今週月曜日から三日間、缶詰で論文を書いていた。 朝、同居人と走る。 最近は暑すぎて汗がすごいので、 冷房の効いたジムでハムスターの様に機械の上を文献を読みながら歩く。 眠さが消えて、脳が活性化して来て、文献がぐんぐん頭の中に入ってくる。 (今日もやるぞ!)と思う。 その後は一日、論文に向かう。 ピアノも台所もある家で没頭できるのは最高。 読んだことを反芻しながら、鶏がらスープをコトコト煮だし、 おでん(スイカの皮入り!最高)とスイカの皮の漬物を作った。 論文を書き進めながら、煮詰まるとピアノに向かって譜読み。 今やっているのは、この曲、ベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」。 グレン・グールド、天才! 今日の締め切りに合わせて3日頑張って、そろぞろ頭がぐるぐるして来た。 今日は2つレッスンを教えて、2つ論文のためのミーティングがあって、 その後夜は麻衣子さんとブラームスのクラリネットソナタを収録! 至福の毎日。 音楽人生万歳!
4月ごろから本当に毎週末本番がありました。 毎週末本番があると言う事は、 週日には個人練習とリハーサルがある、と言う事です。 その上に教え、論文のリサーチと執筆とミーティング。 さらに演奏に必要な旅行とその準備。 今年は日本の帰国前後も、すごく強行軍だった。 日本に行く二日前にルイジアナ州まで車で片道2時間半の遠征演奏に日帰りで行って 日本に着いた翌日から二晩続けて夜遅くまで飲み会に参加し、四晩目から演奏。 時差ぼけを感じている余裕も無い感じのぎっしりでした。 本当に楽しく、ありがたく、過ごしていたのですが、 日本からヒューストンに帰って来てバタンキュー状態。 普段は朝型の私が昨日はやっとベッドから這い出してきたのが11時。 11時半に約束していた昼食のために、あわてて身支度をしました。 昨日は本当に食っちゃ寝日だったな~。 でも、とても充実した食っちゃ寝日でした。 昼食は、カンボジアで地雷撤去の仕事に携わっていたと言う女性のお話しを聞きました。 彼女がかかわっていたNGOのサイトはこちら: http://cmc-net.jp/html/rinen.html カンボジアでは例えばかつて多くいた少年兵は野宿をする際、 自分の一夜の寝床の周りに地雷を埋めて自分の安全確保をしたそうです。 年若い少年兵が自分で地雷を設置し、朝目覚めと共に撤去できるほど 地雷と言うのは手ごろで撤去も比較的単純だそうですが、 でも取り残しも数多く、 今でもせっかくマイホームを買ったら裏庭に地雷が…などと言う 深刻な状況も多々あるそうです。 そして、地雷撤去その物は簡単でも地雷の種類が何十種類とあり、 それぞれが撤去方法が違う、なども問題の複雑化をしているようです。 私は今、自分のスキルセットを活かして国際親善の様な事に関われないかと思っているので、 実際にこういう仕事に携わっていた人のお話しを聞くのは非常に刺激的でした。 夕食は、ヒューストン総領事公邸で開かれた 歌のリサイタルとそのレセプションでした。 木下美穂子さんはヒューストン在住で、国際的に活躍されているソプラノ歌手です。 ピアノ伴奏を務められた戸田輝彦さんは、 ヒューストン・グランド・オペラを始め ヒューストン界隈で指揮や合唱指導、オペラ伴奏などでご活躍なさっている方です。 至近距離で聞くオペラと言うのは、音波が肌で感じられる迫力があります。 良く知っているアリアを沢山取り上げてくださったリサイタルで、 最後はノルマのアリアで総領事ご夫妻、日本人会会長を始め、 聴衆全員が笑顔で総立ちの、素晴らしい会となりました。 オペラと言うのは、音楽と言う媒体の中では器楽演奏とはかなり違う物です。 極端に言えば、クラシックピアノとクラシックバレー位違う芸術分野。 でも同じヒューストン在住の日本人と言うご縁で オペラの木下さんともヒューストンバレーでご活躍なさる皆さまとも 親しく交流ができる。 そして言葉を交わしながらその訓練の賜物に触れ、 そこで培った芸術観や人生観のアイディアを交わし合う機会がある。 そして同じ在外日本人のよしみで、 外交に関わる方々や各業界で重役を務める方々と親しく知り合う機会を得、 こういう方々のご支援を受けさせていただく。 特別に恵まれているな~、と思い、 それを活かせる活動をしたい!しよう!と思います。 しかし私は頑張るのが好きな頑張り屋さん。 火曜日の夜にヒューストンに帰って来てから今日で5日目ですが、 そろそろこういうのんびり生活も満喫しきって まっしぐらに頑張りたい意欲が、こうしてブログを書いていてもどんどん募ってきます。…
時々、他の方々の音楽とか、演奏とかを記憶する能力に驚愕することがあります。 今年日本で演奏したラフマニノフ2曲は 2007年にリリースした私の3枚目のアルバム『Etudes, Seriously』に収録されています。 収録の直後、2007年の日本でのリサイタルで私はこの2曲を演奏していました。 「その時と演奏と比べて今回は...」と言った人があったのです! 9年前の演奏を思い出して、今回聞いた演奏と比べることが出来る!すごい! ちなみにこの方曰く、 「今回の『悲愴』は今までのベートーヴェンの中で一番良かった、 一番良く分からなかったのは『告別』。」だったそうです。 私は言われるまで自分が日本で『告別』を弾いていたことすら忘れていたし、 今ここに書くために自分が何年前に「告別」を演奏していたのか、グーグルしました。 (2009年でした。) 音楽と言うのははかない、時と共に消えてしまう時間の芸術です。 