお互い発信してぶつかりながらも協業し推進力を持って取り組む姿勢が見えました。是非定期的に実施していきたいと思います。』(株式会社チェリオコーポレーション専務取締役 ) 『指揮のワークショップは...音に対する感覚、リーダーシップに関する体感、実感ができて、頭の中だけの理解でなくて感覚を使うので良い。人前でやるので自信を持つ体感の練習になる。自分がしきる!と言う気構えの練習になる。感覚をオープンにする機会になった。こういうワークショップの短いバージョンもありますか?』(ございます!注:この時は5時間のワークショップをさせていただきました) 『指揮のワークショップから、指示(動作)が明確でないとみんなの心を一つにできない、ついてこれない事が分かりました。「音楽」と聞くと苦手意識が先行してしまい、これまでさけてきたけど、今回のワークショップをきっかけに自分の好きな音楽をみつけて探求していこうと思いました。』 『 音楽と脳、からだの関連を身をもって体験できた時間でした。自分が思っている以上に音楽とからだは連携していて、音学の素晴らしさを改めて感じました。』 このワークショップはそれぞれのグループのご要望にお応えして、常にニーズに合った形にしています。今までにファシリテートさせて頂いたワークショップのクライエントやトピックの例は以下です。 Webrain Think Tank LLC. 「音楽でリーダーシップ!」ワークショップ (参加者7人、2時間半)聴覚の再認識→声の抑揚への気づき→生態リズム//音楽のリズム→指揮でリーダーシップ考察 Terumo BCT, Inc. 本社 「『音楽は世界の共通語』を科学する」(参加者約45名、1時間)脳神経科学の側面から、なぜ私たちは音楽で一体感を得ることが出来るのかのデモンストレーションと、それをどのように職場で活用すればうまくコミュニケーションと連帯感を創り上げることが出来るのか、ワークショップ。 Terumo 「サウンドマーケティングと、サウンドロゴデザイン」(参加者8人、90分)なぜ音は感情に直結しているのか、どのような音がどのような感情を醸し出すのか、それを使って効果的にマーケティングするためにはどのような方法が在るのか。最後にサウンドロゴを試験的に作るワークショップ。 チェリオコーポレーション滋賀工場 「『第一部:音楽でより良いチーム、より良いチェリオ』『第二部:音のパワー&聴覚で市場開拓』『第三部:指揮でリーダーシップ体現』」(参加者:中堅以上22人、5時間)部下とのコミュニケーションの向上と、連帯感を醸し出す引率に注目しながら、音楽の効用について再考察。単純作業中の音楽での効率向上や、サウンドキューでのチーム認識など。 チェリオコーポレーション新人研修「音楽でより良いチーム、より良いチェリオ」(参加者15人、4時間)新入社員が、同期としての連帯感を高め、社員としての自覚を確立し、さらにこれからのキャリアに関する展望をより期待に満ちたものにするためのお手伝い。音楽や聴覚を考察しながら、「上がると言う現象」とは、そして「ストレス」とは何か、どう克服できるのか、など。