それが、人の記憶の中にとどめられている、と言うのは畏れ多い。 私は自分に起こった出来事とか、映画や小説のあらすじなどは、 人が驚愕するほど覚えていることがありますが、 事実や数字や地理、固有名詞、そして音楽に対する記憶ははっきり言って悪いです。 だから10年前の演奏を記憶して、現在の演奏と比べると言う事がどう言う事なのか、 想像も出来ない。 しかし毎年恒例で16年間続けていると、 毎年私の演奏会にいらしてくださる事をある節目として ご自分の人生に照らし合わせて記憶したり、楽しみにしてくださっている方々も いらしてくださっているようです。 有難い事です。 癌闘病を何年もされていたNさんは、毎年演奏後に 「来年も聞きに来れるように、一年間頑張ります」と私にご挨拶して下さいました。 ある年、もう入院されていたNさんは私に 「一時退院を演奏会の日に合わせて、友達に付き添ってもらって行きます」 と、絵葉書を下さっていたのですが、病状が急転し、叶わなくなりました。 演奏会後、病院にお見舞いに訪ねた私は、 Nさんと初めてゆっくりと会話をする機会を持ち、驚愕しました。 Nさんは、それまで来てくださっていた私の10数年分の演奏演目とドレスを 全て記憶してくださっていたのです。 もう一人、癌闘病中に私の演奏会にご家族でいらしてくださった方もいらっしゃいました。 私の演奏会がAさんがこの世で聞かれた最後の演奏会になってしまわれたのですが、 Aさん亡き後、Aさんの奥様とお子様が毎年演奏会にいらしてくださいます。 こういう方々の記憶は、私のインスピレーションとなって 私の演奏に織り込まれています。 私の音楽は私一人の物では無い、と言うのはこういう意味もあります。
昨日の夜はもう映画鑑賞をするくらいしか覚醒している手段が無く、 映画を観ながらも頭は夢の世界をさまよいそうでしたが、 頑張って10時半まで起きていたかいあって、夜は起きずに朝は割とすっきりお目覚め。 今日は生徒4人とのレッスンを再会するほか、 私が不在中のレッスンを受け持ってくれた友達とのミーティングを朝、カフェでやり、 お昼をヒューストンの親しい友達として、 その合間に、7月中に始める麻衣子さんとのブラームス・クラリネット作品のCD録音の練習! 博士論文もそろそろお尻に火をつけないと。 だんだん現実にフォーカスが戻ってきます。 プロジェクトは一杯! わくわく。 音楽人生万歳!
昨日の千葉美浜文化ホールでの演奏は、 ウィークデーだったことや、夜の演奏会だったこと、 さらにいつも千葉の演奏会の運営に携わってくれている方々の多くが 積極的に選挙運動にかかわっていらして超多忙中だったこと、 などからチケットの売り行きが懸念されていましたが、 本当に熱心に聴いてくださる方々がお集まりくださり、 横須賀からはるばる駆けつけてくれた友達なども居て、 大変うれしいラスト公演となりました。 本当に反応の良い聴衆で、私のジョークにはいつまでも笑ってくださるし、 「ブラボー」も出、また拍手の時に私が見るお顔が皆さまとても良くて、 (音楽をやっていて良かったな~)と思える演奏会でした。 演奏会に足を運ぶと言うのが、結構大変に思えたりします。 特に日本の交通事情では、駅までの道のり、乗り換え、などなどで、 演奏会に行く、と言う行為が半日がかりになってしまったりします。 例えば昨日は20時半の終演でしたが、中には帰宅が11時近かった人も居たでしょう。 でも、それでも私が曲がりなりにも演奏活動を続けていけるだけの人が来てくださる。 これが嬉しく、その道中をねぎらうつもりもあって昨日はリンカーンの話しをしました。 (「この話は良かった」と昨日言っていただけたので。) ご存知リンカーンは南北戦争のさなか暗殺されましたが、 その暗殺は劇場で、リンカーンが奥さんと観劇中に起こりました。 これは周知の事実ですが、南北戦争が終結に向かう大変な時、 なぜリンカーンが観劇をしていたのか、と言う事実に気が付く人は少ない。 私も指摘するまでそこに考えが及びませんでした。 リンカーンはどんなに忙しい時でも芸術鑑賞をすることは、 問題からいったん離れることで新鮮な視点で取り組むことが出来る 必需なものとして、定期的に観劇などのために時間を取っていたようなのです。 人生、色々あります。 今現代のこの世の中、音楽会に足を運んだり、観劇のために劇場に行くのは容易では無い。 でも南北戦争中のリンカーンにできるなら、私たちだってできるし、 リンカーンが必要だと思ったのなら、私たちにだって多いに意義がある事だと思います。 それになぜか、演奏会に積極的に足を運んでくださる方の多くは ご自分の人生も非常に充実している方々が多い。 例えば昨日、ヴォランティアスタッフとして午後から来てくださったご夫婦は 経営を始めたカフェを休業にして来てくださいました。 このカフェが面白い! パレスチナ支援のために始められたカフェなのですが、 パレスチナ在住のクリスチャンが作っているビール(タイベビール)を キリンや日本酒やウィスキーと共に出し、 オーガニック野菜を材料に作ったパレスチナ中東の軽食をお出しし、 本を読みながらくつろげるスペースのようです。 また、ライブや映画所上映会、勉強会などとしても活用されているようで、 パレスチナの映画もご上映なさったりされているようです。 Cafe & Bar/イベントスペース「平凡」。 http://tabelog.com/en/chiba/A1201/A120101/12038649/ こういう活動にも多いに触発されます! 音楽人生万歳!